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黒い夢
空も地面も真っ黒な空間だった。
切り絵のように白い線で木が描かれてあり、ピンクや白の細かい花が地面のところどころに群生していた。
丸い池の、中心に黒い浮島があり、私はそこに座っていた。背後に本物の大樹が生えており、それに寄りかかっていた。
ぼうっと周囲を眺めていると、切り絵の森から人が次々出てきた。男も女もいた。
彼らはゆっくり池の縁にしゃがみこみ、水の中へ手を入れた。
すると水に触れたところから骨になり、彼らはどんどん池の中へ入っていく。やがて全身が骨になり、バラバラ崩れながら池の底に沈んだ。
下を覗き込んだら、まぶしいくらいの白骨が大量に、池の底に堆積していた。
怖くなって身を引き、大樹に背中をつけた。しばらく、骨になっていく人を見ていた。
ふと気がつくと、私は切り絵の森に佇んでいた。
浮島の上には、黒い髪と白いワンピースの少女がまだいた。
地獄かな、と思いました。
前にギリシャ神話の地獄みたいなのも夢で体験したことがあります。喉が渇いて水を飲もうとしても水が逃げていくという。朝起きてすぐに水を飲みました。