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白昼夢  作者: ダリー
ドリームタイム
55/56

真っ白

私が曲がったことやズルい事をしないでクリーンでいられたのは、

私にそうさせないようにと、代わりに、ズルい事をしたり人のために曲がるしかなかった人が曲がらないようにズルい事をしないように、必死にまもってくれたから。

だから、私が1番ズルい。

だから、守ってくれた人達が1番キレイで真っ白で、私がこれから守るべき人。

よく、政治家やタレントなどに、過去の嘘や問題が取り沙汰されることがある。

そして、その人が辞する。

これは、本当に正しいのだろうか?


何か組織を変えるためには正攻法では弱者は辿り着けない場所だったのじゃないのか?

本当に自分の欲からやった事だったのか?

その人の今の行動は?

私みたいな人や何かを守るためだったんじゃないのか?

なぜしたのかを聞くべきだと思った。

そうしないと、いつまでも、リスクを犯さないでもそこにいられる強い者だけが甘い汁を吸い続ける。


私は日によって、人前で食事がとれない。

もの凄い恐怖に襲われる。

手からは汗がでる。

体は石のように硬くなる。

身動きがとれない。

動かなきゃという焦りからさらに動けなくなる。

まるで、神話にでてくる髪の毛が何匹もの蛇のメデューサと目を合わせて石になったかのように。


人前で食事をする事に恐怖を覚える事を

会食恐怖症やSADというらしい


25才くらい。

職場のベテラン女性記者の方


「てにをは」がなんか変なのよね。


なぜか事務の私に見せてきた。

違和感のチェックかと思った。

違った。

昔から、文章を読むのが異様に早かった。

何を書いてあるか。

一瞬でわかったし意図も分かった。

教えてくれた。


なんで、私の周りには、こんなにも忙しい中に人の事を考え助けようとする温かい優しい人がいるのだろう。

その優しさに涙がでそうになった。


母は本が好きで、シングルマザーの限りなく無駄を削ぎ落とされた家なのに本だけは溢れていた。

ご飯が食べ終わると皆、本に向かって散る。


母は3人掛けソファーのはじで足を組んで、日本酒ロックを傍らに、右手にタバコの煙を(くゆ)らせながら、時々、髪を触りながら本を読む。

今でも昨日の事のように目に浮かぶ光景。

私の母。

というタイトルで絵を描くなら、この姿を描くだろう。


なんで、貴重な休憩時間をさらに文章を読むのに使うのだろう?と当時は疑問だった。

母になり自分の時間がなくなった今。

本を読みフリーズしていた感情を動かすことに、わざわざ時間を使うこの贅沢さ。

何の邪魔も入らずに、頭を使う事に、何かを知る事だけに没頭できる。

カチカチのスポンジが水を吸うかのごとく。

本を読むのって贅沢な事だったんだなと気がつく。


母の尾行という仕事について行く時は、必ず、本を買ってもらっていた。

空港や新幹線や地方ならではの、なんでもござれなスーパーの一角の本屋。

私は、すぐ読み終えないパズルや謎解き系をそういう時にはチョイスしていた。

さらに母は給料日になると私と姉を大きな本屋に連れて行った。

この日は、毎月買うもの以外に好きな本やCDを何冊でも買っていいというルール。

どうやら、北野武監督のお母様の貧乏ループを断ち切るという大成功を収めた教育法の影響を受けたと思われる母。教育費に糸目はつけなかった。

特に覚えているのは、シングルマザーなのに、どこで知り合ったのか我が家には近所の理系国立大に通う、塾なしで合格した強者エリートが家庭教師に来てくださっていた。超優秀な姉の家庭教師を実に7年近くして下さった。

その後も時々ご飯を食べに来ていた。

ところで、なぜ私は家庭教師がつかなかったのか?

それは、はじめてきたその日に、先生の頭に焼いた椎茸を乗せて爆笑するという珍事を起こし、さらに逃げ回り。

優秀な先生は、

「お母さん、ダリーちゃんは・・・無理です。」

そんな感じで、私が進学塾に行ったり、英語を習ったりは、その後なくなった。


不思議なもので、学級委員さんをやったり、なんでも真面目な姉は、高校に入り当時流行ったガングロコギャルになり日サロの店長にまでのぼりつめ、真摯に流行りにも真面目に取り組んでいく。

ちなみに見た目がとにかく派手だったため、私の友人からはロシアマフィアの女と影で呼ばれていた。

でも素敵な服で堂々と歩く姿は凄くかっこよかった。


そして、頭のよい姉。多分、国立にいけるくらい頭がよく、小学校の頃からずっと、夜中まで勉強をしている生活をしてきた努力家の姉は大学へは進学しなかった。

中学受験で難しい学校に受かった時も

制服が可愛いくて絶対に受かりたいと頑張ってきた。

姉の入学金は、あっさり、腹違いの兄弟の入学金に変わった。

男だから、いい学校をでたほうがいいから。

母は渡した。

母になった今なら分かる。

たしかに時代的に考えたら私もそうしたかもしれない。

姉は泣いて怒っていた。

父に塩対応だった私に反して、姉はそれでも優しかった。

大学進学の時も、遊ぶのが楽しかったから。

ド派手なギャルの姉はそう言った。

どこか抜けて世渡りが下手で不器用な勉強しかできない私を大学に行かせるためだったんだと思う。

今、姉は看護師になった。

大卒がそんなに偉いんだろうか?

大学って何?ただお金を払って勉強してきたのが、こういう人よりえらいの?

嫌な役を誰かに押し付けて、間違ってることを見て見ぬふりして、コンサバな格好をして穏やかにニコニコ笑っている人のほうが偉いの?

世の中、馬鹿みたいでどうかしてる。


一方私は、漫画と当時流行っていた、少女漫画の小説版の折原みとさんや不思議な国の小説のクレヨン王国などを好んで購入していた。

厄介な先生のおかげで堂々と不登校になっていた小3は給料日の本だけでは足りず。

マイケル・ジャクソンの合間に、家にある母の北方謙三や西村京太郎や落合信彦や逢坂剛ミステリー系から、大前研一みたいな経済系や吉本ばななや藤原伊織など流行りの小説など幅広く読んでいた。

ただ、母の本を読むのは、親とはいえ何かプライバシーを侵害している気がして気が引けたからコソコソと読んでいた。

多分、それで早くなった。


母と姉は、ダリーは絵しか見てない。

だから、文章が変なんだよ。

と長いこと、今も言っている。

その度、一応ちゃんと詳細まで感情移入もして読んでるつもり。と伝えている。

でも、本当に、ちゃんと読めてないのかも。

と言語化力や語彙力のなさから、疑問を感じる瞬間もある。

自分をさらけ出す事に恥ずかしさを少しも感じないのは本を読む事を通じて、さらけ出す。

という行為に慣れているからなのかもしれない。


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