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第一章 俺、勇者になります。②

二年ぶり更新です


異世界(仮)で過ごす二日目。

マキちゃん(キマちゃんだと呼び辛いから愛瑠が改名した)の背に乗って再び街を探す。


しばらく飛んだ先に、壁に囲まれた大きな街を見つける。

上空から近づくと撃ち落とされそうな城塞が見えるので少し離れた所に着地する。


「マキちゃんありがと!少し小さくなっててね!」


愛瑠が杖を降ると、マキちゃんはどんどん小さくなり縫いぐるみのようなサイズまで縮む。てか完全に縫いぐるみになってる…

マキぐるみは愛瑠の頭にのっかり、微動だにしない。


そこからしばらく歩くと巨大な門を発見する。おそらくあれが街の入り口だろう。


細かい手続き、何かのスキャンだけで案外すんなりと門を通れた。

しかし本名を名乗るのは危険なので

俺たち兄妹でやっているオンラインゲームで使っている名前を名乗っておいた。

カタカナだが何の追求も無かったので良しとしよう。


俺は明石悠→アカシユウで「シュウ」

明石愛瑠→アカシエルで「シエル」


とりあえずこの世界にいる間はお互いこの名前で通そうと思う。


☆○□◇□○☆


俺たち二人は街を当てもなく歩く。

レンガ造りの建物が多く、田舎よりは都会と言った方が近いだろう。


「違和感を無くすために周りに人が居るときは偽名でお互いを呼ぶことにするか?」

「そうだね…私は『お兄ちゃん』呼びだから変わらないけど」


そうだった。

まぁいつかはなれるだろう。俺もよく『妹よ』みたいに呼ぶし。


「とにかくまずは先立つものが必要だな〜」

「こういうのはダンジョンでモンスターを倒してお金を集めるんだよね?」


落っこちた森にもキマイラが居たように外にはモンスターがうようよ居ると思われる。

こういったDRPGではモンスターをぶっ倒してお金を集めるのがセオリーだ


「うーむ、俺も武器が欲しい。」


愛瑠は何故か持っている杖があるが、俺には支給されていない…差別だ

ついでに一文も通貨らしき手持ちはない。

つまりナイフすらも買えない。

俺だけハードモードかよ。


「そういえばお前何か本持ってたよな?なんで読めるんだ?」


ふと思った。というかずっと思ってた疑問を投げかける。


「読めるも何もこの本日本語じゃん?」

「は?」


この妹は何を言っているのか?どうみてもアラビア語のようなカクカクした謎字体なんだが。


(それは私の力です。)

「愛瑠何か言ったか?」

「お兄ちゃんこそ…」

(愛瑠様の能力のサポートをさせていただきます【ma.li.a(マリア)】といいます。お兄様の脳内にもテレパシーを共有させてもらっています。)

「あ、これは御丁寧にどうも。」


2人して虚空にお辞儀。脳内に声が響くなんてどう考えても異常事態だが、異世界に落とされるという異常事態に巻き込まれてる俺ら兄弟にとっては些細な事である。


(今お二人方に起こっている事態を簡単に説明します。お二人方は前世でお亡くなりになりました。)

「は?」


2人して唖然とする。


(2人してマンホールに落ちて頭を強打して即死です。)


なんつうマヌケな死に様だよ!


(何らかの理由で魂がこちらの世界に転生され、前世の似姿を保ったまま今此処に居るということです。)


なるほど。『何かに落ちて一瞬意識が飛んで気がついたら空にほっぽり出されていて落下』は『マンホールに落ちて死んで転生して空にほっぽり出されて落下』の間違いだったか!ハッハッハ!


「いや笑い事じゃねぇよ!?」

愛瑠もコクコクと激しく頷いている。


(ただ、愛瑠様の方は転生の際何かの手違いで装備が付いてきてしまったようですね…

まぁ、そのおかげでこうして私が存在できる訳ですが。)

「そうだ!この愛瑠の格好もおかしいと思ってたんだ!」


制服姿の愛瑠も可愛いがこっちも可愛い。うん、どうでもいい。


(わかりました。今からお二方のデータをテレパシーで伝送しますね。)


脳内に文字が流れ込んでくる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


明石(あかし) 愛瑠(える)

異世界での名前:シエル


職:魔道士

ジョブスキル:

