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卒業式と裏世界
体育館に行く前の待ち時間に、
昭和初期オヤジ先生が小話をはじめた。
何年か前に卒業したダリアさんという女子の話をしてきた。
「入学したての頃、名前も似てるし久々に手ごたえあるやつがきたと思ったら、いくら頑張っても頑固で自分を出さないし、実際そうでもなかったり!」
と思いっきり私を見てきた。クスクス笑われる。
さらに他の生徒のエピソードも話した。
ゾロゾロと教室から出る時にオヤジ先生になんか言われて頑張れよ!と背中を叩かれた。
何言ってるかわからなかったけど。
対等に向き合ってくれて、ありがとう。
と思った。
式の後に外にでると他の子達は、
やれ付き合う、付き合わない
振られた、振った。
泣く者や成功を喜び合う者。
悲喜交々。
華やかだった。
目の前にくり広げられる世界に、ひたすら驚いた。
いつ、そんな時間があったんだ?!
何をどうしたら、そうなるんだ?!
あの子とあの子が話してるのすら、私見たことないんですけど!?
腐女子の私には、何かあるわけもなく。
つまらない、いつも通りのトーンで卒業した。




