幼馴染を好きになってしまった瞬間
わたしは、恋愛なんてものに全く興味がない。
一に運動、ニに運動。
とにかくスポーツが大好きで、いっつも駆け回る元気な女の子、加奈子です。
そんなわたしには幼馴染がいて、めっちゃモテるショウタという名前の男の子がいたんです。
とにかくかっこよくてスポーツ万能。
あんなに一緒にいるのに、よく好きにならないねと、友達からよく言われる。
でも、スポーツならわたしだって得意だし、かっこいい人なんて他にもたくさんいるし、その都度好きになっていたら、キリがないよね?って思っていた。
そして、そのまま中学、高校と進み…
恋の発展は、進まなかった。
そんなある日、事件が起きた。
いつものように、部活を終えて帰宅すると、父母妹がいなかった。
え…
あぁ、そうか。
今夜は出かけるから、加奈子が先に帰っていたら、鍵必要よねってお母さんから鍵を預かっていたんだ。
ガチャリとドアをあけて、わたしは絶句した。
虫…
虫だけに、ここは無視しよう。
…
いや、ムリムリムリぃーー‼︎
無視できないくらい、白い壁に目立つ黒いからだ…
どうしようと、自分よりもめっちゃ小さいヤツにビビる巨人、加奈子。
アイツは…羽がある。
何かの拍子に、こちらへ飛んでくる可能性大‼︎
えー…
どうしよう…
親は留守…
…
そうだ‼︎
ショウタ…
ショウタに助けを呼ぼう。
向かいだし、すぐにきっと…
電話をかけると、すぐさま電話にでるショウタ。
「おー、珍しいじゃん。どうした?」
「でた…。でたの…。助けて…」
「え、おう」
電話は、すぐさま切れたかと思うと、全力疾走してきたであろうスピードでやってきたショウタ。
「どうした⁉︎泥棒か⁉︎ケガしてないか⁉︎もう大丈夫だ。安心しろ」
と、わたしの手をギュッと握りしめるショウタ。
手を握ったかと思えば、すぐさま手を離すショウタ。
「加奈子は、ここで待っとけ。なんかあったらすぐ警察に電話だ。いいな。オレは、あっちみてくる」
…
「待って。」
ショウタの手を握って、反対の手で虫を指差した。
…
「えっ?」
ショウタは、虫をみて目を丸くした。
「ヤツだよ…それが」
…
「あー」
すぐさま、退治してくれようとしたんだけど、わたしがショウタの手をギュッとしていたから、片手しか使えないショウタ。
でも、あっという間に退治してくれた。
「これで大丈夫。」
「ありがとう。」
「うん。」
…
ショウタが、ずっと繋がれた自分の手とわたしの手をじっとみた。
それから、わたしを抱きしめたの。
「もう大丈夫だぞ?なんかあったら、いつでもオレを呼べ」
と。
わたしは、その言葉を聞いて、なぜか思いもしない言葉を発していた。
「うん、じゃあずっとわたしといて」
って。
「うん、ずっと一緒にいよう」
ショウタは、わたしの手をギュッとしたまま、またわたしをギュッと抱きしめた。
それから数十年、ずっと一緒にいる。
プロポーズをしてくれたショウタと結婚したのは、数年前。
でも、最初にプロポーズしていたのは、今思えば、わたしだった。
おじいちゃん、おばあちゃんになっても、ずっとこの手を繋いでいられたらいいな♡
おしまい♡




