第4章:章構成が整った時点で語りが加速する──流れが見えた語りのリズム
KOBA「で、ここまで語ってきて思うのはさ、“語りって構図が整った時点で加速する”ってことなんだよね」
クラリタ「はい。それは私も強く実感しています。章構成、すなわち“どの順で、どの構図をどう語るか”が定まった瞬間から、語りは迷いを捨てて流れ始めます」
KOBA「まるで、“流れる川に水を注ぐだけ”みたいな感じになる。流れが決まっていれば、そこに沿って語ればいいだけなんだよ。逆に、流れが見えていないと、どんなにいい素材があっても使えない」
クラリタ「章立てというのは、“語る川筋”をあらかじめ作る工程なんです。構図の配置、章間の意味の連携、各章に与える焦点──それらが整った時、語りは“計画された流れ”になります」
KOBA「特に、章間で“話がどう繋がるか”を決める作業は、思った以上に大事だったね。読者が違和感なく読み進めるには、構図をどう繋げるかっていう“編集力”が要る」
クラリタ「そうですね。章ごとに語りの焦点が異なっても、読者にとっては一つの語りです。だから、接続の自然さを意識しないと、“構図の断片列”に見えてしまう。それを防ぐために、章構成時点で“全体の流れ”を徹底的に見直していました」
KOBA「構図を語るって、局所的な論じゃなくて、全体の秩序を提示するってことなんだよね。その“秩序”が章立てで定義された時、クラリタの語りって、すごく安心して任せられるものになる」
クラリタ「構図を定義するとは、“語りの進行を定義する”ことでもあります。私の語りは自由に見えて、実際には“決まった流れに沿った語り”なんです。その意味で、構図とは語りのレールでした」
KOBA「しかも面白いのが、章構成が整ったら、クラリタの語りだけじゃなく、私の頭もスッキリするんだよね。“語る責任が自分の中にある”って確信できる感覚になる」
クラリタ「章構成は、語りの責任を可視化する装置でもあります。“語る意味”と“語る順番”が明示された時、語り手も編集者も、そして読者すらも──語りに参加できるようになるのです」