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第25話 「天使は笑わない」

サボりにサボった小説もとりあえず再始動。

さて、まずはアイドリングが基本でやんすよね。


「ちょおおおおおおおおお!!!!めっちゃ良い話じゃん!!泣いたああああああ!!!

、、、、で、結局アンタは行った損だったんだ」



「いや、だってもう走れないでしょ、、、そんな感じで終わった後にバトル申し込むとか、、、、水を差せないっしょ、、」


学校帰りにいつものファミレス

はるなは同級生の友達、サツキと寄り道して昨日の話をしていた。

サツキは高校3年生にして新車でBR-Zを所有しているという化け物だ。

それを可能にしているのは、ただサツキの家が金持ちだからなのだが。

はるなは昨日の妙義山でのバトルをサツキに話していた。

本当に最高のバトルだった。願わくば、なぜ相手が自分じゃなかったのか。


その後も2人でくだらない会話に花を咲かせた後にファミレスから出ることになった


「あのさ、はるな。最近さあナカナカ自分の車で攻めてなくない?どーせなら今夜、榛名山出ない?」


「、、とか言って〜ただあたしの隣乗りたいだけでしょwうーん、確かに最近攻めてないし、サツキ乗せて榛名山行く事も少なくなったもんね、、よーし、せっかくだし行っちゃおうか!」


「もーはるな大好き!行こ行こ!BR-Zちゃんは途中のはやまるさんちの解体屋置いてけばいいよ!」


「あんた、はやまるさんが怒らないと思ってやりたい放題だね、、、ま、いっか。」


2台で走り出し、解体屋はやまるへ向かった。

着くといつもピットには電気が着いてるはずなのに今日は真っ暗だった。

「あれ、珍しく誰もいないね。いつもはやまるさんが車いじってるか誰か遊びに来てるのに」


2階の事務所の電気なども消えており、完全に留守のようだ。


「まあ、いっか。2階の事務所で寝てるのかも。

サツキ、あんた車置かして貰うんだから後ではやまるさんの好きな炭酸ジュースでも買ってあげなよ」


「りょーかいー。コンビニドーナツも付けちゃう」


サツキは軽く敬礼しながらはるなに返事をする。

はるなのギャランに2人で乗り込み少し走り出すとサツキが何かに気付いたように話し出す。


「あれ、、はるなのギャラン、、、これ足回り変えた??心なしかこう、、硬いんだど柔らかいよーな、、不思議な感じ。」


「うっそ、、、ちょっと待ってサツキ、、あんた分かるの?」


「うん、何となくだけど。タイヤのしなり方?もなんか違うし、、つっても前に乗せてもらったのと比べてるだけだけど。」


「あんたの言った通りだよ。足回りはまるごと変えてる。ホイールはマグ鍛だし。しなりはタイヤを自分の好みに変えてるから、、、。

あんたのその体感能力えげつないね、、。サツキってさ、、これから化けるかもね」


「マジマジ!?マジで!?」

サツキが運転はるなの顔に顔を近づける。


「危ないから!!そしてウザいから!もしかしての話!あんた技術は全然なんだから!まあ、あたしが今度BR-Zの隣乗って教えてあげるよ」


「はっはっはー、このまま行くと群馬エリアで1番速いと言われるのははるなでもサンライズ榛名のケンスケでもなく、、、、この!片岡サツキ!って事になりかねいかもね!」

とてつもないドヤ顔をみせるサツキにはるながドン引く。



榛名山の登りをゆっくりと走る。しかし、見るものが見れば分かる。のせているラインは完全に攻めている。榛名山を登る時の癖だ。はるなは必ずウォームアップのように静かにラインを攻める。


そして、いつものスタート位置に着くと深呼吸をひとつ。


「じゃあ、本気で攻めると帰れなくなっちゃうから、、、50パーセントくらいでいくよ。シートベルト確認と、しっかりその辺につかまって体固定してね。」


「おけおけー!やっちゃって〜いい波乗っちゃって〜あーゆーレディ?」


「Yeah」


はるなはサツキを見つめながら、軽やかにシフトを入れる。クロスミッションのギアは、ニュートラルからスコンとリズムよくファーストへ。



バンドのリズムカウントのように2人の鼓動が高鳴る。


ギュアアアアアアアアアア!!!!!!

ギャランとはるなのリズムが重なり合い、

静まりきっていた榛名山を呼び起こすようなホイールスピンを少しキメ、闇夜を切り裂くように暗闇へ突っ込む。



1コーナー目をギャランが抜けると同時にスタート地点、やや後方から1台の車がゆるりと後を追いかけていった、、、。


現実のはるなは元気かなあ、、、。

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