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IQ141のトリセツ  作者: オバケのボス
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知能検査

 中学校も半ばになった頃、学年一斉に知能検査なるものが行われた。

どのくらい知能指数が有るのかを測定するペーパーのIQテストだ。

小学校の時にもやった記憶があるが、結果は本人には知らされないシステムになっていたようだ。

 少年も、漏れずにそれを受ける事になった。

図形、時計、数字など、違うものを選べとか、法則に合った数字を選べとか、簡単なものだった。

 少年は、早く終わらせて机に落書きをしながら、時間ギリギリまで全員が終わるのを待っていた。

 学力試験と違って、成績には関係ないので少年にとっては問題なかった。

 因みに、成績の方はと言うと、授業を真面目に聞くだけで、いつも上位10〜20番の位置にいた。

前に書いたように、家に帰っても勉強する環境になかったので、致し方なかったのかもしれない。

 ある日、下校している時に後ろから、厳しい中田先生に名前を呼ばれた。

「お母さん、仕事からいつ帰ってくる。話があるんだけど。」

と、何かやったかなと思ったが、心当たりがなかったので、素直に母親の帰宅時間を教えた。

「じゃ、その頃電話するね。」

と、いつになく笑顔で戻って行った。

 その夜、何やら母親と中田先生は後日、会う約束をしていたようだ。

 数日後、母親が嬉しそうに少年に話しかけてきた。

「あんた、頭がいいらしいよ。知能指数が141あるってよ。」

「もっと勉強したら凄い事になるってよ。」

と、誇らしげに話していたが、少年は相槌を打つだけだった。

 どうやら、中田先生が母親に伝えたかったのは、少年には素晴らしい能力があるのだから、親御さんがもっと教育に力を入れて、環境を整え良い学校に進学させたら、凄く伸びる可能性を秘めていると言う事のようだった。

「末は博士か大臣か。」

と、いう希望も、出鱈目な父親と教育をあまり受けていない母親に成す術もなく、その話は終わった。

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