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天才の壁は未だ高い

廊下の掲示板前には人だかり


そう今日は期末テストの結果が張り出される日で

俺が光莉との勝負に勝てるかもしれない日でもある


俺は人混みをかき分けながら横に長い掲示板を見る


――1位 九条 光莉


「はあ~」


知ってたがため息が出るな

周りで見ていた生徒の反応でうすうすわかってたが

現実は甘くないらしい


あいつは天才だが,,,努力もするしただの「天才だから」

で片付けられていいやつじゃない

文句がつけれなくて悔しいが光莉のすごいところだ


さてその下はっと


2位 神宮寺 玲央

3位 鷹宮 麗奈

4位 雨宮 悠斗


2位3位はいつもの連中で

俺は……4位か


悪くないな

むしろかなり良い!


入学当初の俺は平均85位前後だったが

そこから上がってきて、前回は10位で、今回は4位

確実に伸びている

だが


「また負けたな」


「ぷ~また負けてやんの~」


振り向くと、光莉が近づいてきて

耳元であおってくる


「四位ね~まだまだ私に勝てないわね~」


こいつテストの時や何かに勝った時の煽り数値が高すぎる


「光莉さん」


高く整った声だ

振り向くと、長身の男子が立っていた。


整えられた金髪、上質そうな腕時計。

アイドル顔負けの顔にスタイル

いかにも“家柄良さそう”な雰囲気のこの男が

神宮寺 玲央

噂では、神宮寺は代々医者の家系らしい。


いつも学年二位で光莉といい勝負をしてるがあと一歩

届かないといった状況が続いている


「今回も見事だね。流石だ」


「ありがとう,,,,神宮寺君もさすがね」


営業スマイルで答える光莉を見た後

なぜか俺を見る神宮寺


「雨宮くんも四位か。なかなかやるね」


「どうも」


探るような視線だ,,,,

多分神宮寺は光莉のことが好きなんだと思う

この前光莉と付き合ってるふりをしたせいで

俺が気になってるのだ

全然上げるから持っていってほしい


「次は勝つからその時は一緒にデートでもしてくれ」


「残念、私付き合ってるから無理なの,,,ごめんなさい」


光莉はさらりと返すが神宮寺も軽く笑いながら去っていた


「光莉俺の代わりにあいつを彼氏し,,,,」


「却下!バカなこと言ってないで帰るわよ」


「雨宮くん」


肩にとんでもなく柔らかい感触と

いい匂いがする

俺変態みたいだな


「鷹宮 さんどうしたの?」


学年三位鷹宮 麗奈


整えられた長い黒髪、

中学生とは思えないスタイルに顔もかわいく

落ち着いた物腰で、どこか大人っぽい


「どこの誰かと全く違う」

大和なでを具現化したような美人な女の子だ


光莉と鷹宮 はどっかのバカがつけた

4大学年美女とか言うのにに含まれている

ちなみに東條も含まれる

この学校美男美女が多い


「今回すごいね。四位だよ」


腕に抱き着かれ光莉にはない感触がして

変に女性慣れしてる俺でも緊張する


「ま、まあそうかな?」


「伸びてるよね!入学のときより,,,,私努力してる人好きなんだよね」


[よく覚えてるなさすが三位、記憶力がよくてうらやましいよ」


「そんなことないよ~今回もたまたまだよ」


たまたまで三位キープできてたまるか!

でもこういう謙虚なところがモテるんだろうな

,,,,見習うか


「はーるーとー」


完全に光莉を忘れていた

声のトーンがわずかに低いし

恐ろしくてとても顔は見れない


「,,,,,何でしょう、いったい!痛いから耳引っ張るな」


「私と付き合ってるくせに鼻の下伸ばさないで!」


「しょうがないだろ!鷹宮スタイルよくて,,,,

じゃなくてごめん鷹宮、セクハラとかじゃないんだ!」


「もう雨宮君のえっち」


鷹宮は腕で体を隠し恥ずかしがりながら言う姿は

中二の俺には刺激が強すぎた


そして後方にも刺激の強い殺意が放たれている


「光莉違うんだ!ぶは!!」


「この変態悠斗!!今回も約束通りだから忘れないでよ!」


ビンタされた倒れこむ俺を他所に光莉は怒りながら去っていく

思春期の反応しただけなのに


俺は前回の中間で光莉に負けて


その罰として、次のテストまで世話係にならないといけない

で今回も負けたので

つまり

次のテストまでまた命令されたらやらないといけない


「いって~あいつ本気で殴りやがって」

「大丈夫?」


鷹宮が俺の横に来て心配そうに見てくる


「ああ,,,何とか、じゃあ俺教室に戻るから,,,,またね」


あれはふらつきながら立ち上がり

教室に戻ろうとすると

急に腕をつかまれる


「待って!雨宮くんってさ」


「ん?どうしたんだ?」


「そんなに九条さんに勝ちたいの?」


「まあ,,,なそうだな」


あいつに勝手土下座させてやる!


