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陽炎のリーダーなんだから強くて無敵で輝いているはず

 超大剣を軽々と持つ頭領の主要スキルは、【剛腕】か【軽量化】あたりだと思われた。


 【剛腕】なら腕の力で風を生み出すのを警戒するくらいで良いが、【軽量化】だと武器が予想外の動きをしたりするから注意しなければならないだろう。特に軽々と剣を振り回してから突然【軽量化】解除という動きは厄介で、それをやられると今の俺じゃ街の皆を守れる自信がない……。


「うん、やっぱ全力でいくしかないな」

「絶対やめなさいよ!? あんた敵を過大評価してると思うっ!」

「そうだよ! 正直……あの人たぶん強くないっ!」


 ニアが怒鳴り、思いやり溢れるスフィでさえ頭領を貶した。頭領が泣きそうだからそれはやめてあげて。


 ただPIOの世界では、こちらがどんなに強くなっても油断するわけにはいかない。常に最悪のパターンを予想しなければいけないし、相手が盗賊団のトップともなれば尚更だ。

 初心者を装って近づき相手を飲み込むという「飲まれない初心者」戦法も、PIOではかなり長いこと流行っていたしな。


「【強制装填】・【散弓術】・【技能装填】・【浮遊】・【風転撃】・【技能装填】・【浮遊】・【風転撃】・【技能装填】・【浮遊】・【風転撃】・【弓術】・【剣術】」

「ああああああああっ!」


 浮きながらくるくる回る剣を弓に番えて三本放つと、敵ではなくスフィとニアが叫んだ。スキルをたくさん使うだけで叫ぶのやめてくれない?


「うおっ、剣が三本も飛んできた!? ふふっ。だが【剛腕】で風を生み出せば、剣くらいふきとば……うばああああっ!」


 そして、頭領も叫んだ。風圧対策に付与した【風転撃】が風を相殺し、風を受けても問題なく頭領を斬りつけたのである。


「やっぱり【剛腕】の使い手だったか……と思わせるつもりだろうけどその手には乗らないぜ! 今の剣も吹き飛ばせない程度のスキルは油断させる用のフェイクだろ? やはり【軽量化】の使い手だな?」

「何言ってんだこいつ……うぼおおおおおっ!」


 浮遊を付与した剣は頭領を攻撃した後も空中に留まり、ひたすら回って頭領を切り込み続けている。超大剣を持っていても、相手の動きを制限してしまえば怖くない。


「ただ街の警戒網を突破したという事は、高速移動系や瞬間移動系スキルの可能性もあるから油断できないな。【散弓術】から純派生して、【爆散弓術】習得。【千弓術】・【爆散弓術】・【弓術】・【剣術】!」


 俺は【千弓術】で二十本くらいの剣を頭領へと放ち、放った剣を新たに覚えた【爆散弓術】スキルで爆散させた。


 このスキルの良いところは、放った剣を爆散させた後も【技能装填】で付与した効果や剣というアイテムカテゴリーが消滅しないことだ。つまり、頭領の周りに浮いている剣の破片は全て剣扱いになっているし、【剣術】の効果も乗っている。


 そして……。


「【遠隔剣術】・【回転斬り】っ!」


 俺は頭領の周囲に舞った剣の破片全てで剣技スキルを使用し、その勢いでムリヤリ空中に浮かせた。無数の剣の破片で剣技を操る……これぞ、偽・千刀流!


 剣の檻に入った頭領が高速移動で逃げようとすれば、嫌が応にも体に剣が突き刺さります。


「多分とっくに決着ついてるのに、強者感を出したせいでえらいことになってるわね……」

「油断された方が幸せな事って、あるんだねぇ」


 頭領を助けようとした山賊の部下達を圧倒しながら、スフィが何やら哲学的な事を言っていた。まぁ流石にそろそろ決着だろう。


 お、ちょうど【調教】レベルが100超えたし……あれやるか。


「純派生スキル、【従魔覚醒】」


 俺は【調教】の純派生スキル【従魔覚醒】を、ちょうど山賊を吹っ飛ばしていたスライムに使用した。


 有り体に言えば自分の従魔を進化させるスキルだが、【従魔覚醒】を使うとその従魔が得てきた経験によって進化の方向性が変わっていく。たとえば毒ばかり受けていたら毒に強くなったり、水中でも戦わせていたら水陸両用になったりするのだ。

 【魔物合成】は自由に改造できるのが魅力のスキルで、【従魔覚醒】は自分でも予想だにしない進化を遂げるのが魅力のスキルというわけである。さて、スライムはどう進化するのかな……?


