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白昼夢  作者: ダリー
ドリームタイム
53/54

白昼夢と朱色の朝焼け

季節はずれの、

1本だけ紅葉するもみじを眺めながら

ふと、いつかの夢を思い出す。


傍らには、何故だか懐かしい琴の音色。

曇り空、色は青みがかったグレーに黒が混じる。

鳥の鳴く声が遠く空に吸い込まれていく季節。

枯れた(あし)がしげる沼。

一人、茶色と白でコーディネートされた袈裟?

頭から布をかぶっている。

尼僧(にそう)が立っている。

あの人かな?

顔を見る。

まっすぐに、こちらを見ている。

無表情。

それは、今の私だった。

自分の事を外から見るとこんな感じなんだな。

自分が思っていた小柄な自分よりも、さらに小さく、こじんまりとしているな。

なぜ、私なんだろうか。

中身は私ではないはず。

完全に入れ替わっている。

実は入れ替わっていなくて、私の願望の記憶なのだろうか?

わからない。

目を覚ます。

それから、しばらくして似た格好をする人をみた。

この人は覚えている。

飛び石と1番最初にできた憧れの場所。

最終話は書き終えた。

合致する、絵、置物。

ヒントが散りばめられていた事に気がついた。


自分の子供を抱きしめた。

ありがとう。



砂時計をひっくり返す。


オーストラリアに来てから

朝焼けを見ていない。

ここの朝焼けは朱色なのか、黄色なのか?

ピンクなのか?

よくわからないまま、私は帰国した。


私は、学校へ向かう。

電車は2階だて。

いつも、入口近くに立っていた。

ここは、人種が様々。

でも、みんな同じ生活をする。

美味しいものは国なんて気にしない。

美味しいから食べる。

金髪の男性は日本のマヨネーズが好きで日本人だらけのマニアな店に買いに行き。

無宗教な日本人の私は、ハラール(お祓い)印のチキンを狙いうちで買う。

韓国人の美人は、やっぱ韓国料理!と言ってタイ料理が食べたい私を韓国料理に連れていく。

インド系のオージーは、朝から納豆を日本人の家族に嫌がられながら食べる。


どこの国の料理かなんて関係ない。

好きなら好き。

なんとなく、居心地がよく感じる。

なんでだろう。優しく自由。

私を色メガネでみない。

本当を教えてくれる。

違うけど、それが、咎められない。

時々、知り合いがいないから、尖ったままを出せる!とオーストラリアに来たであろう日本人もいて、案の定、容赦なくブスブス刺された。こういう人は何処にいてもかわらない。

強くて羨ましい。日本にいても立派に生活できるのでは?と思う。


学校についた。

初め日本人グループには仲間に入れてもらえなかった。

私はそんなに怪しいのだろうか。

と一人、異国の地で悲しみにくれる。かわりに語学クラスが一緒のメキシコ人のギャビーが親切にしてくれた。彼女は世話焼きで、お昼をどこで食べようかと心細く、一人うろつく私をこっちだよ!とスルスルと手をひいて、お湯が出る場所、なぜだか日本人以外しかいない食べられる部屋までつれて行って寂しくないようにしてくれた。そこでは、みんな野心に燃えて英語を勉強しに来ていて、

一人のチリ?かどこか出身の男の子は、私がこれ本当に意味あるのか?と訝しんでいた勉強法を素晴らしいメソッドだっ!と私に力説してくれ、少し安心感をくれたり。

謎の歌を歌いだしたり。

とにかく、パワーが凄かった。

みんなが、ハートで動いているのを感じた。

2回目の謎の歌は、口パクで歌っているふりをしてみた。



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