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白昼夢  作者: ダリー
夜の影
21/54

YouTubeとセンターパーツとユニフォーム

人は自分が死ぬ夢はみないらしい。

YouTubeを見て知った。


経験した事のない事は夢に見られないからだそうな。空は飛べるのに?


私は自分が死ぬ夢を4年前にみた。

ちなみに、あと数日で私が死ぬ日が終わる。


20年くらい前に当時TVに出ていて凄く当たると評判になっていた占い師さんと偶然知り合った。

とても大人で、気さくで優しくて一緒にいると居心地がよい気のきく人だった。

ある日一緒にご飯を食べていると、とても気まずそうにゆっくりと言った。

私の未来は大変な事になるらしい。そして、それを変える事は凄く難しい。

「もしかしたら、私ならダリーさんの運命を変えてあげられるのかもしれない。」

かもしれない。

これは、その後に何回も脳裏をチラつく。




夢の中



そこは、我が家の庭。

ウォルナットカラーのウッドデッキ。

ウッドウォールには、ちょっと昭和なお花達がかかっている。

私の趣味ではない。


今とは違う。

でも我が家。

結構なお金がかかっている。


夫がカメラを手に持って庭にでてきた。

慣れた手つきでテーブルにカメラをセットする。

そして、神妙な面持ちで何かをカメラにむかって話しだす。

テーブルに肘から下の両手をのせて、こぶしをにぎる、まるで政治家の演説みたい。

ものものしい、ちょっとオーバーな本人的には一大事なんだろうなという感じが夫らしいな。

笑ってしまう。

そして気がつく。


私は、いない。


後妻の趣味なのかな?

前にウッドデッキとウォールが欲しいと言ったから真似したのかな?

でも、この色はちょっと違うし、

お花も白いプラスチックのプランターは違うんだよな。100均で馴染む色の買いたいな。

花だけじゃなくて緑系も、もっと沢山欲しいな。

なんて、文句を考えながら空中から、それをみている。

いや、見ているというよりも

私の心のような小さな玉のような煙のようなふわふわと浮いている。


夫は何かを暴露するような、怒っているような雰囲気でカメラにむかって何かを訴え語り続けている。

服や身なりにお金をかけない人が明らかにオシャレになっている。

私が前にやったら?と提案したが拒絶されたヘアスタイルだった。

そして少し年をとり、白髪の割合が増えた。

口にはオシャレなヒゲをたくわえている。

結構かっこいい。

高田純次さんみたい。


何を言っているのかは分からない。

私は、なんでそんな事を言うのだろうか?

と悲しい気持ちでそれをみている。


すると、部屋からユニフォームみたいなTシャツに短パン、真ん中分けのマッシュルームカットの

日焼けしたスポーツ少年風な小学校高学年くらいの子供が現れた。

庭に続く窓のサッシに手をかけながら撮影を眺めていた。

我が子だけど中性的すぎてどちらか分からない。

子供のなんとも言えない表情から、

こんなところを子供に見せないであげて欲しい。

そう思った。胸が苦しくなる。


すると、夫が胸をおさえて、いきなり苦しみだし倒れこむと子供が助けにかけよる。


私は、その子供に対して、一人になってしまう。

可哀想に。と悲しみに胸が張り裂けるような気持ちで見ている。


この夢は絶対に忘れないようにしなくては。

この突拍子もない感じは当たるかもしれないシリーズだ。


何か他にヒントは?

あわてて周りを見渡す。

そして、ふわふわと部屋に入ると

前よりも物が減った部屋に、

私と片方の子供が一緒に写っている写真と位牌が一つタンスの上にあった。


確か、後ろに名前と享年が書いてあったはず。

当たった!

裏を見ると年齢が書いてあった。

私の名前に続いて


43


そこで目が覚めた。

漠然と疑問がうかんだ。

夫はなぜYouTuberみたいに動画を撮っているのか?

YouTubeなんて全く見ない人だから繋がりがあまりになさすぎて不思議だった。

子供の髪型が今時ありえないな。と矛盾を感じた。


そして、今。

マッシュルームカットのセンターパートや姫カットという顔周りだけ顎下の長さに切り揃える髪型が

街に溢れている。

怖くなった。


娘は姫カットをしている。

夫は半年前からYouTubeをはじめた。


私はあの時点ではすでに死んでいるから、

多分、何年後かの光景。


この夢は、私に何かを再確認させた。

やりたい事をやりたくなくなってしまった。


ハズレるかもしれないけど年齢も年齢だし。

自分にお金をかけたくなくなった。

どうせ無になるだけかもしれないから。

我慢したカフェラテ、服や美容院や歩いて浮いた電車代を募金に回した。

子供が大人になり苦しい時に助けになるような言葉ばかりを沢山言った。

そしてディズニーアニメを見ながら子供の記憶の隅に残るように伝えた。


「私、骨はさ、さっとバレないように海にまくのがお得だと思うんだよね。海は繋がってるから、お墓参りが世界中のどこにいてもできるんだよ。超節約!お盆は、花をまいて、ちゃんとエススプレッソで作ったカフェラテをそなえてさ、あとはノリノリな音楽とカルディみたいな明るいラテンな感じの音楽とかかけてくれたらさ、ナスやきゅうりなんか嫌だからさ!カフェラテのカップに乗って踊りながら登場したい!あと2人が楽しく踊ってくれてたら嬉しいね!花とラテはお金なかったら絵とか折り紙でもいいよね!」



あとは、知らない人にとにかく優しくしよう。

私が損をして相手が得するなら損していこう。

でも子供に損はさせない。巻きこまない。

できるだけこの光景に抗うように、

庭が似た感じにならないように、夫にもこういう風には絶対しないほうがよいよと具体的に刷り込んだ。

多分、夫はこの事を忘れてしまうだろう。


YouTubeとセンターパーツとユニフォームもネックだけど天災とかじゃなければ逃げきれるかもしれない。


そもそも、死ぬとかじゃないのかも。

いつも、答えは意識していなかった部分にある。

意識したら、答えじゃない。

細胞が勝手に答えをだしてる感じ。







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