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続48 終わり良ければ全て良し、の反対

「……ん、朝か」


目覚めは良好、カーテンの隙間から差しこむ朝の穏やかな日差しが冷めたエンジンを暖めるかのように脳と体がゆっくりと動き出す。綿菓子のように軽くて柔らかいベッドに沈んだ腕を持ち上げて反るように両腕を伸ばして深呼吸。寒さが堪える冬の時期は一度起きてもまたすぐに二度寝したくなることが多く、驚くほどの外気の寒さに毛布の中から一歩も出たくない気持ちが強い最近の朝事情だが今日は全然そうはならず寧ろ清々しい朝の訪れを迎えている。やっぱ良いベッドで寝るとこうも違うものなのか。昨日は遊園地で散々遊んだ後、ホテルで騒いで春日や火祭が暴走して体力精神共に底尽きたので十二時になる前に寝てしまった。日付変わる前に就寝だなんて良い子過ぎるよね。若さの勢いに任せて試験前は完徹したり平日の時でも夜更かしでゲームに興じる現役高校生ですが、さすがに昨日のように遊び疲れた状態で数多の暴力、加えては春日のデレ甘な行為。これら全てを受け切ってテンションを持続させれるほどタフではありません。ベッドに倒れた瞬間に意識はぼんやりと霞んで気づけば朝、といった感じ。休みの日くらい寝ていたなぁ、おかげで睡眠はバッチリだ。今日も張り切っていってみよー。んじゃ起きて顔洗ってこようかな。


「ぐー……デヘヘェ、お米と美女がいっぱいだ~」


距離にして三十五センチと四ミリ、すぐ間近に涎を垂らして寝言を呟くアホ面の米太郎がいた。近い、ものすごく近い。間抜けな顔してデレデレと微笑みながらも米太郎は夢の中を満喫しているようだ。近い、気持ち悪いくらい近い。目覚めは良好と思ったけど違ったみたいだ……朝から嫌な気分だよ。たくさんのお米と美女に囲まれる幸せそうな夢を見ているらしい、さっきからずっといやらしくて汚い寝言を吐いてくる、すっげぇ口臭の臭い。臭っ、漬け物臭いっ。穏やかな目覚めから一変、沸々と怒りが煮えたぎってきてこいつのニヤケ顔を見る度に殺意が膨れ上がって今すぐその顔面に全力パンチをぶつけてやりたくなってきた。なんだこの抑えきれない負の感情は。例えるなら授業中、先生が問題を当ててくる順番を予想し、自分の当たる問題をしっかりと解いたのに前の奴が答えられなくてその問題が自分に回ってきたみたいな、そんなやり場のない怒りに似ている。そこはチームプレイだろっ、責任持って自分の当たる問題はしっかり解けよ!と怒りをぶつけたくなることがよくあるよね。え、ないっすか? ならいいです……。


「どぅへへ~」


気持ち悪い奴は放置するのに限る、最高の寝心地を提供してくれたダブルベッドから降りてカーテンを開ける。心地の良い暖かな日の光に目を細めながら下を見下ろせば眼前に広がる夢のテーマパーク。なんということでしょう、起きてベランダで出たら目の前に遊園地があるのだ。これで燃えないわけがない、米太郎の顔面でテンション下がりかけたが再び火がついた。うおっし、今日も遊んでやるぜ。昨日で遊び尽くしたと言ったが、そんな一日程度で全てを見れるほどここの遊園地は小さくない。まだまだ回っていないアトラクションが山ほどある、それらを制覇しないと今日は帰れねぇぜ! ホテルをチェックアウトして午前中は遊園地でフィーバー、お昼からショッピング。せっかく都心の方に来たのでお買い物したいという女子の意見に圧倒されて午後はショッピングで夕方に前川さんの車で帰宅といったのが本日のスケジュールとなる。いやぁ、前川さんにはお世話になりっぱなしです。本当にありがとうございます。今日も張り切っていきましょうかね、まずは朝食食べようっと。


