手紙
今週の分出来上がり!
手紙の部分は結構間違いあるかも……
キーボードの調子が悪くて t の文字が散乱してしまいました。
わかる分は消したのですが、まだあるようでしたらご報告お願いしますm(_ _)m
ちょこっと修正+追加
16年10月10日
アヴェジーア学園の説明を追加
最後の手紙出す下りをちょっと修正
洗濯を終わらせて、リビングに戻ると何やら手紙らしきものをもって渋い顔をする師匠が顔を見合わせていた。
「どうしたんですか?顔をしかめちゃって」
そういうと師匠は手に持った紙を渡してきた。
「…ん」
そう言って渡された紙には何も書かれていなかった。頭に疑問符が浮かんでいるとリュー様が
「マスター。手紙に魔封がかかっていますよ」
と言った。
リュー様は人族語も喋ることができる。僕と喋るときは僕の修行のために精霊言語で喋るが、そもそも師匠は精霊言語が喋れない。精霊言語は複雑な形態の言語で、普通習得する者はいない。習得したからといってさして強くなるわけではないが、これは僕が師匠の研究の手助けにと思い習得したものだ。
それはさておき。リュー様がそういうと師匠は僕の手から手紙をひったくっていった。
それにしても魔封か……ということは高位の魔法使いか、または貴族か。魔封は割と難しい呪文で文字を隠したりものを隠したりするのに使える。
もちろん僕は使えない。師匠やリュー様は余裕で使えるけども。
「『レヴェレシオス』」
打消しの呪文だ。魔法の効果を打ち消すことができる呪文で、本来なら詠唱が必要だし打消しができるものは術者の力量に左右される呪文だ。
省略されて呪文で魔封の効力を無効化するには相当な力量が必要だ。さすが、師匠です。
そうしていると、打消しが終わったらしくもう一度僕に渡してきた。
ふむ、なになに。案の定、手紙の様だが……
拝啓 森の魔法使い アニエラ殿へ
立春の候、アニエラ殿におかれましてはますますご清栄のことお喜び申し上げます。
さて、突然のお願いで誠に恐縮ですが、このたび当校では、来年度の火属性魔法の教員を募集する運びとなりました。
つきましては、火属性魔法の分野でご活躍中のアニエラ殿に、今回の教員をお頼み申し上げたく、お頼み申しあげた次第です。
諸事ご多用のことと存じますが、なにとぞご承引くださいますよう、お願い申し上げます。
恐縮ではございますが、繰り返しご一報賜りたくお待ち申しております。
敬具
学園国家 国立アヴェジーア学園 学園長 ミテラ・ストリヒ
学園国家かぁ……
ん?学園国家 国立アヴェジーア学園ってまさか…
「学園国家って国が学園のあれですよね。
大陸すべての学問が集まるって言われてる!四つの学校が国の中にあって、世界中から生徒が集まり、どの学校の購買施設も超一流。しかも国立アヴェジーア学園ってその中でも随一といわれていて入るのはもちろんながら、出るのも難しすぎるって話の。教員も最高の人材が集められていて、大陸中からその道の専門家が集められているって話もあるあの学園国家 国立アヴェジーア学園のことですか!?」
「よ、よく知っていますね。その通りなのですが」
リュー様が少し引き気味に話しかけてくる。
「ええ、町でよく聞きますし、個人的に興味があったので」
学校には行ったことがないので興味があったのだ。
20歳になった今でも学校にはすこし興味がある。学校で友達と一緒に勉強をするとかに憧れるのだ。同じ教室で黒板に向かい、級友とともに同じ時を過ごし、一緒に遊び、将来を語らい合う。そういうことに年甲斐もなく夢に見てしまうのだ。
まぁ、それは置いておいて。
「でも、なんで師匠にこの学園国家の学園長から手紙が来てるのですか?そもそも、なんで直接手紙が来るほどの知り合いなんですか!?しかも、教員の要請が今の時期に!?!?ねぇ、ししょ…あいった!」
突然、頭に衝撃が走る。何事かと思い師匠の下げていた顔を上げ周りを見渡すと師匠の隣に立っていたリュー様がこっちを見ていた。
その顔を見……る。
おぅ、やばい。これは、まずい。一言で表すなら般若。鬼のような形相でこちらにかぶりを振って怒鳴ってきた。
