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天才の下僕の一日

駆除光莉と会って一年が過ぎ、中学2年に進学した。


未だに勝負に負け続けている


そんな、雨宮悠斗の朝は早い


朝 4時


布団から起きアパートの階段から降りていき日課の30分のランニングに出る

ランニングから帰るとシャワーを浴び制服着替え

身だしなみを整える


「前に適当にしてたら光莉から坊主にする?」と言われたので気を付ける

「私の隣を歩くなら身だしなみの一つくらいちゃんとやって!」だそうだ。

5時30分

妹と俺、母の朝ごはんの支度と自分の弁当の支度だ


父は俺が小学生の頃に亡くなった。

子供をかばったらしい。漫画みたいな話だ。


母(雨宮春香)は昼過ぎから夜遅くまで仕事で妹(雨宮凛)も小学生なので俺が代わりに作っている

昨日から仕込んでた弁当の材料などを調理しながら


朝ごはんを用意する最初の頃は手こずって父が亡くなってからは

母の助けになるために少しずつ小学校から覚えていった


母は小学生の俺にやらせるのは嫌がっていたが無理やり押し通した


6時30分


朝ごはんと弁当の支度を終わらせる

そして妹を起こしに行く


「凛起きろ」

「うぅーんやだ!」


なかなか起きない凛を無理やり起こし

顔を洗わせ俺が寝ぐせを直して 髪を結んであげる


6時50分


朝ご飯を食べる

「いただきます」


「いただきまーす!!」


「凛、味は大丈夫そうか?」


「今日もおいしよ!」


俺の妹は世界一かわいい

どっかの誰かに爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ


7時20分


妹がランドセルを背負い家を出る


「行ってきまーす」

「気をつけて行ってこいよ」


7時30分


家を出て勉強しながら待つ

何を待ってるかって?すぐにわかるさ,,,


少しすると高そうな黒い車が到着する

車の扉が開き中には制服姿で眠ている光莉がいる


「悠斗様おはようございます」

「おはようございます!


[小夜さん今日もわざわざありがとうございます」


この黒髪の美人でメイド服を着ている人は黒川小夜さん

光莉の専属の使用人だそうだ


はじめて会ったときに見とれていたら光莉に怒られたので

最近あまり見ないようにしている


「いえ、お嬢様の命令ですから大丈夫でございます」

「ではお嬢様をお願いします」


なぜ俺の家に迎えに来てるかというと

光莉の命令で「自分でするのだるいから髪の毛を整えて髪を結んで!」


と言われている金持ちなんだからほかの使用人や小夜さん頼めばいいのに

それをやらないのは「それだとつまらない」だとか天才の考えてることはよくわからない


俺は寝ている光莉の肩をつかんで揺らしながら


「光莉起きろ学校だぞ」


「うるさい……殺すわよ……」


この暴言お嬢様は朝、特に寝起きに機嫌が悪い


寝ている光莉を動かして膝枕してやり

中一の時より伸びた綺麗な金色の髪を手度ほぐしながら

櫛で溶かしていく


終わったら上半身だけ立たせて足の間で光莉を固定させて

いつものツインテールにしていく


「ふぅ~やっと終わった」

「今日もありがとうございます悠斗様」


「勝負に負けた俺が悪いんで全然いいですよ」

「いつも助かっていますし今度お礼でご飯でも行きましょうか?」


まじ?小夜さんとご飯だと?


「いいんですか?」


「ええも,,,,,おはようございますお嬢様」


急に切りあげる小夜さん理由は隣のこいつのせい

俺はびくつきながら


「お、おはよう光莉!きょうもかわいいな~」


光莉は無言で腕を俺の首に回しながらゆっくり絞めてくる


「人のメイド口説いてるんじゃないわよ!

マセガキ!」


「離せクソガキ!ただご飯に誘われただけじゃねえか!」


「そんなにご飯食べたいなら私が一緒に食べてあげる」


「いやだよ!休みの日までお前に会いたくない」


「残念、命令は絶対だから,,,次小夜をたぶらかしたら潰すわよ」


「目線下げるな怖い怖い怖い」


こいつならやりかねない


「お二人ともつきました」

「小夜さんありがとうございます」


小夜さんの一言で車が止まり

俺は解放され、空気を吸い

自由を感じるがそんなものは少ししかない


光莉は何事もなかったように俺の腕に絡む。


「ほら、エスコートして」


「……はいはい」


校門をくぐった瞬間、周囲の空気が変わる。


さすが九条家の長女。

自然発生的ファンクラブが湧いてくる


「みんなおはよう」


完璧な笑顔。完璧な所作。

さっきまで首を絞めてた人と同一人物とは思えない。


俺は空気扱いである。


光莉は俺の腕に絡んだまま、小声で囁く。


「背筋伸ばしなさい!私の隣よ?」


「はいはい天才さ,,イタ!!」


わき腹をつままれて思わず声が出る


「その呼び方やめて!」


教室に入ると、クラスメイトがざわつく

なんて事もなくもう日常風景だ


「また一緒に登校してる……」

「雨宮ってなんなの?」

「下僕らしいよ」


聞こえてるからな?


