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白昼夢  作者: ダリー
白昼霧
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現れた少年

あれは今から2年前。

1か月だけ起こった出来事。


夜中に子供用おもちゃが激しくアラーム音とおしゃべりを始めた。

よくある、教育系の時計のおもちゃ。

見ると電源がオフになっていた。

接触不良かな?とふったりした。

その後も、不思議なタイミングのいつもバラバラな時間にアラームはなり続けた。

とうとう、ピアノのおもちゃまで鳴るようになってしまった。

気味が悪くなった私は電池を抜いた。


それなのに。

ある日またおしゃべりするアラームがなった。

驚いて起きた私。

すると、夫が止めるついでにトイレに行った。その後を上の子が私も行く!とついて行った。そして、ドアの隙間から、さらにいつもみたいに二人の後をつけていくオムツをした息子の後姿が見えた。

ああ、トイレもまだ行けないのに、また、ついて行って!と微笑ましく思いながら寝返りをうった。

息子は横で眠っていた。

考えてみたら、当時の息子はまだ2才。

ついて行った、男の子は5.6才だった。

ただ一つ言えるのは、あれは、息子だった。

私は胸騒ぎを覚えた。


また、アラームがなった。

同時に小さな地震が起きた。

夫と私は目を覚ました。

私は体を起こし隣に寝ぼけたまま目だけ開けて

横たわっている夫に地震だね。と声をかけた。

すると、

「あれ?○○(息子)が今いたんだけど。○○なんだけど大きくて。あれ?」

と言って寝てしまった。

ふとめくれた布団のところをみると、5.6才くらいの青白い子供の足。

足首から下が立っていた。

足の指が特徴的で人差し指が親指より1関節分短く中指も人差し指ほどではない程度に短めな指だった。すっと消えた。

息子の足を見たけど、まだ小さすぎて

本来の形がわからなかった。


それから数日後。

寝ていると電池がないアラームとピアノと電車が動いた。

いつもとは違う異様な空気。

私は意を決してリビングに音をとめに行った。

止めて横を見ると少年は立っていた。

頭には包帯がターバンのように巻かれ、

肌は相変わらず青白く、また、年齢に合わないオムツをしていた。

目は真っ黒になっていてなかった。


それから、

1か月近く続いた

音がでる現象はなくなった。



2才おしゃべりするアラームに似た時計のおもちゃがお気に入りになる。

3才あまり遊ばなかったプラレールが大好きに。

上の子はついて来ないから、パパママを独占できる

電車の博物館に行く事が大好きになった。

4才ピアノが一番大好きなおもちゃになった。


そして現在。

息子の足は人差し指と薬指が短く親指がニョキっと長い。そのせいか、よく転ぶ。


妄想、疲れてると思われてもいい。

私には分かる。

あれは息子だった。

どうか、未来が変わるように。

夫の呆れ顔を横目に。

私は毎日のように七五三にもらったお札にお願いをする事が日課となった。

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