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心の叫び

「あわあわわわ……」


「真智、あなたずいぶん怯えてるわね?

大丈夫よ。ここはあたしが対処するから。

残念だけど、人間の中でも学科や体育の成績の悪いあなたの戦力には全く期待して無いから」


「普通、この流れであたしの成績持ちだすかー?

……うっ、ぐぐぐ!!!」

あたしの口は指で強く摘まれた。

タコのように。


そしてクオリアさんはファントム・ヘルのほうに向き直り話し出した。

「あなたに何の目的があってこの娘達の前に現れたのかは知らないわ。

それはあなたの自由だと思う。

だけどね、どうして関係の無い人達に悪夢をみせたり、この娘の命を奪おうとするの?」


『・・・・・・』


「喋……らないね」


「やっぱりね。

今、奴は《《今の真智》 》と話しているんだわ」


「今のあたしと?」


「そう。

それに、きっとこいつは真智、あなたにしか興味ない」


「どうしてそう言いきれるの?」


「こいつが《《自分》》の殻に閉じこもっているから」


「クオリア先生?

それ、答えになっていませんよね?」


「あなた馬鹿ね。

自分の殻って言って察しがつかないかしら?」


「ねえ?

それって、遠回しにこのヘンな脳の化け物があたし自身って言っちゃってたりする?」


「別にあなたごときの為にこの私がわざわざ遠回しに言う義理も無いんだけれど、

単刀直入に言えばそういうこと」


「ガーン!!」


「そのあたしショックですよみたいな古いリアクションは昭和か!」


「あ、でもでも!

周りに興味ないならさ〜?

今のうちにクオリアさんとあたしでコイツをとっちめちってギャフンと言わせたらよくない?」


「真智、全くあなたって言う人は。

コイツが直接危害を加えて来ないとわかった途端に言いたい放題言うわね〜」


「どう?

あたし凄いでしょ?

ワトソンくん、エヘン」


「褒めてないから調子に乗んな!

それに……」


「それに??」


クオリアさんの表情は少し曇った。

その些細な変化をあたしは見逃さなかった。


「私はコイツが返事をしなかった時から、既に何度攻撃をしているの

だけど、全く効かないわ!」


「何それ!?

何もしてこないボスは実はあたし自身で、無敵で、

え〜と、あたし自身は無敵ってつながる部分はなんとなく嬉しいけど、

結局それって詰みゲー確定じゃん!?」


「そうね」


「そうねって、そんなあっさり……??

それに、今のあたし達に直接攻撃を仕掛けてこないってバトル展開的にも全然面白く無いしー!!」


「だから、わざわざ過去に戻ってあなたを呼んだのよ!」」


「真智、よく聞きない。

あなたに、コイツを説得してもらいたいのよ」


「あたしが説得を?」


「そうよ。あなた自身じゃないと駄目なの。

いいこと?耳を貸しなさい!」


「う、うん」


『ゴニョゴニョ』


「え?

ちょっと……、

あたし誰にも話したこと無いのに。

クオリアさん、どうして知ってるの!?」


「それは……、そんなことは今はどうでもいいわ!

早くしなさい!

私達がこうしている間にも、未来のあなたは死の淵をさまよっているのよ!」


「う、うん」


本当は誰にも知られたくない秘密だけど、

未来のあたしの命がかかっているんだ。

あたしは覚悟を決め、奴に向かって叫んだ。


「ねえ?

あんたは本当は理解してるんでしょ?

あんたはいつまでそうやって自分の気持ちに嘘をつき通すの?」


『カッー!!』

あたしの一言で、ソイツの全身からは光が漏れ、周りの空間に拡散した。


あたし負けない!

あたしは怯まず続けた。


「あんたの本心って本当は違うんじゃない?

あんたがいくら自分を否定したり自分の殻に閉じこもってもね……」



◆やめろ!!

それ以上言ったらタダじゃおかない!!◆


奴が初めて喋ってきた。


「脅されたってあたし辞めないよ!」


「真智、続けなさい。

思いの丈を全力でぶつけなさい!

あなたへの攻撃は私が全て受け止めるから」


「ありがとう、クオリアさん!」

あたしはクオリアさんにそう応えると、

すぐに奴の方に向き直った。


「あんたがどんなに自分を恨んでも、

記憶から忘れようとしてもねー!」

何でだろう?

さっきから涙がどんどん溢れてきて止まらない。


『ふ〜』

あたしは一旦、深く深呼吸し続けた。


「加織があんたのかけがえのない妹でいてくれた

っていう事実も、不幸にも亡くなってしまったという事実もね、どっちも無かったことになんかなんないんだよ!!!」


———————————————————————

【登場人物】

真智まち

•クオリア

•ファントム•ヘル

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