「おはよう、まー君」

「おはよう、火祭」


ジャージでこの高級ホテル内を歩くわけにはいかないので私服に着替えてレストランへと向かう。既に女性陣は朝食を食べており、皆さん爽やかな笑みを浮かべている。特に火祭と水川姉妹、それほどにスイートルームの泊まり心地が良かったのだろう。米太郎と添い寝するのに比べたら遥かに快適なのは確かだよな。いつもみたくニッコリと微笑んで真っ先に挨拶をしてくれた火祭、思わずドキッとしてしまうのは内緒です。なんでそんなフワフッワの子猫みたいに愛くるしい笑顔が出来るのでしょうか、こりゃ男子達もハート奪われてファンクラブ作ってしまうのも頷ける。例えるなら学校の坂道に咲く桜、普段通う日常の一風景に溶けこんで映える桜の花は繊細であって見る者を虜にしてしまうような、見慣れた風景であっても人々の足を止める美しき咲き舞う姿。かなりオーバーな表現だが概ね間違っていないっす。いやぁ、マジ可愛いです。けど昨日みたいなことはしないでね。髪の毛拭くのって精神ポイントの消費激しいから、意識クラクラするからさ。


「朝食はバイキングだよ」

「へー、それまた楽しみだな。取ってこようっと」

「兎月」


朝食バイキングだなんて粋な真似をしてくれるじゃないかホテルさーん。いつも朝ご飯は白米の上にシーチキン醤油マヨネーズ乗せという見た目ブタの餌にしか見えないものをガツガツ貪っている身分からすれば楽園のようだ。勘違いしないでもらいたいがシーチキンに醤油とマヨネーズをかけた物体はワタクシ兎月将也のお気に入りですから、ブタの餌とか卑下したけどすげー信頼していますから。そいつとメロンソーダと惣菜パンがあれば生きていけると思っているからぁ! なんてことはさておき、ワクワクとドキドキが止まらない冒険に出ようではないか。バイキング(海賊)にだけにねっ、ドン! ……とまあつまらないボケを脳内で完結させて朝食を取りに行こうとしたら春日にコップを突き出された。え、何そのコップ? 中何も入ってないけど。


「紅茶」

「紅茶……を取ってこいと?」

「そ」


はい出ましたー下僕時代の遺産。今では彼氏彼女の仲良しランランル~なカップルの俺達だが付き合う前の関係は主人と下僕。もちろん春日が主人の方です。初めて会話したのは登校中のバス車内、他人の席を奪うという当時はザ・横暴を体現するかのように君臨していた春日に席を譲れと命令された俺は周りへの迷惑を考えて素直に譲った。その結果、なぜか春日から下僕になれとスカウトされて断ることが出来ずに下僕へとジョブチェンジ。自分でもビックリの潜在していたヘタレな犬魂がここで覚醒することになり、春日の言うことには逆らえず毎日こき使われていた。懐かしき思い出、悲しきメモリーズ! 図書館に本を返しに行ったり鞄や教材を持たされたり紅茶を買いにパシリにされるなんて日常茶飯事というブラック企業のような厳しい労働を強いられた……なんつー酷い扱いだっただろうか。それも春日と交流を深めていくにつれて薄れていき、正式に交際するようになってからはジョブも下僕から彼氏へとランクアップしたわけで今じゃあ図書館に本を返すのは一緒に行くしデートの時だって重そうな荷物は率先して持ってあげている、彼氏だもの。つまり下僕としての仕事は激減したってことだ。そう、激減しただけ。今のようにパシリに行かされることも稀にあるのさ。昔を懐かしむように春日はこうやって命令染みたことを言ってくることがあります。


