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左野初
左野初
ため息をひとつ、左野初はつくのだった。
「憧れの先輩が居なくなって寂しい?」
「そ、そんなんじゃないよっ」
親友である律の言葉にきょどりつつ応える。
「未だに憧れのままだから。実乃里先輩とも知り合えたし、未だに真白先輩は優しいままだし……あたしはこれで良かったと思ってる」
「本当にそうかなぁ」
「そうだよ。これでよかったんだよ」
自分に言い聞かせるように、ではなくしっかりと律へ言って見せる。
「ふーん? けど、わたしは残念だったなぁ。真白先輩結構いいなって思ってたから」
「え、う、嘘……」
「嘘嘘、嘘だよ……少なくとも、左野には負けてたから」
「そうかな?」
ちょっと得意そうな初ににこりと笑って律は続ける。
「ま、結局左野も負けたけどね」
「うっ……」
「左野、今日は飲み明かそうっ」
「未成年でしょ」
律の言葉に左野はため息をつくのだった。




