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フルーツな異世界(⋈◍>◡<◍)。✧♡  作者: 渋谷スクランブルエッグ
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アボカド(⋈◍>◡<◍)。✧♡

果物が豊かな異世界フルーツがありました。

異世界フルーツはメロン国王キング・メロンが支配していました。

そんな国王の不安の種は、1人息子の王子のことでした。

王子の名前はメロン王子プリンス・メロン

王子は少し頭が弱い残念な子でした・・・。



メロン国王の城。

王の間にはメロン国王が玉座に座り、横にドドリア大臣が立ち、メロン王子が片膝を着いて王様に謁見している。

「よく来た、王子よ。」

「はい、王様。」

国王と王子の2人は親子であるが、今は国王と王子として接している。

「実は果物畑イイイに魔物が大量に出没して果物畑を荒らしているという。王子よ、魔物を退治してきてくれたまえ。」

「分かりました、王様。見事に退治してみせます。」

「頼んだぞ、王子。」

王子は果物畑イイイに行き、果物畑を荒らす魔物を退治することになりました。

「ニヤ。」

その話を聞いて大臣が怪しく笑いました。



ドドリア大臣が慌てた様子で弓使いアボカドの元を尋ねる。

「大変だ!?」

その様子にただならぬ気配を感じる剣士。

「どうしました? 大臣。」

「王子が王様に言われて、魔物の退治に出かけてしまったのです!?」

「なんだって!? 王子が!?」

異世界フルーツで王子が頭の弱い残念な子だということは全員が知っている周知の事実だった。

「分かりました、大臣。私が魔物退治に出かけましょう。」

「おお! 行ってくれますか。ありがとう。」

こうして弓使いアボカドは魔物退治に出かけた。



王子は魔物退治に果物畑イイイに向かっている。

「アップル、どこまでついてくるの?」

王子が一人で独り言を話しているように周りの人間からは見える。

「どこまでもついて行きますよ。私は王子様のことが大好きなんです。」

王子が話している相手は天使アップル。心の純粋な王子にしか、その姿は見えない。

「暇な天使だな。」

「私が憑いている限り神のご加護があるので、王子様の安全は保障されていますよ。どこでも行って好きなことをして遊びましょうよ。」

「変わった天使だな。」

これが王子と天使の普段の会話である。特に何かを言う訳でも、行動をする訳でもなく、王子の側に天使は居たいのだった。

「それにしても名前と場所を変えるだけの優秀なテンプレートを作成するのは大変だな。」

この物語は当初、更新用のためだけに作られていた。

「アップルは本当に変わった天使だね。」

「そんなことを言わないで王子様、さっさと魔物退治に行きましょう。」

こうして王子と天使は魔物退治に向かったのであった。



その頃、果物畑イイイでは、魔物ゴブリン100匹と弓使いアボカドが対決しようとしていた。

「魔物共! 王子が来る前に退治してくれる!」

「ガルルルル!」

魔物たちが襲い掛かって来た。

「くらえ! 果物弓百連発!」

必殺技を繰り出し、魔物を次から次へと切り倒していく。

「他愛のない連中だ。」

魔物を全て倒し果物畑イイイに平和が訪れた。魔物を倒して去って行く弓使いアボカドはとても強かった。



そして平和になった果物畑イイイにメロン王子がやって来た。

「あれ? 魔物がいない。」

既に魔物は倒されていたのだった。

「まあ、いいや。アップル、帰ろう。」

王子は意気揚々とお城に引き上げようとする。

「あれ? アップルがいない。先に帰ろっと。」

王子はいつものことだと天使がいなくなったことを気にしなかった。



その頃、弓使いアボカドは王子よりも先にお城に帰ろうとしていた。

「ぐわあ!?」

いきなりだが胸を黒い腕が貫通する。口と胸の傷口から血が飛び散る。

「な、何者だ!?」

瀕死の状態だが最後の力を振り絞り立っている。

「私は悪魔アケビ。」

黒い腕を引っこ抜いた者の正体は悪魔だった。

「おまえが生きていたら、王子様が魔物を退治したことにならないだろう。」

悪魔は王子のために行動していると言う。

「王子様のために死んでくれ。」

「ギャア!?」

悪魔の言葉と共に弓使いアボカドは血を吐き出し息絶える。

「私はプリンスメロンが大好きなんだ。」

悪魔はそう言い残すと姿を消した。



王子はメロン城に帰って来て、王様に魔物退治の報告をする。

「王様、魔物を退治してきました。」

「おお! さすがは王子だ。これからも活躍を期待しているぞ。」

「はは、お任せください。」

もちろん王子は魔物を倒していない。しかし魔物を退治した手柄は全て王子のものになった。



王子は充実した1日を過ごし自分の部屋に帰ってくる。

「おかえりなさいませ、王子様。」

部屋の中で天使が美味しそうにメロンを食べていた。

「アップル、先に帰っていたのか。」

途中で消えた天使は王子より先に帰っていた。

「王子様のために祝勝会のメロンをカットして待っていたんですよ。」

「よく言うよ、先に食べてるくせに。」

「エヘ、アップルちゃん可愛い。」

「まったく。」

王子と天使は普段通りの楽しい会話を繰り広げていた。

「あれ、メロンの横にあるジュースは何?」

「これはアボカドジュースです。搾りたてのフレッシュジュースですよ。」

天使が王子に見えない方向に顔を向けニヤッと笑う。


つづく。

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