光莉は自分の席に座ると、俺を顎で示す。


(もういいらしい)


朝の役目を終えた俺は自分の席に向かい

倒れこむように座る


「つかれた~」


「今日もお疲れ~悠斗!あとおはよう」


隣の席から声をかけられ寝ながら顔だけ向けて

返事をする



「おはよう蒼」


この前髪が長く眼鏡をかけた不審者のような見た目をしたこいつは如月蒼


一年の頃に編入してきて浮いていた俺に

声をかけてくれた優しい奴だ


「もういい加減髪切ったらどうだ?」


「切りたいんだけど,,,さやちゃんに怒られるから」


蒼は顔がとても整っており

美少年だが、幼馴染の東條沙也加というヤンデレ女がほかの


女子生徒に教えたくないらしく髪を伸ばさせてモテないようにしてるらしい

この学校はバカが多い


「お前も大変だな」


「悠斗のほうが大変そうだけどね」


蒼は光莉のほうを見ながら言ってくる


「これに関しては俺の学力が足りないから自分のせいだ」


俺もつられながら見ると同じクラスメイトに囲まれていて光莉は見えない

相変わらず人気者だ


――昼休み――


午前の授業が終わり

昼休みこの成城学院は学食か自分で弁当を持ってくるかの二択だ

もちろん学食なんかで毎日食べてたら金がいくらあっても足りないので

だから俺は朝弁当を作ってきている


「じゃあさやちゃんとご飯食べてくるね」

「ああ、気をつけろよ」



「そんな戦場に行くわけじゃないから大丈夫だよ」

蒼は純粋で東條の恐ろしさに気付いていない


歩いていく蒼に祈りながら

俺も光莉の席に向かう


「今日どこで食べる?」

「中庭の気分だし中庭に行きましょう」


「わかったよ」


俺は行こうとすると袖をつかまれる


「腕組むの忘れてるちゃんとして!」


「はい」


光莉と歩くときは腕を組みエスコートしなければならない

これのせいで中一の時は付き合ってるだの

光莉が俺に脅されてるだの大変だった


「これほんとに必要?」


光莉は笑顔で


「命令は?」


「絶対ですよね~」


俺はあきらめながら中庭に光莉を連れていく


中庭には屋根付きの机とベンチがいくつもあり

さすが金持ちの学校と思う


光莉を連れて一緒に空いてるベンチに座り弁当を広げ

光莉と交換する


前に俺の弁当を食べて気に入ったらしい

どう考えても料理人が作ってる光莉の弁当のほうがおいしいが,,,


光莉が食べるせいで食中毒に気を付けながら作らないといけないので大変だ

お嬢様を病室送りとかシャレにならん


「どう?悠斗おいしい?」


「いつも通りめっちゃおいしいけど?」


「それならよかったわ!」


いつも感想を聞いてきて

嬉しそうに言う光莉


「俺のはどうだ?」


「,,,まぁまぁね」


恥ずかしがりながら言う光莉


「ふっありがとうございました」


「何も言ってないでしょ!!」


「おい食事中に暴れるな!」


この一年光莉と行動して分かったことがある

素直じゃないということだ



――そして放課後――――


「今日も生徒会よ」


光莉は当然のように言うが。俺は生徒会に所属していない

光莉は生徒会会計で次期生徒会長としての期待されている


そしてその手伝いをするためにわざわざついていかないといけない

断りたいがもちろん俺に拒否権はない。


「おつかれさまです」

「おつかれさまです」


光莉の後に続き、挨拶をしながら生徒会室に入り


生徒会長の椅子を見ると座っているのは金髪のサイドテール

に結んだギャルが資料をまとめてる


「おっつーひかりん!はるはる!二人ともいつも通りラブいね」


この人がカリスマギャル生徒会長という属性てんこ盛りの

中等部3年 星野のあ生徒会長だ


「そんなんじゃないです!」

実際そんなことないが

(腕を組みながら言ってお説得力ゼロだ)


他のメンバーはまだ来てないのかな?


