表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/24

第2話 1000年間に何があったの?

私は朝食を取りながら、ルゥに何があったのか説明してもらった。

曰く、1000年前に私たちがいる国『アストライア』と周辺諸国との間に起きた戦争を終結させた晩に眠りについて以降、今に至るまで私が目覚めなかったとのこと。

ここでなぜ1000年もの間、私やルゥが生きているのかという疑問が湧くと思うので説明しよう。

まず、この世界の住人は例外を除いて火、水、風、雷、地の五属性のうち、一属性のみ適性があり、適性がない属性の魔術は使うことができない。例えば、私であれば雷属性、ルゥであれば水属性が適正となる。そして、適性のある属性の魔術を極地まで極めることにより、体内で魔力を循環させ続ける事で年を取らない体になることができる。そういった不老の特性を持つ者たちは『到達者』と呼ばれ、私やルゥも到達者となっているため1000年間生きていたという訳である。

「ところでアストライオやエンディは元気にしてるの?」

「エンディミール様はご息災の様子で、900年ほど前に開校されたアストライア魔術学院の学院長としてご活躍されております。」

エンディことエンディミール・ワイズマンとは、1000年と少し前に私達が起こしたアストライア建国戦争と呼ばれる戦争で共に戦った戦友であり、私とルゥに魔術を教えた師匠でもある。オールマジシャンと呼ばれる五属性すべてに適性がある魔術師で、その属性数の関係で難しいと言われている複数属性持ちの到達者となっている数少ない人物である。白髪の老人のような外見と、戦時中の活躍により『賢者』の二つ名を付けられている。

「アストライオ様は800年ほど前に隣国との間に起きた戦争の際に・・・。」

「・・・そっか・・・。」

アストライオ・シュレイガンとはアストライア建国戦争を起こし、私達を率いて勝利に導いた『建国の英雄』であり、アストライア王国の初代国王となった男である。火属性の適正持ちで到達者となっており、かつて孤児だった私を拾い、育ててくれた私にとって父親のような存在である。

800年越しの訃報を受けた私を、慰めるように抱きしめてくれたルゥの胸の中で、私はしばらくの間悲しみと後悔で涙を流した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