EPISODE.0 プロローグ
書きたかったんです…!それはまるで少女のように。が行き詰ったのもあるんですけど、別ジャンルが書きたかったんです…!初めて書きます、異能モノ!行き当たりばったり感満載なわけですが、こちらもよろしければ読んでいただけると嬉しく思います!
雨の音が遠くに聞こえる。それは今なお、この身を激しく打ち続けているのに。
「…よくやったな。T.system/Name『原初の者』。」
後ろから、聞きなれた男の声がした。それは、任務完了の合図。いや、実験成功の祝砲か。
私の足元には、大量の血溜まりと無数の人であったモノ。夥しい返り血は、ほとんどを雨に攫われた。
初めての運用。初めての起動。なんの感慨もない。ただ、この現状がデータにあった地獄というワードとよく似ているな、とだけ感じていた。
肉を断つ。
骨を砕く。
内臓を抉る。
―――――――― 命を奪う。
命を奪うことが、殺し続けることが、私の存在価値ならば。何故この人たちは私に殺されなければいけなかったのだろうか。
凪いだ心も、どれほどの攻撃を受けたかは知らないが、痛まない体も。どれだけの命を奪うために作られたのだろうか。
「初実験でこの結果は素晴らしい。これならば確実に、××としての運用を認められるだろう。」
軽い足取りで、男は私に満足気に言った。
ナイフが空を切る音が男の耳に届いた頃には、男の喉元から鮮血が飛んでいたことだろう。
「!…っが!な、ぜ…。」
男は膝から崩れ落ち、そのまま動かなくなった。
何故?だなんて、可笑しなことを言う。そうやって作ったのは、貴方なのに。『疑問を持つな』と言ったのも貴方なのに。
でも、何故殺すのだろう。何故私は作られたのだろう。何故、何故、何故?
「私は、何なのだろう………。」
持ってしまった疑問に、答えてくれるモノなどここにはいない。ここには、私という存在がただ立っているだけだ。
だから、
「ごめん、お父さん――――――――」
この懺悔を許すモノもない。
さて、まずはプロローグなわけですが。作中に出てくるシステムの名前、実は適当だったりします。まったく意味がないわけではないのですが、いい名前が思いつかなかったというのが最大の理由です。よろしければ、なのですが…こんな名前はいかが?という案がありましたら是非!