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【無双】底辺農民学生の頑張り物語【してみた】  作者: カズキ
死に別れた兄貴が、実は生きてて反社の偉い人やってた件
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裏話7

 レフィアさんの分のお茶が用意され、本題に入った。


「手紙にも書いたが話というのは、君たちが相手をしている犯罪組織について知りたいからだ。

 と言うよりも情報のすり合わせだな

 なんなら、これをきっかけにこの先末永く農業ギルドと付き合っていきたいとこちらは考えている」


「その為に、俺とヤマト君を呼びつけたと?」


 ウカノさんが確認する。

 言外に、そう言った政治的なことは幹部に言ってくれ、と意味を込めている。


「言っただろう。

 本来なら私から出向くべきだったと考えている。

 なにしろ、あの犯罪組織は魔王軍ですら手を焼いているんだ」


 農業ギルド所有の農耕車や軽トラを突っ込まれて、物理的に爆発、炎上させられてたけどなぁ。

 あの犯罪組織。


「そして、その首領については何もわかっていないのが実情だ」


 そこでレフィアさんは俺を見た。

 その犯罪組織の首領と、同じ顔をしている俺を見た。


「いやいや、そんなまさか」


 レフィアさんの言葉に、ウカノさんが笑顔で手をパタパタ振る。


「魔王軍が知らないなんて、そんなこと信じられるわけないでしょう。

 だって、魔界樹事件に関わってた俺の事が筒抜けなんだから」


 レフィアさんは苦笑した。

 そんなレフィアさんへ、ウカノさんは続ける。


「腹の探り合いはやめましょうよ、魔王様。

 こちらとしても、時間が惜しいんです。

 少なくとも、秋までには決着をつけるつもりなので。

 知りたいことがあれば、話せる範囲内でお話しますよ」


 稲刈りあるもんなぁ。

 あと諸々収穫の次期だ。

 それまでには、今犯罪組織のアジトを潰すために集めた人達を解放しなければならない。

 レフィアさんは苦笑のまま返す。


「そうだな。

 では、そうしよう」


 そこでまた、レフィアさんは俺を見た。


「犯罪組織【cutthroat】の首領と君との関係を知りたい。

 まさかただの他人の空似だとは言わないだろう??

 それを教えてくれたら、魔界で農業ギルドが暴れようが、そのことに口を出さないと約束しよう」


「なんだ、そこまで知ってるんじゃないですか。

 そりゃそうですよね、あのそっくりさんは魔界でも伝説級の存在、邪神の封印を解いているんですから。

 とても看過できるものじゃない。

 なにがなんでも潰したい、封印し直したい。

 けれど、今の魔族にはそんな力はない」


「そうなんですか??」


 そこで俺は疑問を口にした。

 ウカノさんが答える。


「そうなんだよ。

 俺の実家や、ヤマト君の出身の村、あとはその分家みたいな、神様の血を継承し、かつその能力もほぼそのまま受け継いでいる、そんな末裔の人達ってのは結構希少なんだ。

 農民だけだと普通に居すぎて気づかないだけで。

 貴族や王族にもこういった伝説を作って権威付けしてるからか、いまだに近親婚をしてるくらいでしょ?

 濃くなりすぎるのはよくないとわかりながらさ。

 まぁ、ヤマト君達のご先祖さまは途中で色々弄られたみたいだけど。

 それでも、受け継いだ能力は消えなかった。

 まぁ、でも、血が濃くなりすぎないように、時々、外から嫁をもらってるわけだけどさ」


 そこでウカノさんはレフィアさんを見た。


「そういうことですよね?

 魔王様??

 俺は世間で言うところの創世邪神の加護を受けてるし。

 なんならその血が入ってる。

 ヤマト君はヤマト君で【龍神様の後継者】であると同時に、同じように創世邪神の血が入ってる。

 こっちは色々弄られてはいますけど。

 まぁ、そんな神代から続く血脈が俺たち農民ってわけで。

 そんな血脈の末裔の一人かもしれないのが、今回の相手なわけだ。

 でも、魔族に生憎神代から続く血脈はいない。

 途中途中で途絶えてしまっている。

 たまに先祖返りで魔王様みたいな、超超超強い人が出てくるけれど、でもその能力が次の世代に受け継がれることは少ない。

 強い人はいても、太刀打ちできる存在がいない。

 だから、農業ギルドを通して戦力を得たい。

 そんなところかなと」


 そこでウカノさんは紅茶を1口啜った。


「加護持ちや、神様の血が入ってる人同士が戦った場合。

 どうしても、神様の格が上の血が入った人が勝つ。

 それを踏まえた上で今回のことを見てみると、面白いことがわかる。

 首領とヤマト君との関係。

 そして、首領と封印されていた邪神との関係。

 封印されていた邪神の格は、俺たちが信仰している五穀豊穣の神様、創世邪神の格と比べるとどうなのか??

 上なのか、下なのか?」


 そこで、ウカノさんは今度は用意されていたチョコに手を伸ばした。

 それを口に入れて、溶かし、また紅茶を飲んで続けた。


「あるいは、同等なのか??

 魔界の魔族側も長い歴史の中で、その辺の記録とかが焼失、あるいは消失しているから、魔王様でも把握できていないのでは?

 だから、わざわざ人間界の他大陸に住む俺を呼んだ。

 それらを確認するために。

 なぜなら、それは俺が【サートゥルヌス】の長男で加護を受けてるから。

 加えて、軍神として有名な女神の血も入っているから。

 諸々加味した結果、今後のことについても、農業ギルドに話が通しやすいと考えたってところでしょう??

 あぁ、でも、それはヤマト君も一緒か」


 …………んんん???


「女神の血??」


「あれ、知らない??

 君のお母さんとうちの母さん、異父姉妹なんだよ。

 つまり、親戚ってこと」


「……初めて知ったんですけど」


「あー、まぁ、わざわざ言うほどのことでもないしねぇ。

 なにしろ大陸が違うと、年末年始とか季節ごとの挨拶も、中々できないし」


 いや、そういうことじゃなくて。

 んー、まぁいっか。

 母ともこの春から疎遠になってるし。


「ははは、思った以上にこちらのことを把握されてたようだな」


 レフィアさんは愉快だと言わんばかりに、笑った。


「まぁ、概ね当たりだ。

 なんなら、首領とヤマト君の血縁関係についても知ってる。

 それら諸々の確認の意味もあって呼びつけた、と言えば納得出来るかな?

 そして、これを聞こうと思っていたんだ。

 農業ギルドは、黒幕の邪神を封印出来るのか??」


 俺とウカノさんは顔を見合わせた。

 そして、返したのは俺だった。


「封印なんてするわけ無いじゃないですか。

 農業ギルドのお偉方は、畑を荒らした獣を檻に閉じ込めるなんて優しいことしませんよ。

 駆除する予定でここまで動いてるんです」


 俺の返答に、レフィアさんは満足そうに頷く。

 そして、再びウカノさんを見たかと思うと、1枚の紙を差し出して来た。


「かつての相棒の仇の情報だ。

 アジトの場所はわかっても、幹部個人の情報までは手に入れられてないのだろう?

 よかったら、駄賃として受け取ってくれ」


「まだアールは死んでないんですけどねぇ。

 でも、ありがとうございます。

 有難く頂いておきます」



なんてことがあった数時間後。

美少女姿で、ばっちり化粧をして意気揚々と大鎌を用意しているウカノさんがいた。


「なんなら、着いてくる??」


なんて言って俺やシンを誘ってきた。


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