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IQ141のトリセツ  作者: オバケのボス
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子供会

 小学校に行っている間は町内別に子供会と言うものがあり、少年もワクワクしながら事あるごとに参加していた。

ゲームや手品、歌や盆踊りの仮装大会など、近所の大人たちがよく世話をしてくれていたものだ。

 もう一つの楽しみが食べ物だ。

今の様に常に美味しいものが手に入る時代ではなかったので、希少なお菓子や夏しかないアイスクリーム、特にクリスマス会となるとケーキが貰え、喜んで駆け足で家に持ち帰って食べたものだ。

 ある日の子供会での出来事。

「あーめ、が降れば、小川、ができ、風が、吹けば、山が、できる・・・」

と、1年生から6年生の児童が公民館の一室で楽しく歌を歌っていた。

 その中に明らかに違和感がある星山くんがいた。

全員が歩調を合わせて歌っているのに、この子だけが額に青筋を立てながら馬鹿デカい声を張り上げているのだ。

もはや歌ではなく叫び。まるで縄張り争いをしている鶏が鳴いている様相だった。

 確かに、少し上に大人しい姉もいたが、姉弟揃って顔は鶏に似ていた気がする。

少し頭のネジが緩んでいるのかと思いきや成績は良いらしいので、少年は訝しく思い母親に聞いてみた。

 すると、数奇な答えが返ってきた。

「星山くんの親は従兄弟同士で結婚したのよ。だから血が濃いから少し可笑しいのかもね。」

 法的には問題ないが近親相姦に近いので障害が出て来るのだろう。少年は子供ながらに納得して、彼にはあまり近寄らないでおこうと思った。何か子供心に危険なものを感じたのだろう。

 案の定、成長した星山くんは引き篭もりになり、そのまま、歳を重ね大人になった。挙げ句の果てに父親を包丁で刺して殺した。

 少年の直感は当たった、そして思った。

自分も変わっているが、世の中には変な奴がいるものだ、と。


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