柔道対決 悔しさの矛先
第一学年 八月十五日 木曜日
宝塚市民体育館 武道場
蒸しかえる蝉の鳴き声の中、銀平に敗北を喫した市民体育館の武道場にて一文字と永嶋は柔道着姿で対峙していた。
少しでも挽回したい一文字は嫌がる永嶋を、賭けビリヤードの勝ち分をチャラにすることをチラつかせ強引に連れてきたのだ。
永嶋も中学時代に体育の授業で柔道を経験していたということだったので、どの程度の腕前かを確認しようと、とりあえず試合をしてみることとなったのである。
「永嶋、貴公の腕前、見せていただこう」
「ええって、興味もなかったから、大したことないって、」
(俺、全然、勉強してへんねんと言う奴に限って試験の成績はいいものだ。
こいつの言葉を素直に信じるのは危険かも知れん。
だが、見た目はあからさまに弱そうに見える、
ここは大技を仕掛けてその対応で実力を測ってやるとするか、)
「おら! 覚悟せいや!」
一文字は大声で叫ぶと、一気に間合いをつめるとすぐさま引き手と釣手を奪い取った。
(なんや、えらいあっさり取れたで、こいつほんまに弱いんとちゃうか)
一文字が永嶋を力いっぱい押すと、永嶋は堪えようと前のめりになった。
一文字は、ここぞとばかり永嶋を前方にひきつけると瞬時に180度反転し、
相手の態勢が崩れたところで、釣手をひきあげつつ、大腿部の裏側で股間を突き上げた。
「げえ!」
男の急所をしこたま蹴り上げられ、なすすべなく浮き上がる永嶋を、一文字は引き手を利かせつつ腰を捻り容赦なくぶん投げる。
「ぐあ!」
永嶋は無残にも背中から畳に叩きつけられ、その衝撃のため一瞬息ができなくなり、
手足をバタつかせてもがいた。
それにしてもこんなに直線的で振りのでかい内股が、これ程までに容易に決まるとは、技を極めた一文字自身が、正直、驚きを隠せなかった。
何はともあれ、一文字は確信した、
『こいつは弱い』と、
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