3/10
魔王討伐の夢
おそらく私は勇者的なもので、仲間と共に夜の小学校の体育館の中に魔王を追い詰めていた。
魔王は思ったよりも小男で、ウーパールーパーのようなヒレ? を顔の横に持ち、子供の落書きのようなふにゃふにゃの細い体をして全体が紫だった。
とても素早い奴で、巨大トランポリンの上を跳ね回り、なかなかこっちの攻撃―――カラーボールが当たらない。
それでもなんとかじわじわ体力を削っていき(カラーボールを当てて)、あと一撃当てれば倒せるところまでゲージが減っているのが見えた。
幸運にも至近距離に魔王が着地し、カラーボールを振りかぶった瞬間に、死角から飛んできた一撃に魔王は倒された。
後ろで仲間たちが喜んでいる。どうやら魔法使いの奴が最後に決めたらしい。
それまで体力を削っていたのは私で、彼らは戦闘中にどこにいたのかすらわからなかったのに、最後に倒した魔法使いの元へすべての手柄がいった。
私は釈然とせず、仲間なんていなければ良かったと思った。