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【無双】底辺農民学生の頑張り物語【してみた】  作者: カズキ
お前は、俺を、怒らせた
135/148

ガチ勢

【翌日】


早朝。

全ての準備を整え、俺はスネークさんと合流した。

場所は、町外れにある廃屋脇の空き地だ。


「初めまして、スネークです」


なんて言って、スネークさんが挨拶してきた。

それは、どこにでもいる黒髪黒目、二十歳ほどの青年だった。


「あ、初めまして、ゲラウトヒアです。

今日はよろしくお願いします」


「うん、こっちこそよろしく。

それじゃ、早速だけどどこに行けばいいのかな?」


言われて、俺は説明した。

ウスノから送られてきたあの動画。

他の人には見えていなかったメッセージについて、説明した。

そう、あの動画には俺にだけ見える文字が浮かんでいたのだ。


「なるほどねぇ。君にだけ見えるよう調整されてたのか。

だから、真っ直ぐそこに向かう予定だったと」


「はい。

書かれていたのは、魔界のとある場所を示した座標でした」


その場所で待っている、と書かれていた。


「でも、考察厨さんや特定班さんがマー君――ブラン達の居場所をこの数時間で特定してくれたお陰で100パー罠だと悟りましたけど」


「まぁ、お陰で俺は出歯亀できるからいいんだけどさ。

それで、その場所ってのはどこなの?」


なんて言いつつ、スネークさんは虚空に指を滑らせた。

現れたのは、鑑定士が鑑定した時に現れる画面だ。

しかし、その画面に映し出されているのは鑑定画面ではなく、掲示板だった。

その画面を操作し、音声&思考入力に切り替えている。

その間にも、映し出された掲示板は流れていく。



■■■


78:特定班

ゲラウトヒア、

座標貼りつけろ


79:名無しの冒険者

座標教えろください

(ノシ ・A・)ノシ バンバン


80:特定班

座標はよ

  バン   はよ

バン (∩`・ω・) バン はよ

  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/

  ̄ ̄\/___/


81:スネーク

今聞いてる



■■■


「すごいですね。どうなってるんですか??」


「体に術式刻んで、ここに直で書き込みできるようにしてる。

これなら手ぶらで実況できる。

つーか、実況者はしてなかったの??」


「してなかったですねぇ」


実況者ことレイドは、普通に携帯端末を使っていた。

あと、ゲーム機。

俺は、座標をスネークさんに伝える。

スネークさんは座標を、掲示板に書き込みつつ、こうつぶやいた。


「めずらしい子だなぁ。

あ、でも学生だからあんまり体弄れなかったのかな」



■■■


89:スネーク

聞いた

つ【座標】


90:特定班

٩*(゜∀。)وヒャッハアアアァァァァァアア!!!!!

丸裸にしてやるぜ!!


91:(´☆ω★`)

ほほぅ

魔界の遺跡か


92:特定班

あーー!!

魔眼保持者に負けた(´;ω;`)


93:名無しの冒険者

速さなら魔眼保持者の方が勝つよな


94:解読班

あ、ほんとだ

ふむふむ

ここに、女神は封印されてたんかな?


95:特定班

そういや、封印の方法特定できたぞ

これで女神処せるぞ!(๑•̀ㅂ•́)و✧


96:名無しの冒険者

女神、処す?処す??


97:スネーク

ゲラウトヒアが、はえーよって言ってドン引きしてる


98:考察厨

検索かけた

なるほどなぁ

魔王軍が本来なら管理してるのか

でも、今はその封印が解けてて、さらにウスノの反社組織が占領してると


99:考察厨

つーか、アレなんだな

わりと初期に糞担任刺したのって、自分の封印対策ってのもあったのか

そのあと、ゲラウトヒアの話から推察するに糞担任の相方のことも女神は顔を合わせる前に飛ばしてる感じするし


100:名無しの冒険者

>>99

あー、この2人に1度負けてるから警戒してたのかな??


■■■


掲示板から視線をスネークさんにやる。

俺はスネークさんに尋ねた。


「普通はするんですか??」


「?」


「術式を体に刻むのって、普通にするもんなんですか??」


「んー、俺の知ってる実況者は皆してるかなぁ。

書き込み早くなるし。

手が空いてるからトラブった時とかも融通効くしね」


ガチ勢やん。

この人、実況ガチ勢だ、たぶん。


「そう、たとえば」


不意に、スネークさんが虚空へ指を滑らせた。

なにか、壁のようなものが俺たちの前へ現れた。

そこに、パチパチパチ、と小石が当たったような音がした。

瞬間、大爆発が起こる。

爆煙が俺たちを包んだ。


「こういう時とかね」


にへらっと、スネークさんは笑ってみせた。

そして、また指を滑らせる。

それだけで、爆煙を消し去ってしまった。

ヘラヘラと笑いながら、スネークさんは一点を見つめる。

そこには、いつの間にか人が立っていた。

その人物は、俺の知っている人だった。


「ティリオン先生」


白衣を纏った、あの教師だ。

ティリオンも、ヘラヘラとした笑みを浮かべている。

かと思ったら、言葉を投げてきた。


「あまりに遅いから迎えに行けと言われたんですよ」


わざわざ姿を現した、ということはもう隠す気が無いという事だろう。

いや、違うか。

俺は、ちらりと掲示板を確認する。



■■■


111:名無しの冒険者

うわぁ、ガチで釣れたよ


112:考察厨

ふふふ

俺達のことをウスノ側は知らないからな

まさか、俺の手の上で踊らされてるとは思うまい

ニヤ(・∀・)ニヤ


113:名無しの冒険者

反社の情報網、手玉に取るって

普通は出来ないはずなんだけどなー


114:名無しの冒険者

手玉にとってるのか

筒抜けといった方がいいのか


115:名無しの冒険者

つーか、ゲラウトヒアの記憶を消さない方法も見つけちゃうんだもんな


116:名無しの冒険者

>>115

それは、可能性の域の話だろ

というか屁理屈だけど


117:名無しの冒険者

情報って、鮮度が大切だもんな


118:考察厨

向こうは、どこか油断してるしな

だから、こうやってゲラウトヒアの行方っていう餌を出せば、食いついてくるとは思ってた

まさか、現在の居場所リークしただけで現れるとはwww


119:名無しの冒険者

農業ギルド、いや、英雄の相方がゲラウトヒアの位置を悟らせないようにしてたんだったか


120:名無しの冒険者

ほんと、その人何者なんだろうな

ただの英雄の相方じゃねーよ、絶対


121:名無しの冒険者

そりゃ、反社の方も農業ギルド経由で動画送るしかないよな

居場所わからないんだもん


122:名無しの冒険者

本当に助けに来るのかすら、半信半疑だった可能性

微レ存


123:名無しの冒険者

そこに餌投げたら釣れたって

チョロインでも、もうちょい焦らすだろ



■■■


滅茶苦茶、色々言われてた。

というか、スレ民に掛かればチョロイン以下かぁ。

知ったら怒りそうだな、この教師も、ウスノも。

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[良い点] スレ民のおもちゃと化した反社組織
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