「はぁ、分かりましたよお嬢様ー」

「早く行ってきて」


まあ全然いいですけどね。下僕時代なら必ず一度は抵抗して命令を拒絶しようとしていたが、どーせ二回目にはイエスを言ってしまうヘタレ体質だから無駄なこと。現在につきましては昔を懐かしむ気持ち(決してマゾな気持ちではないです)があるからこうして紅茶を取りいくのも苦じゃない。フツーですよフツー、休み時間になると教室~売店の道を往復していた頃に比べたらこんなのイージーだ。紅茶は最後に注ぐとしてまずは自分の朝食を取りましょうかね。バイキング経験が少ない貧乏平民ですのでアホみたいな感想を漏らしますが、バイキングって凄いよね! レストラン中に料理が盛られた大皿や何種類ものスープ、和洋中といった様々なスタイルに合わせることが可能となっている。ご飯だって白米、ピラフ、玄米、サフランライスといった具合に何種類もある。様々な色のカラフルな米太郎が並んでいると考えてもらってよい。このレストラン内にあるモノで一生食っていけるのではないだろうかと思うほどに大量の料理がドドン!と存在感MAXで待ち構えている。これだけの量、シェフは何時から仕込みをしているのだろうか、作る側は大変に決まっている。となれば食べる側も大変だよ、何を食べたらいいのか迷っちゃうから。食べたいものを少しずつ取っていくのがセオリーだが、候補が多過ぎて決まりやしない。トレイに収まりきる自信がないよ。日本人らしく和食で攻めるか、ちょっとキザに洋風にするか、それすら決まらない。あぁんもう、全部食べたいわぁ。


「てことで色々取ってきた」


和洋折衷という言葉が当てはまるのかな、目についた料理は取ってきた。取り皿から溢れんばかりの山盛り、「お前それ食えんの?」と周りからの視線がちょいとばかし気になる。ちゃんと食べますよー、欲張って大盛りしたくせに残すなんてマナー知らずのガキみたいな真似はしませんって。責任持って全部食べますし全部食べる自信あるし全部食べておかわりしてやる予定ですからね。


「……紅茶」

「あ、忘れてた」

「……」

「痛っ!? と、取ってきます」


下僕でも彼氏でも、どちらにしても共通で言えることがある。いつの時代もローキックは痛い……。











「楽しかったな」

「そうだなー」

「将也」

「なんだ」

「……今って買い物中?」

「違うな、荷物持ちだな」


優雅な朝食をガツガツと食った後はホテルをチェックアウトして遊園地へと再ダイブ。ちなみに米太郎は遅れて来て嬉しそうにサラダをモサモサ食っていた。朝食バイキングを心行くまで堪能して心もお腹も満ちたわけでいざ遊ぼうではないか、とまあ昨日と同じく皆でアトラクションに乗りまくった。コーヒーカップが気に入った美保梨ちゃんと二連続で乗った時は食べた料理全てリバースしそうになったがそこは気合いで乗り切る術を知っていたのでなんとか耐えた。吐きそうになるまで遊んで午前中はあっという間に過ぎていき、お昼を過ぎた辺りで遊園地とさようならの時間。非常に楽しかった、それに尽きる。是非また来たいものだ。お土産を買いたかったがお金なくて断念しちゃった、ごめんねマザー&ファザー。遊園地を出た後は近くのショッピングモールでお買い物、ここのショッピングモールもまあ広い。地元とは規模も品揃えも違う、さすが超有名遊園地がある都市なだけある。それはもう女子達のお買い物スピリットに火がつくのも分かる、楽しげに洋服を試着したり欲しい物を休む間なく購入するのもまあ分かる、それらお買い上げ品全てを男子が持つのは分からん。分からない理解したくない異議を申したいっ。現在、女性陣は買った品々を俺達に預けて別のお店へと入っていった。全員目がキラキラしている、お買い物に夢中といったのがよく伝わってきます。表情の変化に乏しいあの春日ですら普段からは考えられないくらいテンションがハイになっており積極的に品を定めている。それほどお買い物とは女子の好物なのだろう。男子で言うところのゲームみたいなものかな。けどさぁ、男子のゲームは人畜無害じゃん。誰に迷惑もかけることなく家に引きこもってるし。女子の買い物は被害甚大だ、荷物持ちが。今だって米太郎と二人ベンチに沈み込んで両手に持ちきれない荷物の重さに手が悲鳴をあげている。さっきまで夢のアミューズメントパークで遊んでいたのが嘘のよう。