「アレン!あなたは何度注意しても治りませんね!ほんとに何度目ですか。あなたのその興奮すると周りが見えなくなる癖直しなさいと言ったでしょ!!まったく、自分の師匠に詰め寄ってどうするんですか!!ほんとにっほんとにっ!」
や、やばい。いつものやつをやってしまった。自分の知らないことに直面すると気になって問い詰めてしまう癖。気が付かぬうちに師匠に詰め寄ってしまったようだ。
見ると師匠の綺麗な金髪が目の前まで迫っていた……いきなりで驚いたのか、体を震わせて隣のリュー様の服の袖をきゅっと掴んでいて非常に可愛いのだが…
っとそんなこと考えている暇はない。早く謝らなくてては。
「すいません師匠!いつもの癖で熱くなってしまいました!」
勢いよく頭を下げ、謝り師匠の返答を待つ。
「…いいよ。頭あげて。びっくりしただけだもん。リューもそんなに怒らないで上げて。ね?」
「ありがとうございます!」
ふぅ、これでひとまずは安心かな。リュー様のほうを見るとさっきまでの怒りはなりを潜めていた。
「まったく。貴方は本当にアレンに甘いのですから。その甘さも時には考え物ですね。」
リュー様は、困ったように苦笑を浮かべた。
「そんなことないよ?アレンに厳しいときは厳しいもん!」
頬を膨らませ、リュー様に抗議する師匠。ぷくーっと膨らんだ頬は、まるでリスのようで、可愛らしくもあり、おかしくもあった。笑いをこらえようと視線を外すリュー様と目が合う。リュー様も笑いをこらえていたようで、くつくつと肩を震わせている。思わず噴き出してしまった。
「っぷ。くくっ…!」
「あー!アレンなんで笑うの?もう!許してあげない!」
そう言いつつまた頬膨らませる師匠におかしくて、ツボに入ってしまい笑いが止まらなくなる。
「リュー!怒っていいよ。ねぇ、ほら!あー!リューも笑ってる!もう知らない!」
そう言ってそっぽを向いてしまった師匠にリュー様は、
「まぁまぁ、それだけ可愛いってことですよ。マスター。それでアレンに手紙のこと話してあげなくていいんですか?」
さすが、リュー様師匠の扱いがうまい。さらっと話をすり替えた。もう、二人してとぶつぶつ言いながらも師匠は手紙の説明をし始めた。
「私がアレンに会うちょっと前の話なんだけどね。この学園で暮らしてたんだ。そこでお世話になった人が、ミテラ先生なの。4年で卒業しちゃたから短い間だったけど、とってもお世話になったんだ。私のお母さんみたいな人なんだよ。今も手紙でやり取りしてるんだよ」
なるほど、師匠のお母さんみたいな人か。どんな人なんだろうか。
それよりもまさか、七年制のあの学校を飛び級で卒業するとは、さすが師匠。
「で、師匠。この手紙の話受けるんですか?」
「うん。受けようかなって思ってる。先生の頼み事だし、学園の設備で研究したいし。あ!アレンは学園に興味あるんだよね?だったら、学園入ってみる?」
これは思わぬ話が転がってきた。確かに学校生活を送ってみたいと思っていたが、しかしなぁ。
「いや、さすがに無理ですよ。20歳ですし、入るにしても学力が足りませよ」
さすがに無理だろう。年も頭も入学資格に合わないだろう。そう思い残念だが、非常に残念だが、まことに残念だが丁重にお断りをさせてもらう。
「でも、たしかあの学園の入学資格に年齢の上限なかったよ?それでも?」
「へー、年齢制限ないのですか。でも、いいですよ。手紙には来年度って書いてありますから、もうひと月ほどしかないじゃないですか。それに、正規の試験も終わってるでしょうし。それよりも、話を受けるなら準備しないとらいけませんよ!ほら、師匠返事の手紙書いてください。街に後で行くので、ついでに出したきますよ。」
「そっか、わかったよ。手紙書くのリュー手伝ってー」
「はい。マスター」
なんだが納得してないような師匠は、リュー様を引き連れて部屋に行ってしまった。
さて、僕は朝食の片付けと実験用の材料を倉庫に取りに行かなくちゃ。
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