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クオリア

誰かに助けを求める不思議な声がどこからともなく聞こえてくる。


あたしは怖くなった。

だから首を上下左右に振ったりして一心不乱に探そうとする。


◆ここよ!

あなたの目の前◆


「え!?

どこ、どこ?」


声は確かにあたしの目の前から聞こえるけど……、

どんなに見直してもやっぱり見つけられない。


◆漠然と視てるだけじゃ駄目。

あなたが自分に向き合って真実を観ようとしてくれないと、

私はあなたを助けられないの◆


「あ、あなた……誰?」


◆私は《《クオリア》》よ◆


あたしの目の前にはついさっきまで誰もいなかったはず。

だけど、今は違う。

全身からダークな雰囲気を放つ不思議な格好をした女の子が浮かんでいる。


その格好がどういう風な不思議かを一言では言えない。

黒すぎて立体感が無く周囲から浮いてすらみえる究極の黒色ベンタブラック。

そんな髪の色をしたストレートの長い髪は

毛先が黒い炎になってずっと燃え続けている。

体には裾がぼろぼろになったダークブルーの法着をまとい、

顔に意識を向けると赤い瞳と不思議な紋章が彫られた銀のティアラが目に入った。

そして、背中からは何百本とは言わずそれ以上のおびただしい数の光の槍が生え、その槍全てが遥か地平線の向こう無限遠点の先まで伸びている。


◆ねえ、あなた私の話聞いてる?◆


「う、うん」


クオリアという女の子の全てを見透かしそうな威圧的な眼力と、常軌を逸した姿に圧倒され、あたしは一瞬思考停止してしまった。


◆まあ、いいわ。

今はあなたと世間話をしている場合じゃないの。

時間が無いの。

私はあなたと一緒に《《会いに》》行かなくちゃいけないの!

乱数発生器が記録したあなたと分裂した《《アナタ》》に会いにね◆



「あ、あの……さ、君が誰か知んないし、

さっきから言ってることも意味わかんないんだけど、一つだけ教えてよ!」


あたしは怖かったけど、たった一つだけクオリアに聞いておきたいことがあった。

だから、勇気を振り絞った。


◆教えてって、何?◆


「あなた、あたしの◻︎◻︎◻︎◻︎、

え、何で!?

どうして先の肝心な言葉が出てこないの!?」


◆無理よ!◆


「嫌!

痛っ!

頭が痛い!」


◆今のあなたでは無理。

この忠告はあなたの為よ。今は諦めなさい◆


「痛い痛い痛い!

でも、嫌だよ!

ここで引き下がるなんて、あたし絶対に嫌!」


◆どうして?

過去を引きずって前をみようとしないあなたが?◆


「痛い痛い痛い痛い!

何言われようが嫌!

だって、言葉には出来ないけど

今向き合わなきゃって思うから!」


◆強情ね、あなたも。

仕方ないわね。

わかったわ!

本当はあなたに真実を伝えるつもりは無かったのだけれど……。

あなたがどうしても真実に向き合いたいという意思と覚悟があるのなら、一緒に連れて行ってあげるわ。

念の為に言っておくけど引き返すなら今よ。

後戻りは出来ないけどいい?◆


「大丈夫!」


◆わかったわ◆


クオリアのすぐ背後には謎の異空間に通じる小さな入口があった。

そっか!

だからあたしは目の前のクオリアの存在に気がつかなかったんだな。


◆さあ、早く行くわよ!◆


「うん!!」


あたしはクオリアに手を引かれ、自分の真実を知る場所へ向かった。


———————————————————————

【登場人物】

真智まち

•クオリア

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