町の子どもが歌う唄
ニガーという言葉は特定の人種に対しての差別・侮蔑の言葉になります。
しかし作者の住む町からほど遠くない場所には人々にそう呼ばれる山が現存しています。このお話しはその山の名前からイメージを膨らませて作っています。特定の人種への差別や侮蔑を意図していないことを御了承頂きたく思います。
ニガーマウンテン ニガーマウンテン
白人は行っちゃいけないよ
ニガーマウンテン ニガーマウンテン
行ったら両手をもがれるよ
遠くでピアノが聞こえたら
急いで家に帰るんだ
秘密の箱は開けるなよ
あの子がきっとやってくる
それを返せとやってくる
ニガーマウンテン ニガーマウンテン
山に登っちゃいけないよ
ニガーマウンテン ニガーマウンテン
行ったら両手をもがれるよ
あの日の秘密はみんなの秘密
人に話しちゃいけないよ
みんなで口を閉ざすんだ
あの子がいつも探してる
それを返せとやってくる
僕の住むアメリカ南部の小さな町の側に、ニガーマウンテンという山がある。
山と言っても、大きな丘ぐらいの大きさだ。
今は汚い言葉や人種差別的な言葉は、学校でも禁止になっている。
それなのに、なんであの山はニガーマウンテンという名前なんだろう。
どうしてあの山がそう呼ばれるのかを大人にたちに聞いても誰もちゃんと訳を話そうとはしない。
そういう大人たちの様子が、僕ら子どもたちの想像を更に掻き立てる。
何か忌まわしい出来事があったんじゃないかって、子どもたちはみんなそう思っている。
どんなことが過去にあったのか子どもたちは誰も知らないけれど、みんな同じようにニガーマウンテンの歌をうたってる。
あの山に行っちゃいけないよ、って。