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他人事

 第一学年 四月十七日 水曜日

 宝塚ゆずり葉高等学校 一年五組教室


 一文字達が入学してから、およそ二週間が過ぎた。

 この頃になると誰も彼にもといった八方美人な奴は少なくなり、なんとなく友人グループが出来上がるものだ。


 あか抜けた感じの連中、体育会系な奴ら、ガリ勉君の集い、色々なグループが出来上がっていた。


 一文字の周りには、永嶋をはじめとする特にカラーの無いありきたりの連中がいた、漏れなく帰宅部という冴えない男達だ。


 六限目のホームルームでは、五月十四日から二泊三日で行く野外活動の班割りを行った。

 神のお導きか、はたまた運命の悪戯か、一文字の班には村瀬がいた、一応永嶋もいた。


 班を構成する六人が集まって役割分担を行った。

 リーダシップに溢れる俺が班長になるだろうと一文字は思っていたが、結果は清掃係だった。

 結局、じゃんけんで負けた永嶋が班長になっていた。


 役割分担も決定しホームルームも終わろうとした頃、体育教師・原田が血相をかえて教室前の廊下を駆け抜けていく。皆、何事かと、不思議そうにその様子を見送っていた。

「廊下は走らないように!」

 一文字が発した言葉は原田には届かなかった。


 次の日、一文字は他クラスの友人からその理由をきかされた。

 一年一組の白山正輝という男子生徒が二年の悪ぶった奴ら三人と通行の邪魔だどうとかで喧嘩になり、白山一人で上級生三人を叩きのめしたとのことであった。

 当の白山はこの件で一週間の停学処分を受けたとのことである。


「おっそろしい奴がいるもんやな」

「おう、しかもな、なんやら走り屋とかやってるらしいぞ」

「おいおい、まじかよ、お前同じクラスなんやろ、普段どんな奴なん?」

「そうやな、いっつも機嫌悪そうでな、皆もあんまり関わろうとしてへんな」


 まあ、俺も関わることはないやろうと一文字は他人事に思っていた。


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