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『異世界のススメ』  作者: メイリ
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第1話

トンネルを抜けると異世界だった。


どこの小説のパクリでしょうか。


私、五十嵐 美琴 は 人生初の異世界召喚を体験しているようです。



事の起こりは数十分前、何時もの帰り道。

ただ、今日は早く帰って見たい番組があったから近道をしたのです。

きっと、これが悪かったんでしょうね〜。

近道のトンネルを抜けたら、まったく見た事のない景色が広がっていました。


なんか、森のど真ん中ですね。

やたら鳥?の鳴き声が響いてます。っていうか鳥ですよね!鳥以外は受け付けませんよ。

はぁー、いくら異世界召喚が常識になったとはいえ、飛ばされるのは一つ一つ違う世界。


ここはどんな世界なのかな。

希望としては現代日本と同じくらい便利な世界だといいんだけど…。

…うん、森じゃあね〜。むーりーだね。


えーっと、異世界に飛ばされたらまず何をするんだっけ?

確か…そうだ!

アレを出さないとだね。

異世界の必需品。その名も『異世界のススメ』


なんだかんだで大きくなってからは一度も出してないんだよね。

昔は何であんな本が小さいアクセサリーに入るのか不思議で良く取り出していたけど。

じゃあ出しますか。


私は自分の首もとにあるペンダントに意識を集中させた。

すると、ペンダントが光りだした。

光りが落ち着く頃には私の目の前に一冊の本があった。

いつ見ても不思議だ。しかもこの本、私以外には触ることができない。

触ろうとしても手が通り抜ける。見えてはいるのにだ。


さてさて、本当にこの本は読めるようになっているのかな。

日本では白紙で何も書いていなかったけど…。


私はおもむろに本を開いてみた。


……………………白い。

ん。

ペラペラめくって見ても何も書いていない。

何コレ!こんな特殊な本なのに使えないの〜〜。

異世界に来て早くも挫折。

どうすればいいのよ。


「もう!何でもいいから使い方ぐらい教えなさいよ!!」


私の言葉が通じたのか、突然本が光った。

何なのよ一体。

もう一度本を開くと始めのページに文字が刻まれている。


『異世界にようこそ!使い方を教えて欲しいんだね。使い方は簡単。知りたい事を我に語りかけてくれ。君が今知りたい事を本に刻もう。』


⁉︎ 本に字が書いてある!

しかも、質問に答えてくれるらしい。

凄いね、本と会話出来るよ。


「じゃあ、帰り方を教えて」


うん、帰れるなら帰りたいよ。

森の中は気持ち良いけど、やっぱり自分のの家に帰りたい。

すると、また本が光った。


『…我は「異世界のススメ」。異世界の事なら何でも答えられるが、日本についてはわからん。というか、そんな事が出来るなら我の価値はないだろう。』


あー、もっともな答えが返ってきた〜〜。

そうですよね〜。そんなことできたら日本でこの本、配らんよね。

んじゃ、どうしようかな。

あっ、そうだ。


「それじゃあ、この世界はどんな世界なの?日本みたいな生活できる?っていうかここどこ?私どこにいったらいい?」


『…一つずつ答えよう。まずこの世界から。ここはいわゆる日本のゲームの世界で言うところの「剣と魔法の世界」だな。魔物もいるし、精霊や獣人もいる。次に日本みたいな生活というと難しいな。科学はほとんど発展していない、ただその代わりに魔法が発達しているから便利さは変わらないかもしれない。そして、ここはリインの森。精霊がいるとされている場所だ。どこに行くかは君次第だ。』


ふむふむ、これはテッパンの展開だね。

さて、私はどうしようかなぁ。もう、この際楽しむしかないよね。

ところで私ってば魔法使えるのかしら。


「ねえ、私は魔法使えるの?使えるなら使い方を教えて欲しいんだけど…。」


『君は魔法適性があるよ。君のチカラは少々特殊でね。イメージしたものを魔法として使えるよ。本来この世界の者は適性以外の属性の魔法は苦手としている。大体一、二個の属性を持っているのが普通だ。属性は火、水、風、土、光、闇の六種類。その他種族ごとに特殊魔法がある。ちなみに君の魔法は先ほども述べた通りイメージが大事だ。イメージが出来ればすぐ使えるはずだよ。』


ほうほう。イメージ魔法ですか。

という事は、火をイメージ出来れば火が。水をイメージしたら水が出るんだ。

面白そ〜〜。やってみよ。

森の中だから火はダメだよね。じゃあ、水!ちょうど喉も渇いたし。


私は手のひらに水が出るイメージをした。


! うわー!ホントに出たよ。いちお、恐る恐る飲んでみる。

ゴクゴク…。美味しい〜〜。

これはなんとかのおいしい水ってやつですな。ここは異世界だから、異世界のおいしい水だね。


ガサガサ…。


えっ、今近くでなんか動く音が…。

やだ、魔物とか。いきなりはダメだよー。

私は音のする方を怖々見た。

すると、なんかとってもカワイイ生き物とバッチリ目が合いました。


「カワイイ!!」


私の言葉にその子はかなりびっくりしている。

大きさは二、三歳の子供くらい。でも、半透明だ。えっと、幽霊じゃあないよね?

だって、なんか全体的に青い。

たぶんだけど、精霊ってやつなのかな。


「あなたは精霊なの?」


「! 俺が見えるの? 普通の人間のようだけど…」


「見えてるよ。青いね。キレーでカワイイよ。」


「!!姿だけじゃなく、言葉もわかるのか?珍しいな。もしかして俺たちを捕まえに来たのか!」


「ち、違うよ。私はここに飛ばされてきたの。もともとは違う世界の住人だよ。」


「あ〜〜。なんか最近噂になっていたなぁ。異世界の人間がやって来るとか。」


噂になるほど来てるの?

異世界召喚がこの世界でも常識になってるのかな。



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