ギルドの異変
山賊団を壊滅させて就職して女の子二人の訓練に付き合う、という濃すぎた日の翌日。冒険者ギルドへ出向いた俺は、すぐにギルドの異変を感じ取った。
普段はクエストの討伐対象を先取りされないよう我先にと外へ出る冒険者達が、ギルドの中が埋まるくらいにたむろしていたのだ。そして何より、誰もがピリピリとしている。
訝しみながらギルドの中へ入っていくと、俺を目にしたギルドの受付嬢がいきなり泣き始めた。
「……レイン君っ! ごめんなさい、私のせいであなた達が……ごめんなさいぃ……!」
「なっ、いきなりどうしたんですか!?」
いつも明るい受付嬢が泣いている状況に、俺は動揺を隠せなかった。いったい何事だと思いながら、慌ててギルドのカウンターへと出向く。
あまりに状況が読めなくて、俺の心臓はバクバクと早鐘を打っていた。
「先ほど、ギルドの方から緊急の連絡があったんです。魔王軍幹部の一人が、魔物の群れを引き連れてゾー平原に現れたと……」
「えっ、そんな事が!?」
「ゾー平原って、この街のすぐ近くじゃない! それでミナ街に緊急クエストが発令されたのね……」
それは確かに重大事だ。ギルドにいる面々が重い表情をしている理由が、これで納得できた。
だがそれで、受付嬢が俺達に謝る理由が分からない。ましてや涙する理由なんて、とんと検討もつかなかった。
未だに動揺していると、受付嬢がカウンターの裏からメダルのようなものを三枚取り出す。そこにはこの世界の文字で、Dと描かれていた。
「ぐすっ、昨日レイン君たちが山賊を捕えた後、私は君達のランクを急いでDに上げるよう本部に申請したんです。本部は渋っていたけど、私が強く言って話を通してきました」
泣きながら語られる話を聞いて、俺はようやく何を謝られているのかに察しがついた。
「でも今回のクエストは……ランクD以上は強制参加でっ。私が余計な事さえしなければ、君達を危険なところに行かせずに、済んだのにっ。早くランクが上がったら喜ぶかななんて、そんなっ、くだらないことを思ったせいで……!」
感情が抑えきれなくなったのか、受付嬢がとうとう喋れなくなるほど泣き崩れる。
どうやら彼女は、良かれと思ってやったことのせいで俺達が危険に晒されることを気に病んでいるようだ。
「泣かなくていいですよナーシャさん。あなたが俺達のためにやってくれたことだし、それにランクがEのままでも、俺は行ったと思いますから」
「レイン君……?」
俺は受付嬢の名前を呼びながら、彼女を慰めた。
「安心して待っていてください。俺達は魔王軍幹部から街を守って、無事に帰ってきますから」
スフィとニアの方を振り向く。すると昨日しっかり特訓をした二人は、目に強い意志を込めながら頷いてくれた。
レイン・エドワーズ
射手lv.5/剣士lv.2/調教士lv.2
【弓術】lv.215
【散弓術】lv.39
【高速装填】lv.57
【強制装填】lv.8
【技能装填】lv.33
【背後射撃】lv.22
【音速矢】lv.10
【近接射撃】lv.25
【剣術】lv.23
【剣防御】lv.8
【調教】lv.41
【緊急回避】lv.31
【投擲】lv.89
【空握】lv.45
【投擲許容量増加】lv.24
【索敵】lv.103
【索敵範囲拡大】lv.17
【弱点捕捉】lv.18
【砥ぎ師】v.51
【過剰砥刃】lv.35
【足払い】lv.28
【回し蹴り】lv.36
【風転撃】lv.43
【浮遊】lv.32
【単独撃破】lv.12
【並行作業】lv.43
【鷹の目】lv.26
【消耗品再利用】lv.25
【強制収容】lv.17
【愛撫】lv.72
【高速振動】lv.34
【創造】lv.29
【魔王の血脈】lv.6