「将也ぁ、春日さんから目ぇ離していいのかよ」

「疲れてそれどころじゃねーって。それに火祭がいるから普通に安心だろ」

「昨日は自分が見ないといけないとかカッコつけてたくせに」

「黙れ米クソ野郎、過去を引きずる男はモテないぞ」

「過去を引きずるのと過去を振り返るのは違うんだよ。過ちを繰り返すのは駄目でも過去を振り返るのは良いことなんだよ、ってヤベェ今の名言過ぎるっしょ」

「自分の変態行為でも振り返ってろ馬鹿」

「んだとヘタレ野郎ー」

「やんのか汚れ玄米ウンコ太郎がー」


メンチを切りながら口喧嘩する気力も残っておらずお互い天井を見上げたまま気の抜けた声で罵り合う。ショッピングって言うけどさぁ、俺と米太郎は特に欲しい物ないんだもん。何を女子はそんなに買う物があるのやら、絶対いらないやつも買ってるだろ。ゲームで例えると安かったから買ってみたけど実際プレイしてみるとクソゲー過ぎてすぐ飽きてしまうみたいな、そんな感じの無駄な買い物をしているに違いないって。服に関しては買うのには反対しない。乙女は皆オシャレだというのは知ってますよ、お金に余裕があるだけ好きな服を買うがいいさ。ただしそれらを俺達に持たせないでくれ、服も量が増えると結構重いって。向かいのお店から聞こえる水川のはしゃぐ声、キャーキャー言っている。なぜそんなに元気なんですか、午前中あれだけ遊んだのにまだ叫ぶ気力が残っているとか奴らは化け物か。女という生き物がさらに分からなくなったような気がするよ。


「兎月さーん! これ見てください、新しい下着買ったんですよっ」

「美保梨ちゃん、本当にお願いだから大声でそんなこと言わないで。いよいよロリ疑惑が濃厚になってきたよねぇ!」


先ほど女子達が入っていったのは下着屋さんだったようだ。下着屋さんて何だよおい、何その親父が言いそうな台詞。違うって今の時代はもっとファンシーな言い方があるんだって。えっと確かランジェリーショップだっけ? 男子が一人で入店すると百パーセント変態扱いされること間違いなしの女子だけの秘密の園。一度入ってみたいと思う気持ちもあるが十代にして変態のレッテルを背負うのは荷が重すぎる、今持っている荷物以上に重い。強引な彼女か女友達に無理矢理連れられて渋々お店に入るようなヤレヤレ系主人公のノリで入るのがベストだと思う。それでも周りの視線はアイアン・メイデンに閉じ込められたように突き刺さるだろうけど。けどやはりヤレヤレ系のノリで躱すのが一番無難だと信じていますので先ほどから買ったばかりの下着を見せつけてくる美保梨ちゃんに対しても表面上はクールに返している、つもり。素敵なおパンツが買えたのだろう、わざわざ袋から取り出して目線の傍にまで持ってくる美保梨ちゃん。ち、ちょっと本当にやめてもらませんか? こちらとしてもコメントをどう返せばいいのか判断出来ていないですので。美保梨ちゃんに似合いそうだねー、とか言おうものならロリコン疑惑に拍車がかかって変態の称号に大きく前進。かと言って無視するとそれはそれで周りからは「あいつ幼女にパンツ見せろと強要しているぞ」と疑われる恐れもある。変態に王手となってしまう。なんだこれ、どう答えても悪い方に転がってしまうぞ? 誰だよ答えは沈黙とかカッコつけたこと言った奴、そんなのババア相手にしか通用しねーよ。


