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【無双】底辺農民学生の頑張り物語【してみた】  作者: カズキ
スレ民はにはお見通し♡
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裏話11

「なん、で。

 そう、なるんですか」


「……まぁ、あくまで話を聞いた上での、俺の感想だ。

 けど」


「けど?」


「いや、なんでもない」


 担任は、何かを言おうとして、それを隠すように言うのをやめた。


「とりま、お前は封印される。

 んで、百年後か千年後に、それが解かれた時には全て解決してるだろ。

 その時に、この事はなにがどうなったのか、わかりやすくプリントにでもまとめといてやるよ」


 冗談めかして、担任はそう言った。

 けれど、こちらとしては気になって仕方ない。


「知ってることがあるなら教えてほしいです」


 担任は、少し目を細める。

 しかし、すぐに首を横に振った。


「……これ以上は、お前の怖い保護者に殺されそうだからやめとく」


 その顔には苦笑。

 視線でノームを示される。

 ノームは担任を睨んでいた。


 そして、この話はそこで終わりだった。


 それから二日間、俺はカウンセリングを受けたりなんやかんやして過ごし、退院した。

 じいちゃんには、実技授業に出ることを禁じられた。

 それだけではなく、畑の世話も禁止された。

 これは、ノームやおばちゃん達に頼んでなんとかしてもらった。

 怪我のことを問い詰められるのが嫌で、それから数日間ブラン達から逃げるように生活するようになった。

 本当は、思い出を色々作りたかったけれど、結局逃げることを選んでしまった。

 一応、ブランには退院したその日に輸血に関して礼を言っておいた。


 逃げ回る生活で、良かったことがいくつかあった。

 そのひとつが積み本の消化だ。


 ディアナのことはそれとなく気にしていたけれど、見る限り大丈夫そうだった。

 実技授業に関しては、じいちゃんに頼まれたのか担任も協力してくれた。

 サボりを大目に見てくれたのだ。

 なんならアリバイ作りに協力してくれた。

 携帯は、プランを変更され、さらに傷に障るからとストレスの溜まる記事を読めないよう制限が掛けられていた。

 まいった、これでは掲示板を読めない。


 そうして、さらに数日が過ぎていった。




 その日、早朝に携帯端末が震えた。

 見ると、タケルとキーリから連絡が入っていた。

 そういや、キーリからの頼まれごとすっぽかす形になってたなと気づいた。

 内容を確認すると、農業高校が所有する山でスタンピードが起こって大混乱となっているから、助けに入って欲しいという内容だった。


「……ノーム」


 ダメだよなぁ、と思いつつノームに問いかける。

 普段は姿を消しているが、じいちゃんに言われて俺を監視しているのだ。

 だから、ダメ元でノームにこの件に関してお伺いをたてようとした。

 しかし、


「あ、あれ??

 ノーム??」


 呼びかけるが、ノームは現れなかった。


「ノーム??

 ノームさん?

 ノーム様??」


 何度も呼ぶがやはり現れない。


「……うん、いないなら仕方ないよなー(棒)

 うん、仕方ない仕方ない。

 困ってる弟を助けにいかないわけにはいかないもんな。

 うんうん」


 なんて言いつつ、俺は用意を始めた。

 体力落ちてるからなぁ。

 運動したかったんだよ。

 大丈夫、ちょっとだけ、ちょっとだけだ。

 ちょっと様子を見に行って、軽く怪しまれない程度に怪我のことを説明して後方支援にさせてもらえばいい。

 うんうん、我ながらいい考えだ。


 鉈、よし。

 痛め止め、よし。

 腹の包帯、よし!!

 血も出てない。


 うきうきが止まらない、止められない。

 なんていそいそと、俺は部屋を出た。

 そこで、ブランに見つかった。


「おまえ、なにしてんだ?」


「へ、いや、その散歩??」


「なんで、疑問形。

 いや、そうじゃなくて。

 まだ怪我治ってないんだろ、寝てろよ」


「ブランこそ、なんでこんな時間に起きてるんだよ?」


「起きたんだよ。

 ノームに頼まれてな。

 なんか大事な用事が出来て、お前の監視が出来ないから。

 お前が部屋を抜け出そうとしたら、なにがなんでも止めてくれって」


 こんな風に、ブランとまともに会話するのも久しぶりな気がした。

 というか、ノームめ、手を打ってたか。


「大袈裟だな、アイツも」


 たぶん、ノームは呪いのことをブランには話していない。

 それは、じいちゃんの意思だからだ。

 それに反することは絶対しない。

 俺は怪我のことを悟られないように、なるべく軽く返した。


「もうほとんど塞がってるっつーのに」


 嘘だった。

 なにも解決やしていない。

 それどころか、もう、こうしてお前と話すこともあと何回できるか。

 そんなことを、この数日間なんど考えたことだろう。

 それだけで、何度も泣きたくなった。


「だから、大丈夫だって」


「お前の大丈夫は、信用できないからな」


「酷いなー」


 笑って返しつつ、するりと俺はブランの横を通り抜けようとする。


「笑って誤魔化すな」


 そんなブランに腕を掴まれた。


「わざわざノームが俺に言ってきたんだ。

 今まで無かったことだろ、これ」


 ブランはそう言って、


「これだけでも、お前の今の状態がけっして良くないってことくらいはわかる」


 掴まれたところに、力がこもった。

 仕方ない。


「……悪い」


 俺は一言だけ謝って、ブランの足へ狙いを定め、足払いをして転ばせた。

 ブランの手が腕から外れる。

 うし、今だ!

 俺は、玄関へと駆け出し鍵を開け、農業高校への転移術式を展開させた。


 そこへ、追いかけてきたブランが手を伸ばしてくる。

 今度は、タックルよろしく腰を掴まれた。


「逃がすか!!」


 その衝撃で下腹部に痛みが走った。

 それを顔に出さないよう、奥歯を噛み締めて耐える。

 同時に、転移術式が発動する。

 こうして、俺とブランは一緒に転移することになったのだった。

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[良い点] ブランさん、巻き込まれ系ヒロインみたいだw
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