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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

歩く。

作者: ろ~ぐ

 ぽつぽつと、朧月夜に翳る道を歩く。

 街灯は暗い空間に、仄かな光を与えて、まるで俯いた人の様。

 顔も見れなければ、あえて見る必要もない。

 そんな風に思う中で、整備された灰色の歩道を歩いて行く。


 薄明りの新月は、私にはとても曇天には思えない。


 ただ、平坦に整備された道を歩く。

 

 夜の帳の上に、明かり刺してく電柱も、とっくのとうに見慣れた光景で、何ひとつ代わり映えはしない。


 私の前を、黒い猫が横切った。

 

 あぁ、車が通った所なのに、ぐちゃりと潰されていった。

 鳴き声も圧殺されて、轢死した猫の残骸を通り抜けていく。

 腕に血はついてないかな、と思うぐらいで、何一つ感じる事はない。

 

 道は続く。


 ただひたすらに、長い長い道が。

 あとどれだけ足を動かせば良いのだろうか。

 

 この整い過ぎた現代のインフラに、まるで逆に利用されている気すらしてくる。

 冷たい夜風だけが、今は私の共。

 

 そういえば、どこへ向かうんだっけ。

 

 もう、長い間歩いている。

 意味も無く、ただ進んでいるのだったか。

 進む意味はない。

 

 けれど、停止させる意味も無い。


 もう、肉体という枷、疲労という鎖は無いのだから。

 もう、朝日を見れる訳でもないのだから――――。

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