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【無双】底辺農民学生の頑張り物語【してみた】  作者: カズキ
スレ民はにはお見通し♡
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裏話3 三番目の記憶

 そして、そう。

 これは、ほんの数時間前の記憶だ。

 ほんとうに、ついさっきまでの、記憶。


 ***


 ブランとともに実技授業にやってきた。

 最初は生徒玄関前の駐車場に集合して、そこから授業を行う森へと転移した。

 農高もそうだけど、聖魔学園もどれだけの土地を所有してるんだろう。

 まぁ、いいや。


「で、お前は誰と組むんだ?」


 ブランが初々しい一年生の集団を見ながら聞いてきた。

 一年生の集団は、二年生達をみて怯えてるように見える。

 その中で、異物、と言ってしまうとアレだが。

 一人だけ浮いてる人物を見つけた。

 ディアナだ。

 俺はディアナのとこに歩いていく。

 ブランがそれに着いてきた。

 ディアナがそれに気づき、


「あ、先輩達!

 朝ぶりですね!」


 そう声を掛けてくる。

 彼女は正式に同じ寮に入った。


「おう。

 ディアナは、話聞いてるか?」


「もちろん!

 先輩と組むんですよね!!」


 ちゃんと連絡が行っていたようだ。

 ディアナの発言に、一年生達がザワザワし始める。

 そして、ディアナへ一年生達から視線が刺さった。

 と、そこに、血相を変えた糞担任がやってくるのが見えた。

 俺たちのところまでくると、物凄い形相を向けてきた。


「おい、ちょっとこっちこい」


 糞担任は、俺の手首を掴んでズルズルとどこぞへ引っ張っていく。

 一年、二年の集団から離れる。

 と、何故か一年、二年の女生徒を中心に黄色い悲鳴があがった。

 と、ふと見るとその中にやけに目を輝かせた一年がいた。

 ディアナとは違った意味で浮いている生徒だった。

 しかし、すぐに人気のないところに連れていかれ、俺は糞担任に詰問された。


「なんでここにいる?

 サボれっつったろーが!」


「え、話聞いてないんですか?

 一年と二年の何人かが食中毒になって欠員が出るから、やる気ある子を見学させる訳にはいかないから出てくれって言われたんですけど」


 糞担任の顔が、無表情になる。

 怖い。

 去年の選抜関連の授業の時より、怖い。


「誰だ?」


 低い声で訊ねられる。


「はい?」


「誰がお前に、そんなことを吹き込んだ?」


「それは、」


 俺は質問に答えようとした。

 その時だ。


「あぁ、いたいた。

 アール先生、準備整いましたよ。

 おや、ヤマト君も一緒でしたか。

 ほら、ヤマト君もペアを組んだ子のところに行って。

 説明するから」


 なんて言いつつ、あの白衣の教師が現れた。

 今日は人好きのする、爽やかな笑顔を浮かべている。

 この前の不気味さは欠片もない。

 糞担任が怖いから、さっさとここを離れよう。


「あ、はい!」


 そんな俺を、糞担任が呼び止めようとする。


「おい、まだ話は終わって、」


 その糞担任を、白衣の教師が宥める。


「まぁまぁ、アール先生。

 これ以上は時間がおしてしまうので」


 なんて言ってるのが聞こえた。

 振り返ると、心做しか糞担任が白衣の教師を殺す勢いで睨んでいた。


 さて、この後。

 俺たち生徒は、ペアを組んだ相手と一緒に教師陣からの説明を聞いた。

 全員に、聖魔学園の校章が彫られたメダルが配られる。

 それをバトロワして奪い合うというものだ。

 集めたメダルが1番多いペアが、選抜メンバー候補となるらしい。

 舞台となるこの森には、結界が張られメダルを奪われるか辞退を宣言するまで出られない仕様らしい。

 説明が終わると、教師陣の手によってランダムに森のあちこちへ転移させられる。


「頑張りましょうね、先輩!」


 転移すると同時に、ディアナがそう意気込んだ。


「……ディアナは選抜に出たいの?」


「そうですねぇ。

 とてもたのしそうなんで、興味はあります!」


 ワクワクとディアナはそう口にした。

 と、なると少しは頑張るか。

 魔法の使用も許可されてるし。

 ノームやおばちゃん達、何よりも龍神族のじいちゃんから畑仕事の合間に魔法教わったし。

 少しは使えるはず。

 とかやってたら、襲撃された。

 魔法を使うまでもなく、顔面と腹にそれぞれ拳を叩き込んで沈めて、メダルを手に入れた。


「先輩、すごぉい!!」


 ぱちぱちと、ディアナが拍手してくれた。

 ……悪い気はしないな。


 でもま、一番注意しなきゃいけないのはブランなんだよなぁ。

 アイツとは手合わせとかもしたことないし。

 魔法が使えて、中学時代は不良やってたっぽいし。

 なにより、魔王候補だ。

 実力がどのくらいなのか、まったくわからない。


「って、先輩?

 なんで鉈なんて出してるんです??」


 魔法もそうだけど、武器の使用も許可されている。

 ブランと、いつ遭遇するかもわからない。

 なので、今のうちに装備しておくに越したことはないないだろう。


「んー、ほら、厄介な次期魔王様に出会った時のための用心みたいな?」


 ちなみに、ディアナは錫杖を手にしている。


「ブラン先輩ですか」


「そういうこと。

 俺、アイツと戦ったことないから、全くの未知数なんだよ。

 魔族とやりあったことはあるけどさ。

 ガチの魔王候補じゃん、あいつ。

 めっちゃ強いんだろうなって思うし」


 とはいえ、今は諸々の事情で力を封印されてるらしいけど。

 これは、本人から聞いたことだ。

 年末年始に魔界に行って、あの不良たちとのゴタゴタに首を突っ込んだ後、聞いた話だ。

 なんでも、魔王候補に選ばれると一般人に危害を加えられないよう、力をある程度封印され、抑え込まれるらしい。

 はっきり言ってしまえば、必要以上に弱体化させられるのだそうだ。

 それは、魔王を正式に決めるまで施されるらしい。

 魔王が決定さえすれば、ある程度まで元に戻されるとかなんとか。

 しかし、これでは今回のような授業に支障が出る。

 そのため、条件付きで力を限定解除できる術式をブラン含めた魔王候補は体に施しているのだそうだ。


 その限定解除でどこまでブランが動けるのか、それが問題だ。

 最悪、農業高校における【生ける伝説(最強最悪の怪物)】とされている先輩、【ウカノ・サートュルヌス】さん並みの強さを想定しておこう。


「なるほど」


 俺の説明に、ディアナが納得した。

 とりあえず、今のうちに集められるだけメダルを集めた方が良いだろう。

 対戦相手との勝ち負けよりも、いかにメダルを集められるかが重要なはずだ。

せっかくここまでポイント溜まってるんで、どうせなら一万ポイントまでいきたいので、


・面白かった

・続きが気になる

・主人公には幸せになってほしい


そう思ったら【☆☆☆☆☆】をタップしてください。

広告の下あたりにあると思うので、よろしくお願いします。

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