山背
有間がアキラを自宅に呼んだ。
なぜか莉夏や春には内緒のようだ。
「身体に戻ってから霊力が落ちたと言ってたよね?」
「うん、身体から出にくくなったし声も聞き取れなくなってきてるんだ…」アキラが本気で困ってる。
「だんだん普通の人間に戻ってるだけなんだけど…
多分…ジャマしてるヤツもいるんだよね。」
有間が居間でアキラの横に座った。
ちょうど竹藪が目の前に広がる位置だ。
「ゴメン、少し目をつぶって、俺が何言っても無視してくれる?」
うなづいて、アキラは目を閉じた。
顔を近付けて有間が囁く。
「山背兄さん、無理して入ったから融合が上手くいってないんだろ?
アキラくんの特性に追い付けてないんだろ?」
フッとアキラの表情が苦悶に。
「気付いてたんだ?有間」大人のような表情に変わる。
「分かるよ、あんな死に方したら。
リセット急ぎ過ぎだよ。」有間が呆れたようにため息を付く。
「積み過ぎて、もう諦めるしか無かったんだ。」
「でも〜
植物人間の中に入るとか〜色々無茶し過ぎだよ。」
「どっちかと言うと引きずり込まれたんだよ。
もう見つかった瞬間食われるみたいに。」
山背らしい人が、口の端で笑った。
「アキラ君の能力が、『僕ら』の存在に気付いたんだろね。」
「そう思う。この竹藪で眠ってたのに、急に呼ばれたんだよ。病院へ。」
「アキラくんの生命力と能力だね。」
「この子は古代なら役小角様に匹敵するシャーマンだよ。
僕が追い付けてないんだ。このままだとこの子の
開かれた第三の眼が閉じてしまう…」山背らしい人が眉間にシワを寄せる。
「それでも良いかと思ったんだ。
平成にその能力は要らないかな?と思ってた。
でも、今回要るんだよ…」有間がアキラの顔を伺うように話す。
「ゴメン、話勝手に聞いてたよ、お兄ちゃん達!」
アキラ君が表に出てきた。
「アキラ君?君はどうしたい?普通の人間になる?
孤独でも能力者になる?」
有間が聞く。
竹藪がボ〜ッと明るくなる。
奥の祠が反応している。
「もう祠から力を引き出せるんだ。ヤバイな。」
有間が苦笑した。




