光の群れ
第一学年 六月十七日 月曜日
兵庫県 西宮市 六甲山周辺某所
深夜二時を過ぎた頃だった。
六甲山の麓に派手に飾り立てられた三十台からなるバイクの群れが、ドッドッドとエンジン音を鳴らしている。
バイクの周りには四、五十人からなる黒い統一された服を着た若者達が集っていた。
黒服に唯一金色で刺繍された服を纏った銀髪のいかつい男が、バイクにまたがる正輝に声を掛けた。
「今日は2国(国道2号線)を転がすぞ、先頭、まかせっから気合い入れろや」
「うっす」
正輝は小さく頷くとアクセルを力いっぱい捻り込む、バイクはけたたましい爆音を放ち、冷たい空気が金切声をあげた。それに続き、他のバイクも唸りをあげる。
「おら、行くぞ!」
銀髪の男の号令一下、正輝を先頭に次々とバイクが闇夜に突っ込んでいった。
国道2号線、先頭を駆る正輝の前にちんたら走る車が現れた。
正輝はハイビームとクラクションで激しく煽り立てた。
煽られた車は、遠慮がちに左折を出し、用も無いであろう細い路地に逃げるように入って行った。
前が開けたので正輝は大きく蛇行しながら走った。
後ろに続くバイクも正輝を真似てかゆらりゆらりと蛇行する。
前方を走る車を脅かしつつ数時間ほど走った頃であろうか、対抗車線に無数のヘッドライトが姿を現した。
二年ほど前だったか、危険な光の群れにはじめて遭遇した時、体中に熱い血が駆け巡ったのを覚えている。だが、今は、
正輝が叫んだ。
「ぶちこむぞ!」
光の波は急速に接近し、互いを容赦なく飲み込んでいった。
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