魔物の国作っちゃ駄目ですか? 駄目ですか……。
ランクCのクエストともなると街から目標地点までの距離もかなり長くなるため、俺達は平野を歩いて道を引き返していた。
遠い道のりを辿ってクエストしにいったのに、肝心のCランククエストが10秒で終わると寂しさを感じてしまうな。
「そこの子供達っ! 危ないわよ!?」
そんな事を思っていると、唐突に冒険者のお姉さんが俺達に向かって叫んできた。
何が危ないのだろうと思ってそちらを見遣ると、彼女は唐突に斧を振りかぶって俺達に向かってくる。うわ、本当に危ない人だ!
「いきなりどうしたんですかあなた!?」
「どうしたのって……見れば分かるでしょう!? あなた達を助けに来たのよ!」
いかにもヤバい発言をしながら、お姉さんが斧を振るう。それは俺のテイムしたスライムを狙っていたので、俺は咄嗟にスキルを使った。
「【魔王の血脈】・【調教】! スライム、攻撃を避けつつその風圧で相手の体勢を崩し、手加減しつつも無力化するんだ!」
「ぴいっ!」
【魔王の血脈】は魔王の素質が上がるスキルなので、配下の魔物を強くする効果も微小ながら持ち合わせている。レベルの上がったこのスキルを使うことで俺のスライムは魔王軍の末端程度には強くなり、俺の無茶な命令もそつなくこなした。
お姉さんの斧より二十倍くらい速いスピードで前方へとスライドし、その風圧でお姉さんのスカートが完全にめくれ上がる。思わずパンツを隠そうとしたお姉さんの腹部に容赦なく体当たりをかまし、スライムは彼女を仰向けに倒れさせた。
生きてるな? ナイス手加減。
「な、何よこのスライム……! スライムのくせに、これまで戦ってきた魔物の中で一番強いんだけど!?」
「お姉さん。いったいなんで俺達を襲ってきたんですか?」
「なっ、あなた達を襲うわけないじゃない! 大量の魔物があなた達を囲んでたから、助けてあげようと思っただけよ!」
そこまで言われて、俺はようやく彼女の意図が分かった。どうやら俺のテイムした魔物軍団が全て敵だと思い込み、俺達を助けようとしてくれたようだ。
「いやこれ、全部俺が捕まえた魔物達ですよ?」
「え、えええええ!? こんなに大量の魔物を、ただの子供が!?」
「大量って……こんなの大量の内に入らないでしょう。魔王軍より少ないのに」
「基準がおかしすぎる!? 【調教】や【魔物保有数向上】のレベルは上がりづらいから、普通は一人一匹か二匹程度しか持ってないものなのよ!?」
マジか。まぁこっちは魔王軍幹部の側近とかまで【調教】してるし、確かに普通じゃないレベルの上がり方はしてると思うけど……。
「とにかくすいません、助けてくれようとしたのに反撃なんてしちゃって……」
「いや、こちらこそ勘違いなんかしちゃってごめんね……」
お姉さんはパンツ丸出しで倒れたままだったので、色々な種類の恥ずかしさで顔を真っ赤にしていた。
「レイン君。普段はテイムした魔物を、一匹くらいしか持ち歩かない方が良いかもね……」
スフィがそう提案し、俺もしぶしぶ頷いた。狭いダンジョンの中では元よりそのつもりだったが、こんな平野でも駄目か……。
「そうだね、他の冒険者がどう思うかは完全に盲点だった。国が出来るくらい魔物を増やしてようやく一人前の調教士だと思ってたから……」
「あんたの感性どうなってんの!?」
魔物部隊でダンジョンを蹂躙するつもりだったけど、そのためには色々と準備した方が良さそうだな。
スライム達もさっき程度じゃまだまだ戦力として不安だし、【調教】のレベルも上げていこう。
レイン・エドワーズ
射手lv.6/剣士lv.4/調教士lv.3/魔人lv.1
【弓術】lv.263
【散弓術】lv.78
【千弓術】lv.39
【高速装填】lv.57
【自動装填】lv.22
【強制装填】lv.41
【技能装填】lv.33
【背後射撃】lv.22
【音速矢】lv.19
【中継矢】lv.6
【近接射撃】lv.25
【剣術】lv.88
【遠隔剣術】lv.23
【剣防御】lv.8
【瞬突】lv.15
【回転斬り】lv.30
【調教】lv.73
【魔物保有数向上】lv.19
【魔人化】lv.1
【緊急回避】lv.31
【投擲】lv.89
【空握】lv.51
【空腕】lv.12
【投擲許容量増加】lv.24
【索敵】lv.103
【索敵範囲拡大】lv.17
【弱点捕捉】lv.23
【砥ぎ師】v.51
【過剰砥刃】lv.35
【足払い】lv.28
【回し蹴り】lv.36
【風転撃】lv.43
【浮遊】lv.32
【単独撃破】lv.12
【並行作業】lv.43
【鷹の目】lv.26
【消耗品再利用】lv.25
【強制収容】lv.38
【愛撫】lv.72
【高速振動】lv.37
【創造】lv.29
【魔王の血脈】lv.45
【狙撃】lv.27
【頑丈】lv.18
【一極集中】lv.5
【熱耐性】lv.3
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