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意味深な呟き

「じゃあ、行ってきます」

 変身薬を懐に忍ばせたハルヤは、散歩へ行くとでもいう風に家を出る。

 フニカも街の外まで送っていきたい思いを抱えていたが、家の中からハルヤを見送っている。

 そうでもしなければ、街の大人に止められてしまうだろう、という判断のためだ。

止めなかったフニカだって責められてしまうし、計画も失敗に終わってしまう。そんなことになれば、クラトがなんて言うかもわからないし、ユキヤだって父親なのに何も話されてないと知れば決していい思いはしないだろう。

それに失敗する可能性だってある。ドラゴンにハルヤの正体がばれてしまったら、聞ける話も聞けないだろうしハルヤの命も危険だ。

命を守るためにフニカは彼に呼び寄せ呪文をかけたのだが、できるだけ使わないでほしいというハルヤの懇願によりハルヤとフニカの意志がシンクロしないと発動しないような仕掛けをつけた。

つまり、フニカが呼び寄せてもハルヤが許可しなければ呼び寄せ呪文は効果を発揮しないのである。

ハルヤ自身が危険だと思わなければ戻れない。ハルヤの希望により付けたこの効果がハルヤの命にどう関わってくるか。

フニカは不安でいっぱいだった。あんな効果付けなければ良かったと。例えそれがハルヤを騙すことになっても。

しかし、もうハルヤは行ってしまった。

フニカにできるのは、ひたすら見守り続けること。ハルヤの命が危機に晒された時、すぐに彼を呼び寄せる魔法を発動させること。

そして、街の大人たちがハルヤの邪魔になるようなことをしないように見張ること。

とは言っても、会議室の様子は初めからなんら変わることはない。心配は無さそうだった。

「ハルヤ……気を付けて」

 フニカは小さくなっていくハルヤの背中に向かって呟くと、窓の外を見るのをやめ、リビングに置いてある鏡にハルヤの様子を覗く魔法をかけた。

 ふと、先ほどハルヤに愚痴っていたクラトの事を思い出す。

「昔は、あんな人じゃなかったんだけどな……クラ……」

 フニカはため息をつくと、鏡を覗き込んだ。



ネタバレするとフニカさんとクラトおじさんは幼馴染です( ◔ ౪ ◔)

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