連れ去られた妹
明末清初
中国
広東の街
李が馬を引いて街を歩いている。
やがて武館に着いた。が、看板が無い。
中に入ると誰もいない。
李は武館を出て鍛冶屋に行った。
「李先生」鍛冶屋の主人が言った。
「私の武館に誰もいない。看板も無い。何があったのだ」李の問いに「実は先日、先生の武館にならず者が来て」と鍛冶屋は話出した。
武館
男達が入ってくる。
「何だ。おまえ達」道場生の1人が言った。
「立派な武館だな。ここにメイと言う女がいるだろう。迎えに来たから連れて来い」男達の1人が言った。
「先生の妹さんに何の用だ」道場生が言う。
「気に入ったから連れて来いと言うのだ」男達の1人が言った。
「どうしたの」部屋の奥からメイが出て来た。
「メイ、一緒に来い」男が言った。
「ワン、あなたなんか嫌いよ」メイが言う。
「ワンと言ったな。帰れ」道場生の1人が言う。
「よし、ならば技を教えてやる」
そう言うとワンは門弟に飛び蹴りを食らわした。
「ウグッ」門弟が倒れる。
乱闘が始まる。が、武館の門弟は次々に倒されていく。
「連れていけ」ワンが言うと手下はメイに当て身を食らわせ、抱えて行った。
「ついでに看板をぶち壊して行こう」ワンは看板を蹴破った。
「ハハハハハ」ワンは高笑いし「いくぞ」と言い武館を後にした。
これが鍛冶屋の話だった。
「奴等は、どこにいるんだ?」李が聞く。
「荒野の古城にいるようです」鍛冶屋が答えた。