「兎月さんってどんな下着が好みなんですかー?」

「春日の下着あ、死ぬ」


割と真面目に答えたら春日によるギロチン式ハイキックが顔面を強襲。昨日に続いてまたしても鼻に甚大なダメージがああっぁあ! この子の持ち味は鋭いローキックは勿論のことノーモーションで繰り出す大技にある。こちらが反応する前には技を放ち終わっていることが大半、おかげで鼻血が滝のように流れる。火祭に匹敵するスピードと瞬発力があるよそれ。…………あー、鼻血全然止まらねぇ。世界三大瀑布よろしく鼻血の勢いは止まらず鮮血がショッピングモールの綺麗な床を赤で染めていく。掃除のおばちゃんごめん。


「兎月さん真っ赤ですね。あっ、赤色の下着が好きってことですかっ?」

「いやもうすぐ顔色が青に変わるから青色が好きなのかもよ?」


水川よ、笑えないジョークを言っている暇があったら今すぐティッシュ持ってきてくれませんか。12ロール入りのやつお願いします、あぁ血が抜けていくぅ。


「ギャハハハッ、将也ざまぁねーな。ところで土守さんはどんなブラ買ったのぐちざん!?」


ケタケタ笑っていた米太郎だが、調子乗った一言を零してしまったせいで鼻血では済まないレベルの怪我を負うことになった。春日に負けない速度で火祭の怒りの拳が米太郎の顔面を捉えた。目にも止まらぬ速さで叩き込まれた数撃のパンチは骨を砕く音を連鎖的に発しながらお米の顔を宙へと持ち上げていく。まるで鯉の滝登りのよう。一瞬だけ全身が宙に浮いた米太郎は少しだけ吐血した後、完全に停止した。全く動かない人形のようになってしまった……。


「……佐々木君サイテーですわ。桜さん代わりに成敗してくれてありがとうございます」

「ううん、馬鹿は駆除しないといけないもんね」


俺なんて米太郎よりはマシな方か……。なんて立場の弱い男子二名だろうか、何より悲しいのが口喧嘩で勝てないどころか力勝負でも歯が立たないところ。俺の周りには男尊女卑なんて古びた言葉をグーパンで砕くような女子しかいないのだ。なんてバイオレンス集団、それであって可愛いのがさらに悔しい。


「兎月は恵にどんな下着買ったか聞かなくていいの~?」

「聞いたら最後、それが冥土の土産になるから嫌だ」


まあいつか見れる日が来るんじゃないっすかね。見た目ただの鼻血マンだけどこれでも彼氏やってますのでいつか時が来れば拝めることが出来ると思われます。かなり先のことになりそうだけど。


「で、買い物は終わったわけね」

「え? まだこれからだけど」


……何、だと……? 思わず鼻血が止まった。


「お、おいおい待ちたまえよ女性の皆様方。これだけ買っておいてまだ買い足りないと言うのかね?」

「まー君、女の子は買い物が大好きなんだよ」

「そうですよ兎月さんっ」

「じゃ私達また行ってくるから引き続き荷物持ちよろしく~」

「さすが兎月君ですわ。頼りにしています」

「……」


それぞれ言いたいことだけ言い終えて颯爽と専門店の方へと消えていった。春日に至っては無言で睨むだけだし。……まだ、買うのか。今持っている荷物だけで両手がプルプル震えるくらい重たいってのに……嘘でしょ。


「……米太郎、生きてるか?」

「ごふっ、かはっ……なんとか」

「あのさ、俺達って修学旅行前旅行として遊びに来たんだよな」

「ああ」

「……これ何?」

「荷物持ち」

「……」

「……」

「……」

「……修学旅行、楽しみだな」

「そうだな」


もし修学旅行でも今回のようなことが起きたら確実に死ねる自信があるけどね。そんなこんなで鼻の痛みに悶えながら俺達の修学旅行前旅行は終わりを迎えた。……なんか悲しい。



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