守らなければいけない生活
ブログでお葬式の様子を書いた記事をさぐる。地域、日時と、性別が一致すれば、その人は自殺した被害者の知り合いだった事がわかる。
過去の記事を確認すると、被害者が自殺する直前の生活も知る事ができる。
この男達の手口はひどい。
自宅と、職場や学校にいる以外の時間を、男達は全てかっさらう。『仕事』がない時でも、男達は被害者を自由にしたりはしない。どこか足がつかない密室に閉じ込めて、終わりがない感じで、もてあそぶ。
少しずつ、おかしくしていくのだ。
それは撤収をすみやかに済ませる為の準備でもある。最後は死んでもらわないといけないのだ。そうでなければ永久に犯行を繰り返すことができない。
監禁してしまわないのは、コストがかかるのと、被害者に日常の存在を忘れさせないためだ。
希望を奪ってはならないのだ。たぶん、被害者には甘いことを言っている。あと何回で終わりとか、終わったら、二度と接触しないようにするとか、そんな、つい我慢をしてしまうような事を言っているはずだ。
被害者が、どうでもいいと諦めてしまえば、もう脅すことはできない。
守らなければいけない生活があるから、被害者は言うことを聞くのだ。
画像や動画を撮影するのは効果がある。
顔が映らないように撮影した動画を、男達は海外のエロサイトに投稿している。たぶん、それを被害者に確認させるのだ。
次は顔が見えるように撮影して投稿する、という脅しだ。実際にはそんな事はしない。殺した鶏が卵を産むことはないし、被害者の身元が判明すれば、警察捜査の対象になる可能性も高くなる。
ただの、脅しなのだ。この女たちは馬鹿だ。早い段階で警察に相談するなり、騒いで抵抗するなりすれば、男達は諦めて次の獲物を捜した筈だ。男達にとってはただのビジネスで、無用なリスクを払う必要はない。男達は、思い通りになる女を選んでいるだけなのだ。
お姉ちゃんは馬鹿だ。死ぬ必要なんてなかった。