表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きのう見た夢  作者: 日生
7/10

物語が始まる前の夢

 たくさんのドレスを着た女が塔のような場所のホールに集められていた。

 天井は高くて一番先が白い光に覆われていて見えない。

 果てしなく遠いそこまで螺旋階段が伸びていた。


「あそこまで辿り着いた一人がお姫様になれます」

 どこからともなく現れた黒い服の男が言った、それを合図に女たちが一斉に階段を駆け上った。


 ドレスを捲り上げて、高いヒールを履いているのに猛スピードで。途中、何人もが段差を踏み外して落ちていった。それでも彼女たちは必死に上る。物語の主役になるために。

 気づけば私も階段を駆け上がる女の一人になっていた。


 ほとんどの人が落ちて周りが閑散としてしまった中、必死に足を動かして動かして、白い光に指先が触れそうになった瞬間に、黒服の男に手首を掴まれた。


「はい、いいですよ」

 にこやかに男が言う。どうやらここでゴールらしい。

「私はどこの物語に入るのですか?」

 尋ねると、男は首を傾げた。


「さあ。まだ物語ができていないので」


 結局、まだまだここで出番を待っていなければならないのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