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球技大会2

 体育館は、選手と応援する生徒達の熱気で満ちていた。

 林のチームに佐那もいるのだろうかとキョロキョロ辺りを見回す一文字に、

 はずんだ声が掛けられた。


「岡君、応援に来てくれたんや!」

「え、ま、まあ、」

 にこやかに微笑む川本に、「いや、三組の応援に来てん」とはさすがに言えなかった。


「これに勝てば決勝やからね、負けられへんわ!」

「そうやな、頑張れよ」

「うん、ありがとう、じゃあ、これから試合やからまた後で!」

 そういい残し、川本はコートへと走って行った。


 三組、五組の両選手がコートの中央に集ってくる。

 林のチームには佐那もいた。

 一文字は「すまん、川本」と心の中で謝りつつも迷い無く三組の応援をすることにした。


 試合がはじまった。

 ジャンプボール、上原の跳躍は驚くほどに高く簡単にボールを奪い取り、

「優子!」と叫ぶや、すばやく林にパスを出す。


 受けた林は鋭いドリブルで切り込み次々とガードを抜いてゴール近くに迫るとシュート体制に入る。


(簡単にはやらせへん!)

 戻った川本が両腕を広げてシュートコースを塞ぐ、


(よし、掛かった!)

 目線はそのままに、林はすっとサイドにボールを流した。


 黒い影が伸びてきた、絶妙なタイミングで走り込んで来た佐那がボールを拾うとそのまま跳躍し、

 そっとボールをリングに放りこんだ。

 その流れ、遮れる者は誰もいなかった。


 五組が反撃を行う。

 ゴール下から投げ入れられたボールを川本がキャッチすると低姿勢で切り込む。

 一人、二人抜いたところで、佐那が立ち塞がった、


(これ以上、行かさへんよ)

(これはちょっとキツイか?)

 そう判断した川本は、すぐ後ろにいた仲間にパスをする。

 受け取った女子がドリブルをすると三組女子が二人掛かりで取り囲む、

 これ以上は無理と、背後の仲間にボールを戻すため、パスを出した。


(来た、ここ!)

 この一連の動きを読んでいた佐那がすかさずボールをカットし、そのままドリブルで切り込む。

 一人、二人、三人、四人目の川本が行ったところで右斜め前に走りこんだ林にパス、


「ナイスパス佐那!」

 受け取った林は一歩、二歩で宙に飛びゴールリングにボールを放り込んだ。


 ピー、笛が鳴ったところで、パチン、佐那と林が互いの掌を合わせて喜びを分かち合う。


 一文字は川本の運動神経のよさはしっていたが、上原のはそれを明らかに上回るものであった。

 その後も佐那と林が軸となり、三組は機敏かつ力強い動きで五組を終始圧倒して、

 終わったときには、三十八対十二という大差で勝利していた。


 決勝戦でも、佐那と林のコンビを止められるものはおらず、

 大差をつけて勝利を収め三組は優勝したのであった。


「え、まじで!」

 大会を締めくくる表彰式、たっぱを活かしたゴールマン棚橋率いる「五組タッパーズ」が、

 ポートボールで優勝していたことを一文字と永嶋はこの時、初めて知った。


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