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プロローグ

妹。

それは家族として産まれた年下の女性であり、どんな男であろうと"兄"として頼ってくれる可愛い存在。


「妹とかwwwだらしねぇし可愛くねぇしで終わってるwww」「実妹に萌えるとかありえなくね?」など実際に妹を持ってる兄やつはほざくであろう。


あえて言おう。それは怠慢だ。


それは自分が妹の育成に関与しなかったから招いてしまった結果。

努力もしないで理想の妹ができる訳がない。


俺、明石悠にも妹がいる。

家事全般を得意とし、お兄ちゃんっ娘で甘えん坊。天真爛漫かつ純情可憐。さらにロリ巨乳で天然。

母は妹が小さい頃に他界し、父は同時期に単身赴任。

残された家族である俺を頼っていつ何時もついてくる姿は愛おしいの一言。

俺はそんな妹を手塩にかけて育てた。成長面もそうだが、性格面も俺のフェチズムを全て吹き込み完璧な妹を育てた。


さらに何時迄も頼って貰えるよう、学業や運動など"兄"に必要なスキルは完全習得!

まさにこの俺…パーフェクツ!


……


「…お兄ちゃん?おーい、お兄ちゃ〜ん?」

「…ハッ!?」


頬をぺちぺち叩かれる衝撃で現実に戻される!

あぁ^〜いつ見ても妹が可愛いんじゃあ^〜


そう、この活字では伝わらない魅力を秘めた美少女こそが俺の妹、【明石 愛瑠】!!


「トリップしてる場合じゃないよお兄ちゃん!今私達落ちてるんだよ!?」


OK、状況を整理しよう。

まず俺は高校からの帰宅中、偶然妹と会い一緒に帰路についた。

二人できゃいきゃい話ながら前を見て歩いてなかったのが災いしたのか

何かに落ちたのである。一瞬意識が飛んで気がついたら空にほっぽり出されていて、現在絶賛落下中なのである。

うん、何が何なのかまったくわからんね。


「大丈夫だ!兄ちゃんを信じろ!」

爽やかな笑顔でサムズアップする。

「…って全然状況が良くなってないよぉ!!」


涙目でこちらを見上げている妹。

っと、そうだな。このままだと地面と衝突してそのままお陀仏だ。


「……すまん!どう考えても助かるビジョンがみえん!」

「ええええええええ!?」


驚愕で絶叫する愛瑠!

そりゃあ兄としての努力はしたけど、所詮は人間。

上空数千mから落とされてパラシュートも無しで助かる人間なんているわけない。


「…『落とされて 妹と逝く 空高く』…」

「辞世の句を詠んでる!?」


せめて妹だけでも護るのは兄の役目

空中で愛瑠を抱きしめ持ち前の筋力で俺の体を下へと持っていく。


クッションにはならないけど愛する妹を守ったという事実はできる。

立派に兄として死ねると思う。


ふと俺の胸のなかで何かが物理的に光ったけど気にしている余裕など無かった。


…ドッゴオオオオオオオオン!


轟音と土煙。落下地点が森だったらしく周囲の森林も吹き飛ばす!


「………………おろ?」


生きてる?


俺たちの身体は接地直前に何かに受け止められたように落下速度が遅くなったのである。空気圧が先に地面にぶつかりクッションにでもなったのだろうか?


今も俺の胸の中で震えている愛瑠。

良かった…最愛の妹も無事だ。

しかしその妹の格好がおかしいのである。


学校の制服ではなく、まるで天使のような純白のワンピースのような服、手には愛瑠の身長の半分くらいの長さの杖と国語辞典ほどの本。

さらに首にはみたことない宝石で作られたと見えるネックレスをしていた。


「…なぁ、愛瑠。その格好はなんだ?というか本当に愛瑠か?」

「……ふぇ?あれ、生きてる?

わっ、なにこの格好!?」


どうやら本物の愛瑠のようだ。

今一番安心したよ。


今なお混乱している妹を降ろし、辺りを見渡す。


見たこともない木々に囲まれた森。

空には飛行しているマンボウらしき生物。

明らかに俺らの住んでる街、それどころか日本かどうかも怪しい。


いったいここは何処なのだろうか?

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