「うわ、何あれ! あのスライム、もうブラッディスケルトンより強そうだよ!?」

「か、かわいい……」

「それはちょっと分からない! ニアちゃん感性毒されてきてない!?」


 俺の目の前で、鶏のトサカが斧のように鋭く、そして大きくなった。スライムが俺の作った鎧と一体化し、まるで主人の贈り物を喜ぶかのようにつやめいた漆黒の鎧へとグレードアップさせる。そして鎧の両肩を守る部分がカパリと開き、その下からひよこの顔が覗いた。


 いやニワトリ要素が前面に押し出されすぎだろ。


「「「フィシャアアアアアアアッ!」」」


 スライムがひよこの口も使っていつもの鳴き声を上げると、体中が目に見えるくらい強い電気を纏った。エレキスネークの要素も強化され、【雷纏】を覚えたようだ。


「ふははは、ぬかったな小僧! 俺達には一日二回限りかつ発動までに時間がかかる、【近接転移】スキルがあるのだ! これがあれば剣の檻なぞ……」

「「「フィシャアアアアアア!」」」


 案の定瞬間移動系スキルを習得していた頭領が、弱点を丁寧に説明しながら剣の檻から抜け出してきた。だが転移した先にあったのは、聖大剣を携えた暗黒騎士……の風貌をしたスライム。


 頭領の頬に冷や汗が流れた瞬間、鶏の頭とひよこの頭から同時に光線が放たれた。


「うびゃあああああああああっ!」


 三重になった石化光線は頭領を一瞬で石化し、剣の檻の次は石の檻に閉じ込めてしまう。


 転移系スキル持ちは刑務所の監視が凄いことになるらしいけど……本物の檻でも頑張れな。



レイン・エドワーズ

射手lv.6/剣士lv.4/調教士lv.4/魔人lv.2

【弓術】lv.271

【散弓術】lv.102

【爆散弓術】lv.4

【千弓術】lv.42

【高速装填】lv.57

【自動装填】lv.22

【強制装填】lv.46

【技能装填】lv.39

【背後射撃】lv.22

【音速矢】lv.19

【中継矢】lv.6

【近接射撃】lv.25

【剣術】lv.93

【遠隔剣術】lv.35

【剣防御】lv.8

【瞬突】lv.15

【回転斬り】lv.38

【調教】lv.115

【魔物保有数向上】lv.26

【従魔覚醒】lv.3

【従魔活性化】lv.13

【魔人化】lv.15


【緊急回避】lv.31

【投擲】lv.89

【空握】lv.51

【空腕】lv.12

【投擲許容量増加】lv.24

【索敵】lv.103

【索敵範囲拡大】lv.17

【弱点捕捉】lv.23

【砥ぎ師】v.51

【過剰砥刃】lv.35

【足払い】lv.28

【回し蹴り】lv.36

【風転撃】lv.48

【浮遊】lv.47

【単独撃破】lv.12

【並行作業】lv.43

【鷹の目】lv.26

【消耗品再利用】lv.25

【強制収容】lv.43

【愛撫】lv.72

【高速振動】lv.37

【創造】lv.42

【魔王の血脈】lv.48

【狙撃】lv.27

【頑丈】lv.18

【一極集中】lv.5

【熱耐性】lv.3

【魔物合成】lv.34

【俊足】lv.9

【威圧】lv.32

【夜の声】lv.5

【魔力流】lv.12

【恐怖吸収】lv.20

【闇属性攻撃力上昇】lv.2

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