射手だけど魔物軍団引き連れていいですか
第二章スタートです!
慰労会のあった、翌日。俺と会うたびに受付嬢が顔を赤くするようになってしまったが、それ以外は特に不都合なくクエストを受けられた。
Cランククエストともなると、スフィやニアにとっても油断できない相手が多い。俺は以前より細心の注意を払いながら……敵を殺戮していた。
「ねぇレイン。クエスト始めてから十秒しか経ってないけど、もうクエストが終わってる気がするのは気のせい?」
「いや、ランクCのクエストならもう少し手応えがある筈だよ。多分今倒したのは相手が放った【分身】スキルだ。分身を全て破壊してその構成情報から本体の位置を推測しなければ、本物は一体も倒せない筈……」
「レイン君はどんな世界観で生きてるの!?」
PIOの感覚で生きているのでたまに深読みしすぎてしまうが、倒した魔物の死骸を触ったら確かに本体の感触だった。この魔物、群れ単位で弱っていたのかな?
「レインって意識一つとっても規格外なのね……」
「私、やっぱりまだ足手まといだよぉ」
ニアとスフィが嘆いていたが、彼女達も十分に頑張っていると思う。
まぁ彼女達に触発された俺がレベル上げに熱を入れて差が開いちゃう、なんて事もあるのは確かだけど……。
「でもこの世界じゃ、警戒してしすぎるって事がないのは確かだよ。前みたいに魔王軍幹部が現れる事も考えると、とにかく準備はしておかないと」
そう言いながら、俺はダンジョン内で生き残っていた魔物の一匹に近づいていった。魔物がテイムできそうかどうかというのは【調教】lvを上げてるとある程度分かるようになるのだが、ちょっとテイムできそうだったのである。
俺の事をじっと見つめていたのは、火に覆われたトカゲのような精霊サラマンダーだ。俺が手が熱くなるのも承知で撫でると、すぐに懐いてくれた。【熱耐性】も手に入れたし、サラマンダーを撫でるのは良い事づくめだな。
「レイン君はなんで平然とサラマンダー触れてるの……?」
「気にしない方が身のためよ……」
スフィ達が感嘆とも呆れともつかない声を出しながら俺を見ていると、ダンジョンの後ろから唐突に男の声がした。
「おいそこのガキィ! おめぇ調教士だろ? 俺はちょうどサラマンダーの素材を集めてたんだ、その魔物を寄越しな」
「え? 嫌ですよ」
「へっ、調教士にとっては唯一の武器だからそりゃそうだよなぁ。でも調教士なんていう雑魚職業が、剣士様に逆らってんじゃねぇぞ!」
どうやら彼は、俺がテイムした魔物の素材を狙っているらしい。
テイムされた魔物というのは主人の命令に逆らえないから、調教士の方を脅せば傷つけずに綺麗な素材が手に入るという魂胆だろう。
調教士は基本的に非力なので、このような恫喝にあいやすくなるほど周囲から見下されているのだ。
「俺はランクD冒険者様だぞ? 冒険者になりたてのガキが逆らっていい相手じゃねぇんだよ」
「確かになりたてなのは否定しませんけど……。俺達ランクCですよ?」
「へっ?」
俺が言うと、ランクD冒険者様は間抜けな声を出した。
スフィ達の安全を思えば手加減する余裕もなく、俺はポケットに【強制収納】していた魔物を外に出す。一匹、二匹、三匹……今日捕まえた分の十八匹の魔物を出して俺の後ろに控えさせると、冒険者は顔を限界まで青ざめさせた。
「え、そんな、嘘だ! 規格外だっていうランクCのガキは、射手だって話だろ?」
「いや剣士ですよ?」
「どっちでもなかった!?」
俺が言うと、調教士を馬鹿にしていた冒険者は腰を抜かして逃げていった。しかし好戦的な猫耳少女のケットシーが、主人を馬鹿にした彼を許さず尻を引っ掻く。
元魔王軍幹部の親衛隊だけあって、かなり速いな……。止める暇もなかったわ。
「今日だけで魔物もたくさん増えたし、魔物の養殖場でも作るかなぁ?」
「どんだけ魔物を増やすつもりなのよ……」
ニアが呆れたように呟いたが、俺は構わず調教士としてどう強くなろうか考えていた。
レイン・エドワーズ
射手lv.6/剣士lv.4/調教士lv.2/魔人lv.1
【弓術】lv.263
【散弓術】lv.78
【千弓術】lv.39
【高速装填】lv.57
【自動装填】lv.22
【強制装填】lv.41
【技能装填】lv.33
【背後射撃】lv.22
【音速矢】lv.19
【中継矢】lv.6
【近接射撃】lv.25
【剣術】lv.88
【遠隔剣術】lv.23
【剣防御】lv.8
【瞬突】lv.15
【回転斬り】lv.30
【調教】lv.58
【魔物保有数向上】lv.19
【魔人化】lv.1
【緊急回避】lv.31
【投擲】lv.89
【空握】lv.51
【空腕】lv.12
【投擲許容量増加】lv.24
【索敵】lv.103
【索敵範囲拡大】lv.17
【弱点捕捉】lv.23
【砥ぎ師】v.51
【過剰砥刃】lv.35
【足払い】lv.28
【回し蹴り】lv.36
【風転撃】lv.43
【浮遊】lv.32
【単独撃破】lv.12
【並行作業】lv.43
【鷹の目】lv.26
【消耗品再利用】lv.25
【強制収容】lv.34
【愛撫】lv.72
【高速振動】lv.37
【創造】lv.29
【魔王の血脈】lv.45
【狙撃】lv.27
【頑丈】lv.18
【一極集中】lv.5
【熱耐性】lv.3
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