魔術創世【マギカスペル・クリエイティブ】

オリジナルの魔法を作成、登録する

1度登録した魔法は天界の魔導書よりいつでも呼び出せる

装備

全装備共通:所有者固定(本人以外は使用不可になる)、自動修復、不壊になる

☆武器

○天聖の星杖

武器スキル:星雲の支配者【ネビュラ・ルーラー】

自分周辺の全ての魔力を支配し制御する。空気中の魔力を取り込んで使用したり、相手の魔法やスキルを無効化したりカウンターとして跳ね返すこともできる。

武器補正倍率…本人のレベル×10

特殊効果

・無制限に伸縮させる

・地面や空中に絵を描く事ができる。さらに自在に実体化させる事が出来る。

・あらゆる鍵やパスを瞬時に解錠する

○天界の魔導書

武器スキル:無限倍加【インフィニィブースト】

使用MPと詠唱時間を倍加させる代わりに魔法やスキル、アイテムの効果を倍増させるスキル。アイテムの場合は使用時にMPを消費する。

倍加上限は無い。

スキル発動時の次の魔法に効果がある。

魔天幻晶石のネックレスの特殊効果が合わさると実質コスト0。

特殊効果

・あらゆる魔法を習得する

・魔法の同時・並行発動を可能にする。

・略奪系スキルを完全無効(盗賊スキル、ドレイン系スキル、スキル強奪系スキル等)

☆防具

○天空の羽衣

特殊効果

・常時あらゆるダメージを無効化するバリアを張り、さらにバリアに受けたダメージを属性に応じたステータスの強化を行う光球に変換し放出。取得時に短期間だけ対応したステータスが上昇する。なお敵勢力が取得するとマイナス効果が付く(物理攻撃→HP回復、魔法攻撃→MP回復

さらに属性攻撃→各ステータス上昇

※炎属性→攻撃力、水属性→魔法防御力、土属性→防御力、風属性→素早さ、光属性→運、闇属性→魔法攻撃力、無属性→ランダム上昇

敵勢力の取得の場合は回復系はそのままダメージに変換され、属性光球の場合は各ステータスにデバフが掛かる)

・あらゆる服装に変幻する。顔や体格まで変幻出来るので変装に使える

・体の状態や形態を変質させる。液体や気体、霊体など。変質できるものはさまざま。


☆アクセサリー

○魔天幻晶石のネックレス

特殊効果

・魔力を消費しなくなり、詠唱が不要になる。

・体積、重量、状態問わずあらゆる物体を無限に収納できる空間を保持する。内部に収納された物の時間の流れは任意選択できる。収納した物質のコピーを生産する(生物や死骸は代わりにまったく同じ姿形をした人形を生成する)

・専用スキルに適応させ自ら使用できるようにする。種族専用スキル、ジョブスキルなどが該当。

○七天の神竜魂(指輪)

伝説の七神竜の魂を宿した7つの宝玉。竜の力を行使できる。

☆セットスキル【魔導の書庫】

読みは《アーカイブス》

・敵、味方、周りの地形などの全ての情報を瞬時に取得し閲覧できる

・テレパシーによる念話や情報共有

・疑問に答えてくれる脳内音声案内、脳の処理能力高速化、さらにバリアで防ぎきれない視覚や聴覚より受ける精神系状態異常の無効化サポート

magical library access システム

通称【ma.li.a(マリア)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


…何やらチートじみてる。というかチートだろこれ。

多分この脳内音声が最後の項目の【ma.li.a(マリア)】なんだろう。めんどくさいからマリアと呼ぶが。


(続いてお兄様のデータです)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


明石(あかし) (ゆう)

異世界での名前:シュウ


職:なし Lv:1

☆武器

○なし

○なし

☆防具

○なし

☆アクセサリー

○なし


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「しょぼ!?」

妹の3分の1も情報が無い。

それどころかジョブスキルとやらもセットスキルとやらも無い。

ゲームとかだと完全に初期装備初期ステータスである。

というかゲームみたいだな。

職なしとかニートやん…つらい。


(さて、お2人の状況も掴めたうえで武器屋に行きましょう)


以外とマイペースなマリア。


「まてまて、俺ら一文無しだぞ?」

(さっそく愛瑠様のコピー能力を使うんですよ?)

