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白昼夢  作者: ダリー
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ハミングとヨーロッパの空と日曜日の夜中

日曜日の朝

最近、1時半に目が覚める。

10時から2時に寝ると美容によいらしいから

寝たいのに。

目が覚めてしまう。


今日も1時半

少し早いけど日曜日の朝。

いや、もはや、土曜日の夜中。


なんて、答えたらいいのだろう。

いや、答えなくていいのかな。

たまたま、私と内容が被っただけ。

平凡な私のよくある話。

それが素敵なものと似通っていただけ。

区切りはついていない。

何もないけど返事をすると正しくない。

私らしくない。

この人らしくもない。

そして、私は歳をとりすぎた。

はじめて、今まで誇らしく感じていた歳を重ねるという事を悲しく思った。


鼻歌の人がグランドピアノの前にいた。

グランドピアノの重い鍵盤からでる一つの音。

空気が振動して広がる音。本物の音だ。

思い出したピアノは打楽器だ。

一つの音なのに、叩かれた線の近くの線かビビビと微かに分からないくらいに振動する。

その共鳴がまるで波紋のように広がって音が伸びていく。


優しい鼻歌が聞こえはじめた。

沼に手をかけ、頭を泥だらけの腕に乗せながら聴いた優しいあの声。

ハミングと表現している人もいる。

たしかに!

あんなに綺麗なものに鼻歌じゃ、失礼かもな。

沼に手をかけて、頭を泥だらけの腕に乗せながら聞いた優しいハミング。

なんて上手に表現するのかしら。

まわりの人の賞賛を聴きながら、この人達はなんて感性豊かに表現するのだろう。

この賞賛も歌の一部みたい。

ピアノににている。

この人の謙虚さが周りの人を引きつけている。

私にはない謙虚さ。

謙虚さを媚びる事と勘違いしていた自分を恥ずかしく感じる。


終わるとお花を抱えた素敵な方と一緒にいた。

ああ、返事をしなくてよかった。

不快な思いをさせてしまうところだった。


朝日がさすと、なんだか安心して眠くなる。

ちょっとだけ眠る。


夢をみた。


どこかヨーロッパの広場のような場所。

晴れているのに薄っすらグレー色の空。

階段の上

大きな石の手すりのようなものに、

セミロング の黒い髪の毛の細い可愛らしい中学生くらいの女の子が座り、その前には立っている同じくらいの歳の男の子がその子と手を取り合って見つめあって、笑いあっている。

男の子は女の子の顔を少し下から覗きこむように

真っ直ぐに見つめ、とても愛おしそうに、無邪気に笑う。女の子も、大きな口を開けて、青い空みたいな笑顔をみせて笑っている。

女の子は男の子の両腕に手をのせ、寂しげだけど明るい可愛らしい笑顔で笑っている。

アイドルみたいな、この女の子は誰だろう?


謙虚さとは全力で相手の事を知る事。

賞賛する人達にも謙虚さがある。

私も、とりあえず、今まで色々見るのは何か失礼な気がして見なかったけど。

助けてくれたこの人が成し遂げた事を少しずつ見ていこうと決めた。

長い時間を確保できない。途切れ途切れ。

また、少し前から見直し、少し前から見直し。

これの繰り返し

これだと、1日2個くらいかも。


私にはなかった、謙虚さを子供達に身につけてあげたい。

根底には、この人みたいな謙虚さを持った姿を見せたい気持ちが強くあった。



そして、本当はこのハミングを近くでずっと聞いていたいなと思った。

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