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詩❲恋愛❳

echo heart

作者: 日浦海里

繰り返されるリズム

乱れちゃうのはリスク


僕の頭はクラシックでも

胸の内側はハードロックで


曲の最後を締めるように

腕を思い切り振り下ろしたい


打ち鳴らす律動

打ち返す反響


どうかこの音よ鎮まってなんて

願ったところで収まらないなら

どうかこの波よ伝わらないでと

吐く息に乗せてお願いしてみる



君を知ったあの春の日から

僕の季節はおかしくなって

心が踊る春の訪れと

心が凍る冬の雪雲が

1日何度も繰り返される


笑えるよね

一人相撲で


姿を見るたび一喜一憂

話せるたびに狂喜乱舞


もしも僕が今倒れたとするなら

きっと心の過労死だって


繰り返される振動は

共鳴するたび増幅されて

激しい振幅は記録紙の上を

振り切ってるんじゃないかって思うよ


波の位相を逆転させて

打ち消せたならいいけれど

それはきっとこの春の終わりで

季節ごときっと逆戻りだよね




因果逆転の理由

抜け出せない輪はメビウス


気持ちはいつもヴィヴァーチェなのに

行動はいつもグラーヴェで


曲を最初から盛り上げるように

腕を思い切り振り上げたいけど


繰り返される感情

進めないまま日常


どうかこの時よこのままでいて

願ったところで進んでいくなら

どうかこの想い伝わらないでと

吐く息呑むような矛盾ばかりで



君を知ったあの春の日から

周りの季節は変わり巡って

心が踊る春の訪れは

心が凍る春の冷たさで

1日はたった1度きりなんだ


笑えるよね

一人相撲で


名前を呼ばれて喜色満面

笑顔が見れたら有頂天外


もしも君が笑顔でいられるなら

それがどんな不可能ごとだって


繰り返されていた振動が

響いていたのは一人だけで

自分自身の音の反響で

盛り上がってただけかもしれない


波の位相は180度

三角形の内角の和と同じ

たった一人で立っていただけの

一人相撲だったかもしれない


けれど


繰り返し鳴り続けるリズム

進まないだけだってリスク

進み変わり続けていく日常

繰り返し抱いていたい感情


打ち鳴らせよ今もっと心臓

打ち返しなんて恐れるな感情


どうかこの音よ鎮まってなんて

願ったところで収まらないから

どうかこの波よ伝わってなんて

吐く息に乗せてお願いしてみる

タイトルはアナグラムです。



下部に本作と対の作品へのリンクがあります。

良ければ合わせてご覧ください。

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本作と対の作品です。
ache to her

― 新着の感想 ―
[一言] 音楽に纏わるワードか散りばめられた作品、すごく好みです……! 頭の中がクラシックで胸の内がハードロックなんて、最高ですね! 解説を拝見しましたが、「降りてきた」表現にすっかり撃ち抜かれました…
[良い点]  心の過労死がツボでした。 [一言]  ちょっとしたことが嬉しくて。些細なことに落ち込んで。ほんの僅かな刺激にも大きく波紋は広がって。  満たされないけど溢れるほどに満たされてる。いっぱ…
[気になる点]  アナグラム。  thかchで、子音を消化するとおもうのですけと。  単語力ないし。 [一言]  物理も、波でこけました。  嘘発見器みたいな、波をかくやつ?  音楽的なフレーズ…
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