「それ犯罪じゃないのか!?」

(バレなきゃ犯罪じゃないんですよ。あとコピーを取るだけなので店側に被害はありません。)

「あ、なるほど……って、いやいやいや。」


なんだかんだ街の武器屋に連れてこられてしまった。


(そもそも悠様が武器を持ってないのが悪いんですからね?)

「よし、愛瑠!武器をコピーするぞ!何からすればいいマリア?」

「お兄ちゃん!!?」


手のひらクルクルである。仕方ないね。


(悠様が店員に話しかけて気を逸らして下さい。その隙に私と愛瑠様で武具をコピーします。時間は数秒で充分です。)

「それ俺が気を逸らす必要無くない?」

(万が一バレた時どうするんですか?)


そうだな…開幕早々牢獄入りはごめんだ。


(次に悠様が欲しい武具です。何かリクエストはありますか?)

「え?そうだな…

オードソックスに剣かな、剣道の心得もあるし。あと動きやすい防具と盾ってところか?」

(了解しました。作戦を決行します。)


自慢じゃないが剣道含めあらゆる武道の腕前は全国大会優勝レベルの腕前である。理由?妹を護るためだよ。言わせんな恥ずかしい。


「いらっしゃいませ!何をお求めですか?」

「え?そうですね…新しい武器を新調しようと思いまして見ているところです。」

「それではこちらが…」


店員の兄ちゃんが説明を始める。

俺はそれを熱心に聴くふりをする。

聴かなくてもマリアが教えてくれるしな。


(悠様、コピーが終わりました。撤収します)

(了解。適当に切り上げる)


テレパシーで返事をして適当に店をあとにする。


~~~


場面は変わって近くの路地裏


「あー、緊張した。」

(お疲れ様です。こちらが悠様の武器でございます。)

「こうかな…えいっ!」


愛瑠が首のネックレスの結晶部に手を添え魔力を込める。

すると虚空から剣やら盾やらが落ちてくる

武具のデータがまた流れ込んでくる


~~~


緋石の剣

値段:300.000G

レア度:3 分類:魔法剣

属性:炎属性、燃焼付与

武器スキル:陽炎剣

消費MP25

刀身から魔力の火柱を放射、放射時に推進力を発生させスピードを上げる。

炎属性、高確率燃焼付与。


リーフストーンの小盾 値段:100000G

リーフストーンの軽鎧 値段:150000G

レア度:2 分類:小盾、軽鎧

属性:木 (土属性・木製武具耐性)

備考:リーフストーンは大樹の幹内部で生成される結晶。大樹の加護が木製武器や土属性によるダメージを軽減する


~~~


「おお…」

(あの武器屋で1番高価で高性能なものをピックアップしました。)

「緊張したよ…」


愛瑠が脱力した表情を浮かべる

全部で65万G。おそらく序盤では到底揃えられないと思われる。


(次はギルドに行きましょう。無料冒険者登録で外に出ることが出来ます。)

「いよいよRPGらしくなってきたな。」


マリアの案内で街の中にある酒場らしき場所に移動し中に入る。


受付のお姉さんに無料冒険者登録とやらのやり方を教えてもらい案外何事もなくスムーズに登録は完了した。偽名でだけどな!


というわけでお約束でもあるクエストボードへと足を運ぶ。

無造作にピンで留められている紙切れには難易度や討伐系クエストなら討伐対象、採取系クエストなら採取物の絵や数が細かく記されている。

まぁ、最初は1番簡単な☆1クエストしか受けられないけどな。


「スライム5体の討伐、野草の採取、へぇ薬の調合なんてのもあるんだね」

「まずは討伐だな!」


俺は嬉嬉として『☆1討伐クエスト:グラスウルフの討伐』を取る


「え?スライムとかじゃないの?」

「ばっか妹よ、ここはあえて強そうなのに行ってクリアして評価を得るのが一番の近道なんだよ。」

「どこの近道!?」


まぁ愛瑠がチート持ちなんだから余裕だろってのが本音だがな!

ゴネる妹を引きずり手早く手続きを済ませてしまうと愛瑠は観念してついてくるようになった。


「もうどうなっても知らないからね?」

「大丈夫だお兄ちゃんを信じろ!」

「それ落ちてる時も言ってたよ…」


ゲンナリしている愛瑠。すっかり信頼性薄れて来てるな…名誉挽回するために頑張ろう。

更新は気まぐれです(:3_ヽ)_

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