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恩師との別れ

「地震かな!?」


「マズい、もうすぐ時間切れのようだ」


「え、どういうことですか?」


「この空間が崩壊を始めておる。

早く地上に戻りなさい」


「わかりました。

さあ、丘先生もご一緒に!」


「谷、この世界は記憶の中の世界じゃ。

今のわし自身、生前のわし自身では無い。

お前の記憶の中でのイメージとしてのわしに過ぎんのじゃ」


「でも、ここで今丘先生を置き去りにしたらうち、帰還後に先生の記憶を忘れているかもしれないじゃないですか!」


「心配するな、谷。

目が覚めても、お前の記憶からわしがいなくなったりはせん」


「だって、だって、

うち、丘先生を失いたく無い!

うち、丘先生にもう一度会えてホンマ嬉しかったんですよ。

うちの少数派な考え方を理解してくれ伸ばしてくれた。

丘先生はうちの数少ない理解者なんですよ!

だから、お願いです。

消えないでくださいよ。

また、うちの研究を応援してくださいよ」


「すまない、谷。

それは出来ん。

生命の時間はみな有限じゃ。

出来るのは、意志を継いでいくことだけじゃ」


「意志を継いでいく、ですか?」


「そうじゃ。

谷?

もしお前がわしの存在をそんな風に感じてくれるのならば、次はお前の番じゃ。

次は谷がそこの可愛らしい教え子さん達に、自分が大切に感じることを伝えてあげるんだ。

いいな」


「はい」


「最後になるが、わしはお前のような生意気な教え子を持てて本当に幸せじゃったよ。

谷、本当にありがとな」


「ちょ、丘先生ー!!」


『グラグラグラグラ』


「谷先生、しっかりしてください。

早く逃げましょう!」


「あ、そうだな」


「谷先生、出口はあそこですよ!

出口の前で四葉ちゃんと宙ちゃんが手を振ってくれています」


「ああ、あそこか」


「谷先生しっかりしてください。

出口まで自分の足で歩けそうですか?」


「心配してうちの側で待っていてくれたんやな。

ありがとな、真智」


「全くですよー!

ほんと、このツケは後でちゃんと払ってもらいますからね」


「アハハ、真智らしいな。

うちは歩けるから大丈夫や」


「ホントに大丈夫ですか?

一応肩を貸します。

ほら、出口まで後少しです」


うちらの前には真っ白く眩しい光。

光に近づく程に、その光源の輪郭がはっきりしてきた。

5、4、3、2、1、……。







Q.E.D.

———————————————————————

【登場人物】

•谷先生

真智まち

•四葉

そら

•丘先生

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