「なら、協力してあげよっか」


「どういう意味だ」


「三位のノート、見たいでしょ?」


鷹宮は笑顔でそんな俺に提案をしてきた


――――――


結局あの後は連絡先を交換して解散となった

また後日詳細を送ってくれるそうだ


「また、お世話係になったんですか?」


会長副会長光莉が仕事に行っていて

二人きりの生徒会室で

恵が機嫌が悪そうに小さく言って来る


「らしい,,,しかも本気で殴りやがった」

まだ口内がひりひりする


「……なんか巨乳の女の子に抱き着かれてデレデレしてたって言ってましたよ

光莉先輩が,,,,,」


今まで見たことない漆黒の瞳を向けられている


「やっぱり先輩も巨乳が好きなんですか?」


「へ?」


恵は自分の胸を持ち上げながら言って来る

ちなみに恵は背は小さいが地味にあるほうらしく

前に会長が隠れ巨乳だと笑いながら言ってきた

あの会長捕まったほうがいい


「いや、そんなことないけど,,,,そう言うことは男子の前だとやめたがいいぞ」


「ふーん,,,,,なんでですか?せ、ん、ぱ、い」


いつものおどおどした感じではなく

シャツの一番上のボタンを開け机に手を立てて

前かがみで胸を強調させながらこちらを見てくる


「見えそうだからボタンを閉じて座ってくれ,,,頼むから」


本当に心臓が持たない


「な、なんだ?」


恵は俺の手をつかみながら自分の胸の持っていく


「先輩がよければ触ってもいいですよ」


「ば、バカなこと言うなよ

そういうのは、好きなやつに言え」


「私先輩好きですよ,,,

頭もよくてかっこいいし優しくて」


「だから先輩,,,楽になりましょ」


耳元で思わずそんな言葉を言われ

つばを飲み込んでしまう


ガチャ


その瞬間、恵はすぐに座り直し

シャツを閉めなおした


(はっや!)


「ただいま~」

「おかえりなさい!お疲れ様です」

光莉と会長、副会長が帰って来る


「ん?なんかはるはる顔赤くない?何かしてたの?」


俺が言おうとすると恵からの視線を感じて思わず見ると

さりげなく人差し指で恵から黙っているようにハンドサインを送られる


「さっき光莉先輩に聞いた巨乳にデレた話をつい聞いてしまって

恥ずかしなってしまったみたいで」


「あ~それ私もさっき聞いた!はるはるも獣だったんだね~」


そして光莉によって女性陣からのイメージがどんどん悪くなる

俺は突っ伏して耳をふさいで聞こえないふりをする


「本当に巨乳好きですよね!男って、悠斗も含めてね,,,]


隣に座った光莉からにらまれるが無視する


「星野!俺は星野は別に巨乳じゃないけど好きだぞ!」


副会長の男気ある発言は尊敬してしまうが

ノンデリすぎる

 