「こんには光莉先輩 悠斗先輩!」


「うお!いたのか!!恵」


「こんにちわ恵さん」


驚く俺をよそに冷静な光莉

いつもだがなれない


この影の薄く

ショートボブで小さくかわいらしい子が霧島恵ちゃんで

生徒会書記だ


「今日も会えてうれしいです悠斗先輩」


「そうか?でも俺もうれしいよ」


俺がそういうと恵は照れてもじもじしている

いつもだがかわいらしい子だ


「そ、そうですか?」


「悠斗?私にも言いなさいよ?会えてうれしいって!」


「おまえとはいつもあってるるる

お、おい首を絞めるな!」

「お前じゃなくて光莉って呼べって言ってるでしょ!」


ガラガラガラ


「今日も騒がしいな」


[坂本先輩おはようございます!]

「おはようございます」「うぅ,,,おはようございます」


この眼鏡をかけた真面目そうなイケメンが

坂本陸翔先輩で生徒会副会長だ

「おはよう」


と俺らに会いさつすると

生徒会長のところまで歩いていく


俺たちは息をのみながら見守る

これからある生徒会のイベントが行われるそれは


「星野おはよう」


「うん!りっくんおはよう!」


「好きだ!付き合ってくれ」


告白である

坂本先輩は生徒会長のことが好きらしく中学1年から一緒に生徒会に所属していて

一週間に一回告白してるらしい


そして

「りっくんまだ付き合えないのごめんね」


いつも通り降られ

「そうか分かった」

そしてソファーに座り

「うぅ~」


落ち込み

「副会長大丈夫?」


恵に慰めてもらうまでがセットだ

「よしみんな集まったね!」


この4人が生徒会メンバーである


星野会長が資料を軽く叩く。

「今日は来月の定例報告まとめと、予算の再確認ね」


「了解しました」


坂本先輩がすぐにタブレットを開く。


光莉は会計資料を受け取り、静かに目を通す。

さっきまで俺の首を絞めてた人とは思えない切り替えだ。


俺は壁際の椅子に座り、予備の書類を整理する。


「雨宮、そのファイルこっち」


「はい」


もうこの立ち位置にも慣れた。


恵が作業しながら小さな声で話しかけてくる。


「悠斗先輩、今日もお弁当でしたよね?」


「見てたのか?」


「……中庭にいるのをちょっとだけ見てしまって」


頬を赤くする恵


「私料理でいないからうらやましいです!」


「今度作り方教えようか?」


「ほ、本当ですか?」


小さくぱっと笑う。


そのやり取りを、光莉がちらりと見る。


「悠斗、集中して」


「すまん」


一時間ほどで資料確認は終わる。


「じゃあ今日はここまで。お疲れ」


「お疲れさまでした」


光莉は椅子から立ち上がり、軽く伸びをする。


俺も立ち上がる。


「今日もありがとう、雨宮」


坂本先輩が真面目に言う。


「いえ、俺はたいしたことしてないです」


「してるよ」


ぽつりと恵が言う。


「恵もお疲れさま」


俺が見ると、すぐ視線を逸らした。


すると唐突に腕を引かれる


「悠斗帰るわよ!」

「皆さんお疲れさまでした!」


光莉に引っ張られながら校門前に着くと


黒い車がすでに停まっていて


扉の前には小夜さんが立っていて俺たちが近づくと一礼してくる


「お疲れ様でございます、お嬢様」


「ええ」


光莉は当然のように後部座席へ。


俺はドアの横に立つ。


「悠斗様もどうぞ」


「え、今日はいいですよ」


「命令」


車内から声。


ため息をついて乗り込む。


車が静かに走り出す。


夕焼けが窓に映る。



「……今日、恵と楽しそうだったわね」


小さな声だ,,,光莉らしくない


「普通に話しただけだろ」


「そう」


コトンと俺の膝の上に倒れる光莉


俺はそれを見ながら頭をなでる


これも前に命令されたので言われなくてもわかる


しばらくして。


「弁当、今日もおいしかったわ」


「……そうか」


「明日は卵焼き甘めで」


「注文多いな」


「私の料理係でしょ?」


「誰がだよ」


小夜さんが前で小さく笑う。


家の前に着くと、車が止まった


「付いたからどいてくれ」

「,,,,,やだ!」


俺はドアを開けながら膝に寝ている光莉を無理やり、どかして座席に寝かせる」


ドアが閉まる直前、光莉が言う。


「……明日も迎えに行くから」


「わかってるよ!」


車は走り去っていくのを見守りながら

見えなくなったのを確認して


「はぁ……疲れた」


家に帰れば、また明日の準備だ。


俺の一日は、まだ終わらない。















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