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閑話
物語の舞台は剣と魔法に支配された異世界である。ゆえに、犯人と呼べる人物が存在するのならば、我々の知らない方法を用いて犯行を行う事ができるのかもしれない。
しかし、探偵役は手持ちの情報を用いて、此度の塔で用いられたトリックを解明した。
探偵役は『どうやってアーロインを密室から消したのか？』『どうやってセリの傷を偽装したのか？』の二つの謎を推理している。
続きを読み進める前に、諸君らは探偵役が解き明かした謎に挑むのも一興だろう。なお、話の展開からして当然の帰結であるが、第一話に記載した登場人物一覧の中に犯人がいるとは限らない。
繰り返すが、物語の舞台は剣と魔法の世界に支配された異世界である。そのため、未知の魔法や超能力が存在する可能性を否定できない。よって、推理を行う上での前提条件を以下に記す。
条件その１
・魔法を除いた物理法則は現実世界のものと一致する。
条件その２
・物語中で言及されていない、高度な科学技術、未知の魔法、未知の薬物、超能力などは犯行には使用されていない。犯行に使用された魔法は、作中で実際に使われた物だけであり、未登場の古代の魔法が使われたという事は無い。
条件その３
・物語中で言及されていない隠し通路や抜け道は、犯行には使用されていない。
条件その４
・塔にいる人物の中で鎖の魔法を使えるのはシズルだけであり、『六人目』と呼ばれた存在は使用できない。
条件その５
・登場人物は、明確な理由なく嘘をついてはいない。
条件その６
・作中での検死はシアが行っている。しかし、それ以外の人物も素人なりに確認しており、シアの説明に納得している。
以上、この物語は六の規則に従い、そこに欺瞞が仕掛けられていない事を認めよう。
諸君らが謎を解き、彼らと共に真実を導き出す事を願っている。