「うん!りっくん死んで!」


会長は笑っているが目は笑っておらず

とても怖い

「す、すまない何に怒っているんだ」

「うん!そういうところだよ?」


後ろでは副会長が謝ってるのを聞きながら光莉のほうを見ると

さっきのこともあり胸に目が行くが

なぜかとても安心してしまう


視線を感じたのかにらみつけてくる光莉にすぐ視線を逸らす

が軽く頭をたたかれ恥ずかしがっている

怒る基準がわからないが


今回わかったことは生徒会の女性陣はとても怖く

恵は時々小悪魔だと分かった


―光莉視点―


廊下の掲示板に張り出された順位表から数日。


生徒会の仕事を終えて帰ろうとしたとき、悠斗のスマホに通知が鳴った

その瞬間、やけにそわそわしているのを私は見逃さなかった。


「どうしたの?」


「いや、別に」


明らかに別にじゃない顔で疑わしいが

そこまで命令して聞こうとは思わない


その次の日、噂はすぐに耳に入った。

鷹宮 麗奈と図書室で勉強会をしてるらしい


――最初は、怒りそうになったが

別に勉強するくらい普通なので別にいいのだが


だけどあいつ、私のお世話係でしょうが。


次のテストまで命令を聞く立場なのに

それなのに、なんで三位と二人きりで勉強してるのよ。

一位の私に聞けばいいのに,,,,

ムカつく


――――――


さらに数日後の放課後


「今日、用事あるから先帰るわ」


最近やけに図書室に行く回数が増えている。

たまに、じゃなく週に、二、三回


その日私は、資料をまとめるふりをしてから、こっそり後をつけた。


こっそり図書室の入口からのぞくと

窓際の席に目立つ二人を見つける


周りにも注目されているのでよく目立つ



長い黒髪を揺らしながら微笑む鷹宮さん

その隣で、真面目な顔でノートをのぞき込む悠斗


なんか距離、近くない?


「ここね、この問題は公式よりも考え方を覚えた方がいいよ」


「へぇ……なるほど」


自然に肩が触れそうな距離。

たまに顔が近づく。


なにあれ。

なんであんな素直に教わってるの

私も教えたことないのに,,,,


私は物陰から見ていたけど、なぜか足が前に出なかった。


声をかければいいのに

いつもみたいに。“何してんのよ”って


なのに

……なんで。


胸の奥がもやっとして、言葉が出ない

私はそのまま踵を返した。


言語化はやはりできないがやっぱりむかつく


――――――――――――


その夜、私は小夜に愚痴っていた。


「でね、二人で勉強してるの!!私一応彼女なのに!」


私はベットに倒れこみながら椅子座ってる

小夜に話す

今はメイド服じゃなくセクシーな寝間着を着てる


「……別にいいのよ。私は一位だし。あいつが誰に教わろうと関係ないし」


「だけど胸目当てだわ!きっとあの子でかいし見るからデレてたし

私が物足りなくなってきっと!!」


「私も小夜くらい大きくなればいいのに,,,,」



「つまり悠斗様を取られて嫉妬してるんでしょう」


……うるさい。


小夜はニヤニヤしながら言う


「違うんですか?もしかしたらその、女子生徒に惹かれて

捨てられるんじゃないかって思ってるんじゃないのですか?」


「違うわ、だってあいつはただのお世話係で,,,,」


「お世話係で,,,,どうしたんですか」


「もういい寝る!!おやすみ!」


でも少しだけ、言葉が詰まった。


――――――――――――


私は決めた。


逃げるのは私らしくない。


強気でいく。


放課後、悠斗がまた「用事ある」と言い出す前に


「今日の勉強会、私も行くわ」


「え?」


「何その顔。お世話係でしょ?」


「いや、でも」


「でもじゃない命令ね!さっさと行くわよ」


図書室に入ると、すでに鷹宮さんが待っていた。


「九条さん?」


驚いた顔した後でもすぐに微笑む

まるで分っていたようだ


「一緒にやる?」


「ええ。どうせなら一位の解き方も見せてあげるわ」


悠斗は挟まれたまま固まっている。


三人で机を囲む。


私は悠斗のノートを取り上げる。


「ここ、式が雑。だからミスするの」


「う……」


「ほら、こう」


私はさらさらと解き直す。


鷹宮が横からのぞく。


「さすが学年一位だね!

私より分かりやすい」


「当然よ」


めっちゃ褒めてくれる,,,,でもその声色は穏やかで、敵意はない。

むしろ本気で悠斗を伸ばそうとしている感じ伝わって

……それがまた、気に入らない。


「雨宮くん、最近集中力上がったよね」


「そ、そうかな?」


思わずペンを止める。

それは私も分かっている。

努力してるのも知ってる


「まだ私には届かないけどね」


わざと冷たく言うけど


悠斗が悔しそうに眉をひそめる

その顔を見ると、少しだけ安心する。


そうよ!

あいつは私を目指して勉強してるんだから

今まで通りでよかったんだわ!

悩んでたのがバカみたい


勉強会はそのまま三人で続いた。

正直、二人きりよりは安心する。


でも、鷹宮が自然に悠斗を褒めるたびに、胸の奥がざわつく。

私はページをめくりながら思った。


――次はもっと差をつけてやる!

悠斗が誰と勉強しようと


一位を取って

そして――――

悠斗が一番意識するのも、私でいさせる!


「次のテスト、覚悟しなさいよ」


「お、おう」


強気に笑いながら、私は心の中で小さくつぶやいた。


絶対、負けない!

誰にも,,,,,










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