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裏話8

 教えてもらった空き地にて、ブランの舎弟達にも手伝ってもらい準備を整える。

 早朝からホームセンターが開いてて良かった。

 それから、ブランが向かったとされる場所を教えてもらう。

 しかし、いまいちわからない。


 「ちょい、誰か携帯貸して。ナビって入ってる?

 よし、じゃ、それ使ってもいい?」


 快く貸して貰えた。

 運転席、メーターの前に携帯を横にしてナビを起動。

 目的地を入力する。


 よし、準備は整った。


 バイクに囲まれ、軽トラで出発する。

 こうしてみると、軽トラのボス感半端ないな。


***


 嘲笑が響く。

 城下町から少し離れた場所にある廃墟。

 もとは、何かの倉庫だったらしいその場所は、不良達の溜まり場になっていた。

 その廃墟の中心にて、挑発に乗ってしまったブランと、彼が助けに来た舎弟が指一本動かすことも出来ずに血塗れで転がっている。

 息はしているので、生きている。


 「なんだ、伝説だのなんだの言われている割に弱いじゃん。

 こんなのが、次期魔王候補とかウケる」


 そう言ったのは、ヤバいくらい強いヤンキーと称されている少年だった。

 周囲の者からはリーダーと呼ばれている。


 「中学時代の話も眉唾なんじゃねーの?

 なぁ、おい?」


 ブランの頭を踏みつける。

 その姿に、その場にいた他の不良達は歓声を上げた。

 あのマレブランケを倒した、と。

 盛り上がる。

 ブランは弱くない。

 むしろ強い部類に入る。

 しかし、上には上がいた。

 それだけのことでしかない。


 「これなら、俺が魔王候補になるのも時間の問題だな」


 言って、ブランの頭を蹴りつける。

 

 「クソが」


 ブランが吐き捨てる。


 「ははは。おい、それ誰に言っちゃってんの?」


 笑いながらリーダーが、ブランの腹を蹴りつけた。

 そのまま蹴り続ける。


 「お前みたいな弱い奴が、中学時代に、どんな、卑怯な手を使ってたのかは知らない、けどな!!」


 蹴るのをやめ、ぐったりしたブランの胸ぐらを掴んで持ち上げる。


 「現にこうしてお前は俺に負けてんだよ。

 現実を受け入れろよ、なぁ? 未来の魔王候補様?

 もう少し痛い目みるか? あぁ?」


 言いつつ、リーダーが魔法杖を取り出して、ブランの心臓のある位置に突きつける。

 これにはさすがにその場にいたほかの不良たちが顔色を変えた。

 彼がブランを殺す気だとわかったからかもしれない。

 

 それだと流石に洒落にならなくなってくる。

 一人が止めに入るが、魔法で吹っ飛ばされる。


 「指図すんなよ、殺すぞ」


 そんなゴタゴタをやった直後のことだ。

 外から、おそらく拡声器(スピーカー)を使っているらしい、大きな声が聞こえてきた。


 『あー、テステス、本日は晴天なり。ところにより血の雨が降るかもしれません。なんちって』


 そんな巫山戯た声だ。


 『えー、君たちは完全にほーいされているー。

 すぐにマー君、じゃなかった。ブランとブランの舎弟を解放しなさい。

 そうじゃないと、えーと、君たち、名前なんてゆーの??

 あ、歯折ってるし腫れてるからうまく喋れないか。ごめんごめん。

 えー、そちらの舎弟の子達が大変なことになってしまうぞー。

 それでもいいのかー?』


 そして、微妙に棒読みである。

 リーダーと廃墟の中にいたその仲間達が殺気立ち、戸惑う。


***


 ブランの舎弟達を襲ったチーム。

 そいつらの溜まり場へとやってきた。

 襲撃された時の話を聞けば、ヤバいのは一人だけのようだ。

 空気に負けた部分もあるんだろうなぁ。

 あ、出てきた。

 殺気だっている。

 そりゃそうか。

 

 「それじゃ。その子たち立てて」


 俺は軽トラの荷台にて待機してたブランの舎弟達に指示を出す。

 言った通りに、舎弟達は動いてくれた。

 荷台から、角材に縛り付けられた下っ端イキリヤンキーが姿を現す。

 うまく固定できなかったので、ブランの舎弟達が角材を支えている。


 ホームセンターでついでに買った拡声器で、俺は殺気立つ向こうさんへ言う。


 『はやくマー君達を解放しなさーい。さもないと』 


 俺はそこで言葉を切り、拡声器を置く。

 そして、鉈と鋸と、草刈り鎌を見てインパクトが強そうな鋸を手にする。

 その鋸を手にしてこちらの人質の一人の足にピタっとつけ、別の舎弟に拡声器を拾ってスイッチを入れてもらう。


 『人体解体ショーが始まってしまいまーす。はやく解放しなさーい』


 鋸の刃をあてた下っ端イキリヤンキーがビビりすぎて漏らしてしまう。

 ……あとでちゃんと洗車しないとだ。

 さてそんな煽りに、ブチ切れてギャーギャー喚きながら、向こうのヤンキー達が向かってくる。

 本気ってところを見せておくか。

 こういうの、鉈の方がいいんだけど、ま、いっか。

 俺は鋸の刃を下っ端イキリヤンキーに叩きつけた。

 叫び声があがる。

 とたんに、向こうが怯んで動きが止まった。

 ブランの舎弟達も、息を飲んでいる。

 俺が本気だとわかったのだ。


 ちなみに草刈機と同じように、この鋸や鉈、草刈り鎌も家族の生き血を啜っていたりする。

 まぁ、それは事故だけど。


 「へぇ、面白いやつがいんじゃん」


 なんて、ボスの空気を纏わせた同い年くらいのヤンキーが出てきた。

 どうやら彼が、ヤバいくらい強いヤンキーらしい。

 うーん、あー、ダメだな。

 アレは人質とか効かないタイプっぽい。

 勘だけど。そんな感じがする。

 念の為に、身体強化をしといて、と。

 

 とかやってたら、ヤバいくらい強いヤンキーが向かってきた。

 鋸は、このまま刺しておこ。

 俺は鉈を手にこれを迎え撃った。

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