表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
犯人探し  作者: ずかみん
5/26

人が生活すれば、世界には痕跡が残る

 最初に、大手検索サイトの機能を使って情報収集をしてくれる、ネット巡回ロボットのコードを書いた。もともとあたしはエンジニア志望だ。


 ネット上のコンテンツは膨大で、自分で全部をチェックしてゆく訳にはいかない。情報はネット上にあるので、このロボットが記録してゆくのは、コンテンツの関連性だけだ。


 検索対象は、


 お姉ちゃんの名前、それから連想されそうな『ペットネーム』。


 過去一年間の、性犯罪の記事。


 倒錯した、性的嗜好の記事。


 脱法薬物に関する記事。


 集めた情報は、無料の情報保存サービスにいくつかのアカウントを作って、データベース化した。

 そうして、集めた情報を、あたしは一つ一つ確認した。感情がないロボットでは、洗いきれない情報があるのだ。


 人が生活すれば、世界には痕跡が残る。


 人が撮影した動画や画像に見切れてしまうこともあれば、誰かの日記に、名前も知らない誰かとして表現されてしまうこともある。


 最初に出てきたのは、お姉ちゃんの死んだ夜、秘密で開かれた淫らなパーティの記事だ。


 その記事を書いたのは、ただの愛好者で、暴力的な人物ではない。


 高い会費を払ったのに、途中で『りなたん、というペット』が使い物にならなくなって、たいへん、残念なパーティだったそうだ。


 その男のパーティ参加記録に、お姉ちゃんは記録されていた。その男の友人関係の記録にも、お姉ちゃんの姿があった。ぼかしが入ってるけど、あたしが見間違える筈がない。


 動画も確認した。お姉ちゃんは泣きじゃくっていた。それが、たまらなくそそるんだそうだ。


 みんな、死ねばいい。


 はっきりと分かったことがある。お姉ちゃんは、ただそういう事を強要されていただけじゃない。男達の収入源にされていた。食い物にされていたのだ。


 お姉ちゃんを殺した男達は、まだ、そういうパーティを続けていた。主催すれば金になるからだ。人気があるパーティメーカーだった。


 リアルだから興奮するんだそうだ。当たり前だ。ほんとうに無理矢理なんだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